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気が付いたら幽霊やってました〜死からでしか始まらない物語  作者: 京子
第三章 コヨミさん不在
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第32話 闇に蠢く者3

作倉が姿を見せなくなって数ヶ月が過ぎた頃


2月第3水曜日午後2時過ぎ


「救急車!救急車を呼べ!」


またもや倒れたお客が出たのだ。


今回倒れたお客は皆川幸子(みながわさちこ)29才独身

異様に痩せこけていて165cmあろうかと思われる身長にも関わらず体重は40kg有るか無いかじゃないかと思われる程に痩せている。

って事はこの女も作倉と同じく何らかの病気の可能性があるな。

そう思った俺は救急車に着いて行く事にしたのであった。


・・・


結局、この女も作倉と同じく癌だった…


部位は胃でステージ4


転移も確認されており既に手遅れの状態との事らしい。


う~む…2人も同じ様な状況で病院に運ばれたのは…


「・・・偶然じゃないかもね・・・夢枕に立ってみる?」


思わず考え込む俺に彼女を観察しながら智子が話し掛けてくる。

そう、作倉同様、彼女の魂もまた半分界底に存在するみたいなのだ。

黙って見ているだけでは埒が明かないので夢枕に立つ事を提案してくる真智子。


手をこ招いていても始まらない…


黙って見ているだけでは何も変わらない…


ならば行動して結果を出すが正解…


然し…行動して無駄に終わったら…


手遅れと解っているのに行動する意味は有るのか?


確かに俺にはこの皆川幸子と言う女を助ける義理は無い。


けど、二度あることは三度ある。


三度目を許せば止まらなくなる…か…


人々の笑顔を守るためとか、あのパチンコ屋を守るためではなく、幽霊が生者を殺すのは止めなくてならない。

それは俺が…この街に於いての俺と真智子の仕事か…

何で俺がこんな事をやらないとならんのじゃ…


そう思うのだが、関わった以上、伸るか反るかの2択しかないんだよな。

シッカシ…真智子に誘導されているよなぁ…とは思うのだけど…


「仕方ねぇ…やってみるか…」


「相手は女性だから私が出るね」


「あぁ…そうだな…頼むわ」


レイと交代した私は寝ている皆川幸子の夢枕に立ったのであった。


「・・・此処は・・・?アレッ?」


見知らぬ白い天井に左腕に繋がれた点滴の管…どおしてこんな場所で寝ているの?確か幸子はパチンコ屋で…


(゜ロ゜)そうだ…!パチンコ屋で倒れた…?


最近の体調の悪さは最悪と言える程であったけど、倒れる程悪くなっていたなんて…


ボーッとする思考のまま何があったのか朝からの行動を思い出していた幸子の記憶が行き着いたのはパチンコ屋。

今日はすこぶる調子が悪く打つ台打つ台全てダメで気が付けば5万円も負けていたので帰ろうと思って店を出ようとしていた所までは思い出したけど…


じゃぁ、その時に倒れたの?目的も果たせずに?


間違いなくそれが正解でそして救急車で運ばれた。


こんな所には長居出来ないわ…あ…アレッ?動かない…

ベッドから身体を起こそうとしたのだけど、まるで金縛りにあった様に動かない。


「何処に行こうって言うの?」


何とかしないとともがく幸子に声をかけて来た謎の人物。

その声の方に目を動かすと見知らぬ女性が佇んでいた。


「貴女は誰?」


俄に恐怖を覚え感じながらも心の中で話し掛ける幸子に


「私は真智子…此処は貴女の夢の中よ」


と返事をする真智子。


「夢・・・?」


夢と訊いて怪訝な表情で真智子を見る幸子であったが、言葉を使わないのに会話が成立している事を考えたのか、納得した表情になる。


「夢と言う事は真智子さんは幽霊?それとも…」


他の選択肢を言おうとする幸子を時間が勿体ないと言わんばかりに台詞を奪って幽霊よと返事をする真智子に何がどおしてどおなったか知ってるのかと問い掛けると幸子に対しての真智子が知り得る情報を伝えた後で


「このままだと貴女、本当に死ぬわよ?何が貴女をそこまで駆り立てるの?」


と、訊ねると清々し過ぎる表情で


「全て想像通りだし覚悟の上だから問題は無いよ」


と、言い放つ。


はぁっ!?


問題ない?


貴女、死ぬんだよ?怖くないの?


…とは思ったものの、本人がそれで良いって言うのなら仕方がない…のか…な…


あまり時間が無いので他の幽霊に何かされていないかを訊ねてみたけど、首を横に振るのみで逆に作倉秀次と言う男を知らないかと訊かれたので


「何で貴女が作倉秀次を知っているの?」


そう、聞き返すとこんな話をしてくれた。

作倉と幸子は交際しており、当時は2人で全国の心霊スポットや旅打ちと称してパチンコやパチスロの動画をウーチューブにアップしていたらしいが、数ヶ月前、一方的に別れ話を持ち出して連絡が付かなくなってしまったとの事。

一通り話を訊いた後、作倉秀次の話をしてあげたのだけど


「そう…逝っちゃったんだ…アイツ…アハハ…」


既に作倉がこの世の存在では無くなっていたと知り力なく笑う幸子。

少し前に作倉をワンダーランドで見かけたとの話を知り合いから訊いて探しに来た幸子であったが遅かったみたいだ。


なんて話をしていたら時間切れ間近じゃないのよ。憑依と違い夢枕に立つのは制限時間が有るから長話は出来ないのよね。

なので、最後に最近、私以外の幽霊の気配とか霊障に悩まされていたとかない?と訊いたら少し迷った素振りを見せた後で無いよとの返事。


(この娘間違いなく嘘吐いてるね)


それが私とレイの感想なのね。けど、無理やり白状させる訳には行かないから追跡型のアンテナをこの娘に仕掛けて雨降山に移動したのであった。

何でワンダーランドではなく雨降山かと言うと、充電するのもあるけど、アンテナを稼働させるには要石の上の方が都合が良いの。


翌日、無理やり退院した幸子は駅から歩いて20分に在るワンルームマンションの103号室へと入って行く。

どおやらその部屋が幸子の部屋の様だ。


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