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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第1部人界篇 第一章 コヨミとの出会い
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第5話 どおすんの?

いきなり事件に遭遇!さぁ、どおする?


暴力シーン有りです。


「修行も良いけど先ずは知識!この街の事や歴史とかよ、色々と知りたい事が山程有るからそっちを優先させたい!」


力を使いこなせる様になりたいのはやまやまではあるが、先ずは欠損している俺の記憶を補える程の知識が必要だと思うのだよ。なので和樹♀の申し出は有り難いけど、後回しだ。

それに、此処で修行しなくてもコヨミが色々教えてくれそうだからな。

然し、この場に湧いて出る力のおかげで出て来ている和樹♀は他の場所でも活動可能性なのか?てか、この地だけでも分離出来るんじゃね?と思ったのでその事を尋ねてみると


「蓄電池みたいにある程度の力を溜め込む事が出来そうだから、一定時間は行動可能だと思うけど、定期的にこの場所で充電が必要かと思う。それと、融合ではなく同化なので分離は出来ない」


との事。て、事は、現在の和樹はAI搭載型のパソコンみたいなものか?それはそれで便利なのだが、もっと基本的な所で嫌悪感感じてるぞ?てか、和樹って男だよな?


・・・ウェッ!まさかの男同士?いやいや、マジで勘弁だよ!だって幾ら女のふりしても男だぜオ・ト・コ!?俺にそんな趣味はねぇっての!と、思いたいと云うか嫌悪感マックスなんですけど!?然し、追い出す事は不可能なので俺は今後和樹の事を真智子と呼び女扱いする事にする。


「仕方がないわね・・・じゃあ、私は今後、真智子と云う名の女の子って事で・・・で、私は今後貴方の事をどお呼んだら良い?何なら私が付けてあげようか?」


俺の要求をしぶしぶ受け入れた和樹改め真智子に女扱いされる事に抵抗感は無いのか?と尋ねると、問題無いよと返事が来た後で魂レベルでの性別変更は以外に簡単との事でその原理を説明しようとしたので慌てて止めさせる。


まぁ、細かい事をあーだこーだと説明されても理解出来るかどおか解らないので遠慮して貰ったのが本音だ。名前に関してもコヨミが付けたがっていたから真智子には遠慮して貰った。

それに、真智子の事は誰にも知られない方が良い部分なので余計な事はさせない方が良いと云うのが俺の考えなのだ。


てか、コイツ意外にノリが良いのな?このまま女をやってくれるのなら楽しくやってけそうだ


と、まぁ、そんなこんなで真智子のサポートを得た訳だが、やっぱり気になるのは何で俺が記憶の無い幽霊をやってんだ?


けど、考え過ぎると深みにハマりそうなので止めておく事にする。


「軽っ!軽すぎ!!」


と、おもいっきり突っ込んで来る真智子を無視した俺。重く受け止めても何か変わる訳では無いしな?コレで良いのだ!


……………………………………………


13時過ぎ


真智子の充電が終わった後、山を降りた俺は昼間の繁華街に居た。

昼時のこの時間帯は飲食店が賑わっている。


ステーキハウスか…


酒の匂いを嗅いだだけで飲んだ気になれたのだから、ステーキの匂いを嗅いだら食った気になれるかな?


