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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第四章 黒尾の逆襲
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第64話 ド下ネタの真相

闇に隠れてやり放題

俺達ゃ犯罪集団なのさ

生者ひとを動かし犯罪を

やらせて高みの見物さ〜♪


…ってか?


ヤッパ昼間に動けんと何ともならん…


生者に取り憑いているわけでもないので昼間の行動には何かと制限がかかる。

それは全幽霊共通で、多少なりとも動ける俺や真智子でも夜の行動力に比べて3分の1程に低下する。

然も、それは日陰での事で、日向に出ようものなら5分の1まで低下するから比較的暗い場所や室内でジッとしている事が多い。

パチンコ屋とかデパートとか飲食店とかの建物の中は何故か夜と変わらなく動けるんだよ。

真智子の話では天然の光と人工の光の差だろうと言っていたけど、それが本当らしい。

憑依又は取り憑いている幽霊は生者任せになるのでその限りではない。

そして、浦川学園の幽霊は生徒や教師の隙きをついて取り憑くのがメインだが、100%どころか1割の分身体も取り憑けないのは一重に学園に張られている結界のせいだ。

原理まではよー解らんが、学園に張られている結界は強ければ強い霊程通れない仕組みになっているらしく、一定量以上の欠片を取り憑かせても生者が下校する時に分離してしまうのだ。

3%以下の欠片程度なら問題無く出入り可能との事なので、ターゲットに選ばれた生者に1〜2%の欠片を植え付けて学園内から操作して生者の悪意を育て、吸い取り、成長の糧としている。

あの時、俺に会いに来た黒尾の分身体は黒尾の分身体をメインとして雑魚R級の分身体を融合して此処まで飛ばしていた様だ。何故、それが解ったかと言うと、分身体が消えた後の残滓が複数体感知出来たからだ。

俺や真智子は街のあちこちに設置したアンテナと入れ替わる事で行動の制限をカバー出来ているのが現状だけど、外をウロウロ出来ないのは辛いものがあるよ。

やらかしてしまった反動でワンダーランドに近寄れなくなってしまい、あまりにも暇なのでこうして要石の上でぼんやりとしていて、フと思い付いた歌詞を某アニメの曲に乗せて歌ってみた。


「何くだらない替え歌歌っているのよ」


その後の歌詞を考えていたら真智子にツッコまれたよ。

そんな事をやっていると、登山に疲れた表情を滲ませて現れた森田警部は俺の姿を見るなり文句を言い出した。

まぁ、ワンダーランドの件でも厄介なのに加えて浦川学園の件だもんな。


俺でもさじ投げるぞ。

って…俺が言うなよ…ってか!?


何も文句を言うだけで雨降山を登っては来ないだろう。一通り文句を俺にブツケた後で現状の確認と俺達が何処まで動いて森田警部側が何処まで動くのかと言った打ち合わせを入念に行ったのだけど、ワンダーランドの件は箕浦刑事が引き継いで捜査しているとの事だが、摘発は時間の問題だと言う。

それに対して学園の件はこの街の最高権力者である四谷が絡んでいるので厄介なのだと言う。


「表向きは好々爺だし、天皇陛下より勲章を貰える程の上級国民様だからなぁ…」


上級国民様だから犯罪も許される…のか…?


イヤイヤイヤ…無いわぁ…ソレ…


力がある者がソレを行使して力の無い者を虐げるのはガキの虐めの構図と何等変わらないじゃんよ。

然も、全力で守った生徒達の運命を弄んでいるみたいだな。


ひょっとして、生徒達は最後に妖怪達の餌にされているだかも知れないな…


森田警部の話しを訊いていてフとそんな考えに至ったのだが、コレには真智子も「有り得る話よね」と口を挟んで来る。

もし、妖怪だとしたらその妖怪とは…どんな妖怪なんだ?

浦川学園のR級の動きや今の話しを総合すると、どおしても裏に妖怪が潜んでいる様な気がしてならない。


だとすると、下手に手を出すのは危険だよな…コレは…もしかしなくても戦力が足りないよな…


どおする?


四谷上級国民御一行様は森田警部にお任せするとして、その裏で暗躍するR級討伐は俺等の仕事なんだよな。


・・・ってか・・・戦力差パネェって・・・


左之助じゃあないけどよぉ、多勢に無勢だろ…コレ…最低でもコヨミの力が必要だって…マジで…


考えても仕方がないので行動有るのみなんだけど、俺も真智子もこの街から出られない。


困った…


「じゃ…じゃぁ…俺は直ぐにでも捜査を始めるからよ…」



一通り話しをした後、考え込んでしまったレイからコレ以上無理難題を吹っかけられる前にそそくさと下山してしまう。


「だぁー!どおやっても無理ゲーじゃねぇかよ!」


森田警部が下山した事にも気が付いていない俺は、コヨミ抜きで何とかならないかと小1時間程シュミレーションしてみたが、どうにもならない。

5悪と呼ばれるR級とその手下のR級。

今は亡きチョロ松の調査結果では雑魚R級は25体。つまり、総計30体で、5悪最強である村岡隆也の強さは俺に匹敵する程の猛者だと言うのだ。

それが徒党を組んで掛かってこられたら勝ち目どころの話ではない。


「・・・ミキとか言ったかな・・・あの子に相談してみたら?昨日の件で借りは作ってあるから協力してもらいましょう」


煮詰まってしまった俺に真智子が助け船を出す。


・・・それしか無いか・・・然しなぁ・・・


幾ら自殺を止める為とは言え、ド下ネタで挑発した挙げ句に煽ったからなぁ…昨日の今日ではあまり顔を合わせたくないよ…

あの時の状況で普通に声を掛けても怒鳴り付けても無駄だって事は解っていた。だから、一か八かで態とド下ネタをぶつける事でミキの怒りを呼び覚まし、その怒りを俺に向けさせる様に仕向けた。

ミキの見てくれも何もそう言うのには無縁っぽい女だと見受けられたから出来た事だけど、一歩間違えればミキはループ係になる所だったのだ。

そんな事とは知らないミキはいきなりド下ネタを浴びせられたとしか思っていない筈…


「まぁ、殴られるの覚悟で会いに行くしかないでしょう?ひょっとしたら、俊哉君が上手くフォローしてくれているかも知れないじゃない?」


しゃぁねぇか…


俺は腹を括って俊哉とミキに会いに行くべく、夜を待つ事にしたのであった。

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