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第57話 レイ、自殺を止める

NEW FACE

三上秀一 浦川学園3年

身長 165cm

体重45㎏


生まれ持った性別は男にも関わらず、持って生まれた容姿は女性そのもので街を歩けば女性と間違われてナンパされる事も度々あるが恋愛対象はノーマル。

性格はどちらかと言うと陰キャの部類に入り、普段は自室に引き籠もる傾向にある。

趣味は読書

将来は漫画の原作者になる事が夢

(FZだぁ?あのビルに入っている店は遅くても23時迄だろ?何でこんな時間に人が居るんだよ?)


(あ゛ぁ゛?そんなもん、閉店前に入り込んでタイミングを測っていたからだろ?ちょっと待てよ…野郎!!フェンスを登り始めたぞ?タイムリミットは後数分ってところだろうな…助けるのか助けないのかどっちだ?)


場所が場所だけに何でそんな所にと不思議がる俊哉に不思議な事があるかい!と反論するレイは秀一の実況を始める。


(オイ!状況が解っているのなら助けてやってくれ…頼む…)


人一人の命がかかっているのにこんな所で言い争いをしていては救える命も救えないとあってレイを拝み倒そうとする俊哉。然し、状況が解らないミキはレイの存在が気に食わなくて仕方がないらしく、何なのその幽霊は!?と喚き出す。


「うるせぇよ!この写メの送り主を助けて欲しかったら少し黙ってろ!!」


喚き出したミキを強引に黙らせると窓を開けてレイに頼むと貸一つなと言い残して窓から外に出たと思ったらスッと搔き消える様に消える。


「ちょっと!何なのあの幽霊は!?説明しなさいよ!」


無視されたのに腹が立ったのか幽霊が関わっている事に腹が立ったのか…いや、恐らく両方の理由で納まりがつかないミキが俊哉に喰ってかかる。

レイは俊哉とのみ話をしていたので聞こえて居なかったミキが喚き散らすのは当然の事だろう。


「あの幽霊がワンダーランドに住み着いていた幽霊だよ。さっき絡まれてこの部屋で話をしようとしたらこの騒ぎ…然も、事態は一刻を争うわでって事で先行して貰ったんだ。解ったら行くぞ!!」


「エッ!?チョッと…待ってよ!!」


「何だよ!?何が不満な事があるのか?人一人の命が掛かってんだぞ!?」


「だ・か・ら・生徒の悪ふざけかも知れないじゃない!!それに、生徒には公私ともに手を出してはいけないって学園から言われてんの!」


「じゃぁ、何で俺の所に来たんだよ!?助けたいからだろ!?万が一、本当に死なれたら一生罪悪感残るからだろ!?学園から何を言われているか解らんが助けを求めている生徒を見殺しにすのがお前達の教育方針なのか!?お前はバカか!?そんなのばかりが教師をやってる学校なら無い方がマシだ!!それに幽霊を殴り飛ばせても死のうとしてる人間は助けない薄情ものなのかテメェは!?」


「…………ッ!!」


「四の五の言わずに行くぞ…ほら!!!」



自己紹介だけでロクにレイの事も知らずに任せてしまった俊哉は一抹の不安を抱えたまま強引にミキを黙らせてFZへと向かう。


……………

………


「ったくよぉ…あんな有刺鉄線バリバリのフェンスを乗り越えて自殺しようとする勇気が有れば何だって乗り越えられるだろうによぉ」


「ホントよね…あぁ〜あ…地ダルマとはよく言ったものね…私は警備員探して救急車を呼ぶわ」


「わりぃな…」


「ハイよ!」


俊哉がミキを車の中に無理矢理押し込んで走り出した頃、三上秀一はFZの屋上の床に大の字になってひっくり返っていた。


何があったかと言うと、ミキに送られて来た写メを見たと同時に街全体に設置してあるアンテナを全て操作して真智子に場所を探させると、FZに設置してあるアンテナがヒットする。

見付けたと思い、安心したのも一瞬の事で秀一はフェンスをよじ登ろうしていたのだ。

FZの屋上に有るフェンスは高さ2.5mも有り、更にその上には有刺鉄線が張り巡らせてある。

秀一はそのフェンスを登り、更に有刺鉄線を無理矢理越えようといていた。

レイが到着したのは正にその時。

有刺鉄線を無理矢理越えようとしていた為に服は裂け、更に針のように尖った鉄線が秀一の身体を切り裂くが、死ぬ事しか考えていない秀一はその傷をものともせずによじ登っていた。