等と考えつつ入店するお客にくっついて入店してみた。


ン~~良い匂い・・・


焼き上がったステーキが店員の手によりお客に運ばれる。その時にガッツリと匂いを嗅ぐと、やっぱり満足感が得られたよ。

この店には真智子も何度か来ていたみたいで良い店だと言っていた。

厨房はどおなっているのかな?と気になったのでシレッと覗こうと思ったらお客の1人に凄い形相で睨まれちまった。


俺の姿が見えているのか、そのお客が俺にシッ!シッ!と、野良犬か野良猫を追い払う様な仕草をしてきた。

まぁ、生者からしたら俺は招かざる客みたいだから早々に退散するとしますか?等と考えていたら真智子が


「アレはこの店に住み着いている幽霊よ!此処が縄張りみたいだから逆らわない方が良いよ」


と助言してきた。


俺も幽霊だからなのだろうけど、他の幽霊も生者と変わらない様に見えるのな。んでもって、街中に住み着く幽霊には縄張りみたいなものが有るのだなと素直に受け止めたら


「こう云う場所に住み着く幽霊は寂しがり屋で常にお客を呼んでるのよ?」


と付け加えて来たので、面倒だからお店に住み着く幽霊を寂しがり屋系と呼ぶ事にした。


それから俺はハンバーガーショップや自家製のパン屋や和菓子屋と渡り歩いたが、やっぱり匂いを嗅いだだけで満足感を得られた。


然し、この街に住み着く幽霊の多いこと多いこと…


宛もなくさ迷うヤツ、通行人をジッと見つめるだけで何もしないヤツ、生きてると思い込んで生者に話し掛けるヤツ(夕べの俺の状態だなアレは)


俺はそれぞれ

さ迷うヤツをLG(lost ghost)系。迷子ならぬ迷い霊って意味ね。


見つめるヤツを閉じ籠り系。うーん…ヒッキー系の方が良いかな?


話し掛けるヤツを思い込み系。


と呼ぶ事にし、これ等を一纏めにしてNG(normal ghost)級と呼ぶ事にした。



そんなこんなで時刻は17時過ぎ


約束の時間までまだ6時間程有りますがな。


うーん・・・


何しよう・・・


少し考えてから気になっていた図書館に向かう事にした。元々深く考えるのは苦手だったのかも知れないな?俺…


図書館に向かう途中、スクーターに2人乗りしている少年を発見した俺は妙な違和感を感じてその動きを追っていると、不意に真智子が


「あの子達から悪い気が立ち上っている。もしかしたら、ひったくりするかも」


と言い出した。


言われて注意深く見ると確かに黒いオーラみたいな影が立ち上っている。


誰とも遭遇しません様に・・・


等と祈っていたのだが、案の定、ママチャリの前カゴにバッグを入れた見た目40歳半ばの女性がゆっくりとしたスピードで反対側から走って来る。


ぶぅー…


女性に気が付いた2人乗りのスクーターはスピードを上げて女性に迫る。


やるなよ!?やるなよ!?


ガシャン!!


あっちゃぁ~~ヤっちまったよ!アイツ等!!


すれ違い様、運転している方がカゴの中のバックを素早く取り上げ、後ろに乗っている方が女性を蹴ったのだ。横からの衝撃にバランスを失ったママチャリは女性を乗せたまま倒れてしまった。女性は何が起こったのか解らずママチャリごと地面に叩き付けられて悲鳴を上げてる。


胸くそ悪いもんを見せられてムカついたけど、幽霊の俺に何が出来る訳でもないので後でコヨミにでも話しておこうかと思ったのだが、真智子が怒気を含んだ声で


変わって!!


と言いながら無理矢理俺を押し退けて前に出てくる。

真智子と入れ替わった途端に姿が黒のミニスカスーツを着込んだキャリアウーマン系の超美人に変わっている。

そして、俺はと言うと真智子がやることを黙って見ている状態に追いやられた状態。


「いきなり何をするんだよ!!」


勿論、俺は真智子に抗議するが、聞く耳を持ってくれずスクーターを追い掛ける。


仕方がないのでそのまま真智子の行動を静観する事にしたのだった。

 

スクーターは住宅街を縫うように走り廃工場の敷地内へと入って行く。

どおやら廃工場が奴等のアジトみたいだな。


真智子は外から見ているだけかと思ったら工場の中に入って行く。


「現金が1万8千円とカードが数枚か…チッ!湿気ってるな」


「カードは足が着くから使えないな」


バックの中身を確認して苦虫を噛み潰したような表情をする二人組は身入れの少なさに更なる犯行を思案している様子。


アイツ等ぁ~~(`Δ´)


犯罪を犯しておきながら何だ?あの態度は!?

