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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第三章 コヨミさん不在
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第30話 闇に蠢く者1

コヨミの修行は進んでいるのだろうか?心配で仕方がないのだが、情報も無いし心配するだけ無駄かぁ…


あれから1年


俺は普段の(ねぐら)を雨降山からパチンコ屋に移し昼間はパチンコ屋で台から聞こえる音と歌とお客の喜怒哀楽を楽しみつつフワフワと漂い、夜になると雨降山で真智子相手に修行の日々を送っている。


後日俺に会いに来た青と黄の話しでは前回戦った魂喰は10%の強さだとの事で、俺が美味しく育った頃にまた来る筈だとの事。


勘弁してくれよとボヤいても仕方がないので霊気を利用した技の研究中だ。

このパチンコ屋の名はワンダーランドと言う名で4円パチンコ300台1円パチンコ100台20円スロット200台5円と2円スロットがそれぞれ50台と計700台が稼働する巨大パチンコ屋だ。

そのパチンコ屋に通う常連は老若男女合わせて500人程存在している。

少し前までボッタクリ店と化していたワンダーランドではあるが、店長が交代してからは健全営業になり、そこそこ楽しめる店に変わったのだが、楽しめると言うだけで勝ち負けは別の話しであって、負けている人が圧倒的に多い。

まぁ、そう言う店であるからにして、勝ち負けは全てお客の自己責任って訳で健全営業宣言してからはボッタクリ店だとか言う客は以前と比べたら減った様だ。


この店には居着いている幽霊が俺を含めて7人居るが俺以外はNG級で寂しがり屋だ。


此処のNG級は他のNG級と違い、縄張り意識が無い様子で沢山のお客が来店するのが喜びみたいで俺が一人増えても関係ない様子だ。

なので非常に居心地が良い。



然し…このパチンコ・パチスロってのは一種の毒だな?然も極めて中毒性の高い毒だ。

そんなお客の中で俺は1人の男に興味を持ってしまった。


決してそちらの趣味に目覚めたからとかじゃねぇぞ!?この男の背後に蠢く何かに興味を持ったからだ。


男の名は作倉秀次(さくらひでつぐ)と言う名でメガネをかけている以外はコレと言った特徴もない可も無き不可もない極々普通の男なのだが、毎日の様に通っては1日平均で2万円は負けている。

勿論、その何倍も勝つことも有るが月トータルでン十万円は負けている様子だ。

昼の11時頃から来て遅くても17時迄には帰るのだが、少なくとも昼間の仕事はやって居ないよな?

なので、ヤツが何者なのか後ろで蠢く奴がどお関わっているのかと言った興味を持ってしまった。


ある日の事。

何時もの様に来た作倉は20円スロットで珍しくお座り一発状態で出していたのだが、何故か嬉しそうではない。

連チャンさせている人は少なからず笑みが浮かぶ。


なのだが…


何故か表情が暗く顔色も悪い。


何だかなぁ…と思いつつ様子を伺っていたのだが、幽霊が悪戯しているとかじゃない様子。

じゃあ、体調が悪いとかか?


ン~…解んねぇ…


普通に体調が良くないとか単なる寝不足と言うのなら個人的な事情だよな。

少なくとも蠢く者は見ている間は手を出していなく、更に言うと、この男は雨音の住人ではないので俺には何も出来ないと言った方が早いのだ。


お…おい…


何はともあれ作倉はこの日、投資金額千円で十万円以上の大勝をして帰ろうとしたのだが、車に乗り込もうとした時に倒れてしまった。


いきなりの事に慌てた俺は作倉に近寄ったは良いけど何も出来る訳もなくただ見てるだけ。

こう言う時に限って周囲には誰も居ないのな?然も、コイツが車を停めた場所は駐車場の一番奥角で建物からは見つかり難い状況だ。


「私が人を連れて来るからレイは此処で待ってて」


仕方がないので店内に残してきたアンテナを操作して人を呼ぼうとしたのだが、真智子の方が動きが速かったので任せる事にする。


5分後


「えっ…あっ…大丈夫ですか?」


真智子が連れて来たのはこの店の店長で羽田剛(はねだつよし)と言う名の40代後半の男性だ。

真智子お得意の乗り移りで現場へと連れてきて作倉を確認させた所で離れて俺の中に戻って来た。


「きゅ…救急車を…」


店長からしたら何か胸騒ぎを感じて念のため駐車場を確認しに来た感じでしかなく戸惑いを感じている様子ではあるが、倒れたままピクリとも動かない作倉を病院へと連れて行かないと後味も悪くなると言うもの。


然し…この男に何があったと言うのだろう


背後で蠢く何者かに不気味さを感じつつ、この作倉と言う男に興味を引かれた俺は到着した救急車に憑いて行く事にしたのであった。


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