驚いたレイは慌てて秀一の目の前に飛び出して驚かそうとしたのだが、秀一にはレイの姿は見えないらしく尚も登ろうとする。

然も天辺迄後ひと登りといった状態だ。


「南無三!!」


迷っている暇は無い!意を決したレイが秀一の中に飛び込むと同時に精神を掌握して飛び降りを阻止したのだ。


「全く…助ける義理はないのだがなぁ…オイ!守護霊!出て来いや!」


雨降山でやっている事と同じく守護霊に対して恫喝するレイではあったが、恫喝されたからと言って、そう簡単に出て来る程素直ではなく、何度か恫喝しないと出て来ないのだ。

呼ばれて出て来た秀一の守護霊は出て来ると同時にレイを一目見て怯え、土下座をした状態でお呼びでしょうかと言う。

今にも消えそうな程弱々しいが鎧を着た姿を見ると戦国時代以前の武士だったのではないかと推測出来るが、今はそんな事はどおでも良い。先ずは守護霊をしばいて活性化を図るのが先である。


「・・・どおだ!?少しは元気出たか・・・?」


しばく=殴る


なんだけど、ただ殴るだけではないぞ?殴る事で俺の霊力を注入し、元々内包している霊力を活性化させるのが目的なのだよ。

ただ、いきなり殴るものだから抵抗すると思うだろ?然し、弱っている守護霊は抵抗らしい抵抗も出来ない為に殴られたままなんだよなコレが。

で、秀一に着いている守護霊は5分程殴られて漸く活性化したので効果の程を確認したのだけど、効果は絶大なものだったらしい。

然し、俺の顔を見るなりまたもや土下座…と、言うよりは平伏したと言った方が早いな…

何故平伏したかと言うと、俺の顔が敬愛していた主君に瓜二つなのだそう。

その主君と言うのは、前川善兵衛と言う名のこの地を収めていた初代のお殿様なのだそう。

そのお殿様の家来であったと言い切る守護霊の名は名取左之助と言う名であった。


「で?そんな男がコイツを護り切れない程にヤバい奴にやられたのか?」


回りくどい話は一切なしで単刀直入に問い質す俺に左之助は次の様な事を言った。


「一対一なら負けはせぬ。然しながらあの学び舎に住み着いている5悪と呼ばれる者共が急に徒党を組みだしたのでゴザル…拙者が如何に強者であろうと多勢に無勢では抵抗らしい抵抗も出来ぬ…このまま生き地獄を味わせるよりはと考えた挙げ句に出した答えがこの者を自害させる事であったでゴザル…」


聞くと、5悪と呼ばれるR級は村岡隆也と言う幽霊を筆頭に


荒尾佳子

伊東直道

佐伯澪


そして黒尾の順番で、ランク分けされているらしい。

それ迄は競う様に行動していた者達だが最近になって何故か上位の幽霊が黒尾に従いだした。

そうなると、手が付けられない状況になり、嬲り殺される寸前迄追い詰められたとの事。


「奴らはこの男に学び舎にいる間は女子(おなご)の衣服を着るように強要し、逃げない様に常に誰かが付き纏い、更に勉学の時が終わるとやりたい方題でござった…更には…」


「だからと言って自害はイカンぞ!まさかとは思うが自害した者の末路を知らんとか言わさねぇぞ!?」


俺は、自殺した者の末路を事細かく左之助に説明すると、事の重大さにブルブルと身体震えさせて申し訳無いと俺に謝罪し、2度とこう言う真似はさせないと俺に誓ったのであった。


「拙者、その辺の事情に疎いもので…他人の手に掛かるなら自害させた方が得策かと…いやはや面目次第もござらん…」


状況は解ったけど、切っ掛けがどしても解らんのなコレが…何故秀一がそんな状況に追い込まれたのか?そして、学校側や他の生徒は何故そんな事になっていながら何も言わなかったのか?疑問は多々有るが、今は秀一の命を救うのが何よりの最優先事項なのだ。


ピーポーピーポー…


俊哉達が到着するより先に救急車のサイレンが聞こえて来る。どおやら真智子が上手くやったらしい。


「オイ君!大丈夫か!?」


程なく警備員と救急隊員、そして警察まで飛んで来て周囲は忽ち物々しい雰囲気に包まれる。

後は任せておいて良いかなと思った頃、漸くミキを連れた俊哉が到着したので合流したのであった。


「マジでヤバかったぜ…」


2人を見るなり、俺の口から出た言葉がこれてあったが、その言葉を聞いた2人が安堵するも、これで全てが終わった訳ではない。寧ろ、コレが始まりだったのである。


その後、病院に搬送される為に降ろされた秀一の痛々しい姿に声を失うミキであったが、担任だと名乗り出て病院に付き添う事にし、俺は50%の分身体を作り出して俊哉と共に部屋まで戻る事にし、本体は救急車に着いて行く事にした。


その頃…


Gの駆除失敗…ヤツは病院に搬送された模様…てか、あと少しの所で怖じ気づくか?普通…


「はぁ?失敗だぁ?何でだよ!マジで有り得んだろ!クソが!!」


スマホの画面を覗き成功の2文字を期待していた男は期待していた文字の反対の文字を視て怒り狂うが

直ぐに冷めた表情になり


「まぁ良い…今死ななかった事を死ぬ程後悔させてやるまでだ」


そう呟いた後、寝てしまう

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