真智子だけでなく俺の中にも怒りの感情がフツフツと沸き上がって来る。

然も、話しぶりからして常習犯っぽい。

何度も言うが、俺は幽霊なので基本的に何も出来ないのだ。

だが、真智子は二人組より別の者を見ている模様で怒気を含んだ声で


「オイお前!!その二人の後ろにくっついているお前だよお前!!ちょっとこっち来いや!」


と叫ぶが2度程無視され、ぶちギレ状態に突入したのだが、問い掛けても無駄だと判断したのか


「オイ!そこの男に取り憑く糞●モ変態野郎!こっち来いって言ってんだろ!」


「あぁ!?糞●モ変態野郎って俺の事か!?」


真智子に罵声を浴びせられ流石に頭に来たのか黒いオーラは、二人組から離れて人形を型どりながら迫ってくる。


「そうだ!お前だよ犯罪者!」


どおやら真智子は最初から黒いオーラが幽霊だと気付いていたみたいで二人組から引き剥がすタイミングを伺っていた模様。てか、女声でドスを効かせた男口調ってメッチャ怖いんですが?


「あぁん!?俺が犯罪者だとぉ!?」


「お前がアイツ等を唆してひったくりさせたよな?」


「ヘッ!知らねえなぁ!」


「あっそう!」


ゴスッ!!


「ってぇ~~なぁ~~いきなり何しやがんだよ!」


ゴスッ!!


ゴスッ!!


「だからヤメろ…ブッ!!」


ゴスッ!!って…はぁ?知らばっくれる幽霊の頭部に手に持っていたハンマーをいきなり無慈悲に振り下ろす真智子。てか、何でそんなもん持ってんだ?で、何で相手の幽霊は思い切りダメージ食らってんだ?俺の中で?マークが踊り出してますが?


目の前で展開される意味不明且つ壮絶な出来事に圧倒されまくりの俺はボーゼンとしながら見ていることしか出来なかった。


「わ…解った…言う…何でも言うからもう、勘弁してくれ」


都合5度程頭部やら顔面を殴られ、6度目のハンマーが相手の幽霊にヒットする直前、漸く大人しくなったので幽霊の事や二人組の事を聞く事にした様だ。


幽霊の名は館花勲 享年28歳

死因 絞殺

原因 元々あの二人組と組んでひったくりや詐欺等で金儲けしていたのだが、分配金を巡り仲間割れの末に殺された。

死後、遺体は雨降山の裏側に首吊りに見せ掛けて吊るされたと云う。

二人組に取り憑いていたのはもっと酷い犯行をさせて最悪な形で警察に捕まる様にする為であったと言う。


須藤克憲 スクーターの運転手だった方

26歳

他人の物は俺の物俺の物も俺の物を地で行くスーパー自己中でニート街道まっしぐら。


紺野陸男 スクーターの後ろに乗っていた方

26歳

盗み、暴行、詐欺何でもございの悪党。

彼のモットーは働かずして如何に他人から金を巻き上げる事が出来るか?自称、職業 怪盗


以上の事が訊けたのは良いが、二人組がまた二人乗りで出て行こうとしているじゃねぇかよ。どうすんだ?


「警察に逮捕させるのは良いけどこれ以上他人を巻き込むのはダメよ!!」


けんもほろろに断る真智子に


「呪い殺してやろうってんじゃねぇ!?警察に捕まえて貰って罪を償わせてやりてぇんだ!」


このままでは俺の気が収まらねぇ!と逆ギレメーターMAXで食って掛かる。

同じ目にあわせてやる的なノリで取り憑くのが普通じゃねぇのかな?コイツ、以外に良いヤツなのかもな。

そうこうしている間に二人を乗せたスクーターは廃工場を出て行ってしまったぞ?

次回、ついにこの幽霊に名前が?

此処まで書けると良いな。

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