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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第13章 勝つのはどっちだ
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第202話 ヒーロー危機一髪

一体一体は強くないのに、こんな数で攻められては…てか、俺達を標的にしている様な動きは何なんだ?


何処から湧いて出て来るのか解らないが、際限なしに出て来る眷属の掃討に追われるヒーロー達。

悪魔軍を相手にした時とは比較にならない程の軍勢に押され気味の状況だ。恐らくはこの世界に住まう人間全てが魔似マネが模したものであり、回収した魂も擬似的な魂だと言う事に気が付いた眷属が腹いせに襲って来たのだろうと推測出来る。

だが、此処で逃げ出したり押し負けてはヒーローの名が廃る。


ハァ…ハァ…フン!!


flame of reincarnation!!



肩で息を切らせながらも力を振り絞り眷属討伐に全力を注ぐが多勢に無勢では幾ら強力な技や術を使用しても糠に釘状態で然程効果は望めない。


体力、妖力を刮られて徐々に追い詰められていくヒーロー達の命は最早風前の灯火だと言っても過言ではない。


「ケケケッ…

幾らヒーローと言えどもこの数を相手にするのは骨が折れるようだなぁ。

そろそろ逝けやぁ!」


1番強そうな眷属が高笑いしながら妖気弾を作り出すと他の眷属も妖気弾を作り出して一斉にヒーローめがけて投げ付けてくる。この1番強そうな眷属の名は百戦鬼と言う名の妖怪で数多の戦場で活躍する戦闘狂だ。

普段ならこの程度の妖気弾なら跳ね返すことも可能なのだが、体力が低下している状態では直撃は免れないだろう。

迫る妖気弾に苦々しい表情を浮かべるヒーローに対してシテやったりの眷属。

程なく着弾した妖気弾が激しい爆発音と大きなキノコ雲か立ち昇ると眷属側から歓声が上がる。

遂にあの忌々しいヒーロー達を撃破出来たと喜んだに違いない。


然し…


「幾ら貴方方と言えど、あの数を相手にするのは無茶・無謀すぎだ」


「ヒーローを守った我等が真のヒーローってことで良いのでは?」


間一髪とはこの事。

妖気弾が着弾する寸前に張られたバリアがヒーローを守ったのだ。


「喧しい!ヒーローがどうとかはどうでも良い!兎に角助かった…礼を言う」


「フッ…まさか貴方に礼を言われる日が来ようとは思いもよらなかった…悪くない気分だ」


窮地を救ったのは是流と村岡の2人だ。

思いもよらない援軍に安堵したヒーロー達であったが、2人増えたところで形成は不利と言えよう。


ところで…何時までこの茶番を続けるつもりですか?この場がどう云った場所かを知らない訳ではないでしょう


予期せぬ援軍に驚く眷属の群れをひと睨みし、牽制した後で最大の疑問をぶつける是流にレッドが返答する。


「ンなこたぁ百も承知だっての!

俺達がやれることはアイツとこの状況を作り出した最大の黒幕の対決を邪魔をさせないように足止めするのが役目だ!」


それ以上でもそれ以下でもないと言い切ると一瞬ではあるが口元を緩めた是流がパチンと指を鳴らすと夥しいほどの悪魔軍が出現して眷属に襲いかかる。


「魔王代理から預かって来ました

コレをお飲みください」


村岡から渡された小瓶を見て思わずニヤけるヒーロー達。

それは魔界の薬草を混ぜ合わせて精製された回復薬の中でも最高の力を持つ回復薬だ。


「それとコレも」


更に渡されたアイテムにマジかと戸惑うヒーロー達に気兼ねなく大暴れして下さいとのことですと魔王代理の言葉を伝えると、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


「良いって事だよな?」


喜びに打ち震えると言う表現がピッタリと当て嵌まる程に全身を震わせブルーが呟く。

そのアイテムとは、限定解除のアイテム。

人間界で活動するには力が強すぎるので自らに枷を強いているのだが、その枷を外して良いと許可を得たと言う事は何の制約もなしに暴れて良いと言う事だ。


「だからそう言っている」


是流はこの言葉を言い残し村岡と共に眷属討伐へと向かう。


直後


ドウン!!


突如出現した巨大な力の奔流に気付いて注目してしまった全員が固まってしまう。


マッドフェニックス!

クレイジーウォーター!

デンジャラスイエロー!

ヘルピンク!

くノ一グリーン!

ブラックシャドー!


6人揃って

妖戦隊 怪レンジャー!

魔王の名の下、貴様らに天誅を下さん!


眷属「・・・」(ダサッ!!)


ご当地ヒーロー番組のノリでポーズをキメめたヒーロー達を凝視してしまった眷属全員の頭の中に浮かんだ感想がそれだったのだが、本人達は至って真剣だ。

せっかく追い詰めた奴等が復活したのだから面倒くささも倍増したが眷属達もまた逃げ出すわけには行かない。どおやったかは解らないが、眼の前の世界は人間界ではなく誰かの専用空間だ。

この結論に至った眷属は我が世界へ帰還するためにはヒーローや悪魔軍を含む全てを制する又は直ぐに白旗を掲げ降伏するかの二択しか残されていない。



「皆の者に告ぐ!

敵は神クラスの猛者だ!

此処は人間界ではない!限定解除できる者は許可する!

心してかかれ!」


全ては主の勝利のために!を合言葉に。


「ケッ!

神クラスの猛者だとぉ!?

状況を把握も出来ないカス共が!

限定解除した俺達をそんな枠で測れると思うなよ!」


6人の姿が揺らいだかと思ったら数百の眷属が一瞬で消えた。


FEVER TIME!!

狂乱の時間の始まりだ!


実力差を見せ付ければ戦意喪失するかと思っていたのだが、寧ろその逆で更に気合を入れて襲い掛かって来る眷属にウンザリ気味な表情を浮かべたが、直ぐに真顔に戻ったかと思ったら再び消える。


「まさかこれ程とは…」


水を得た魚とはこの事であったと後に是流が語ったヒーローの大逆襲が始まったのだ。

混戦模様となっている悪魔軍と眷属の集団の隙を駆け抜け、後方で戦況を観ていた眷属の集団に襲い掛かる。

眷属は人間に例えると、全員凶悪犯以上の悪党揃いの為に一切の手加減をする必要がない。

枷を施している理由の1つとして、フルパワー状態で戦闘しようものなら、敵を核ごと始末してしまう危険性をもっているからなのだ。

その枷を外したと言うことは、抹殺許可が降りたも同然である。

然し、敵もさる者。ヒーロー一人一人の弱点となる属性を持つ者達が相手をするが、どこ吹く風の様子で良いように蹂躙されていく。


まさかレイとの戦闘経験が此処で役に立つとは思わなかったぜ。

レッドとブルーの脳裏に魔王空間でのガチバトルの光景が蘇る。

火には水

水には土

と云った戦闘スタイルで相手をしてきたレイに対して、遂には限定解除をして対峙したのだが、結果は散々たるものであった。

この時、レイはヒーロー達のマックスレベルの半分のレベルで戦っていたのにも拘わらず、完膚なきまで叩き潰されて白旗を上げるしかなかったヒーロー達に「幾ら戦闘能力が優れていても弱点属性を持つ相手には手も足も出ないね」と言い放つレイ。

このレイの言葉に


今の自分達は強さの上に胡座をかいているだけだと気付き、猛特訓が始まった。

強さの先の世界を観る…いや…レイに頼られる人物になる為に。


そして現在。


まさか…これ程とは…


あれ程いた眷属を良いように蹂躙され、消され、残る眷属は百戦鬼以下約50体。

どの眷属も闇丸と同等かそれ以上の化け物揃いであったのだが、終わってみたら大人と子供程の差があった様だ。


「投降せよ。

今ならチョットは減刑されるぞ」


レッドが刀の切先を百戦鬼に向けて叫ぶが応じるわけにもいかない。


「殺せ…

我等を殺さなければ貴様等は後悔することになるぞ!」


雑魚は蹴散らしても、その1団のトップとなればそうは行かない。

核の状態になろうが魔界へと連れ帰り裁きを受けさせる必要がある。

それを踏まえて投降を促してみたのだが、結果は予想通りの拒否。それどころか殺せと宣う始末。


「アッチも決着着いた様だし、全員纏めて生きたまま地獄へ行ってもらうとするか」


テメェ等全員殺す価値もないと言わんばかりの対応をする村岡が地獄送りの陣を発動させ眷属を捉え、是流ですら口を挟めない程の速さで地獄へと送り出してしまった。

この行動には誰も文句は言わなかったし言わせなかったが、レッドから村岡に1言だけ。


「此度の件助かった。

感謝する」


敬礼と共に言われてしまったことによりめちゃくちゃ照れまくり、その姿が面白かったのか暫くの間、是流にゼスチャー混じりで弄られることとなった様だ。

大して面白くもない小説を此処まで読んで頂き感謝です。

あと少し付き合って頂ければ嬉しいです

m(_ _)m

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