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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第二章 修行と事件と記憶探しと
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第18話 幽霊じゃない

ちょっとだけ変態下ネタチックな内容が含まれています。

「恐らくは最下級の存在だと思うけど歴としたレア級よ?気が付かなかったの?」


ピンク色のオーラがくすんで見えたでしょう?上手く隠したつもりだなんだろうけどね。と半分馬鹿にしたように訊いてくるコヨミにムッとしながらも


「気が付くも何も初めて遭遇するんだぞ?解っていてもそれでレア級だとか判断つかねぇよ」


等と抗議したらそう言うことにしておいてあげるわとか言われてしまった。まぁ、見た時点で何級かとか害が有るか無いかとか判断出来る様にならないといけないな。

これは俺の今後の課題だとしてもだ!コヨミよぉ、さっきから何でそんなに機嫌が悪いんだ?俺が何かしたのか?

軽薄男と遭遇する前と後じゃあ反応がまるっきり違うのだけど?


よく見て……………?


コヨミの豹変に困惑しているところに不意に聞こえた真智子の声。オロッ!?真智子はスリープモードに入って無かったか?よく見て?って…コヨミをか?俺の問い掛けに返事は無かったが注意深くコヨミを観察すると


( -_・)??ナンダアレハ?


言われて初めて気が付いたが、確かにコヨミの中でくすんだピンク色の玉が光っているのが見える。

まさかと思うけど色魔とやらがコヨミの乗っ取りを企てているのか?映画を観ている時に真っ青な顔をしていたのは色魔に乗っ取られまいと必死に抵抗していたのか?

そんでもって映画を見終わる頃には乗っ取りをほぼ完了されていたのかもな。先程の台詞はコヨミから俺へのヘルプだったのかも知れない。


てか、コイツ本当に幽霊なのか?


コヨミはレア級だと言っていたのだが、何故かな幽霊から発せられる波動とはチョッと違う様な気がする。

これには真智子も同感みたいで首を捻る。


映画館を出たコヨミに憑いていたのだけど、いつの間にか人気のない場所と言うか禍々しい雰囲気が漂う場所に来てしまったぞ?

これって非常にマズいんじゃね?


「お姉さん❤️どお?俺と遊ぶ気になった?」


どおすんだコレ…等と考えていたら、くすんだピンク色のオーラを身に纏った軽薄男が再びコヨミに声を掛けて来た。


コイツ懲りねぇ奴だな!?


と、思ったのだけど、何だか先程と雰囲気が違う?然も、コヨミのヤツも「今すぐあたしをホテルへ連れて行って」的な事言っているし軽薄男の方も完全に俺が見えてるみたいだし…いったい全体どおなってんだ?


この波動…レイ!コイツ妖怪よ!?


軽薄男の正体に気付いた真智子が俺に警告を発する。


「何だって!?妖怪だぁあ!?」


驚きのあまり、思わず声に出してしまった俺に一瞬、コイツただのボンクラ幽霊じゃないな?と云った顔をする軽薄男…いや、色魔。


幽霊より上位の存在であり、妖力を使った特殊な能力を使いこなし、人間や幽霊を餌とする魔界の住人。


それが妖怪。


「あーぁバレちゃったよwwwてか、何でバレたんだ?」


魂喰の話や図書館で読んだ妖綺譚でその存在を認識してはいたが、まさかこんな所でご本人様に遭遇するとは思いもよらなかったぜ。

然し、幽霊と違って妖怪相手となると今の俺で勝つことが出来るのか?


先ずはコヨミの中のアレを取り除くのが先決よ!


妖怪だけでも無理そうなのにコヨミまで敵になったらその場で消滅確定フラグが成立しようってものなので、その前にコヨミを解放しようとしたのだけど


「おっと!先程は人目も有ったから遠慮したが、此処は俺が作り出した異空間!言わば俺の住み家同然の場所よ!無駄な抵抗は止めて俺を楽しませてくれよ!幽霊!!」


俺の行動が解ったのか俺とコヨミの間に割って入る妖怪。

と言ってもなぁ…戦闘に関してはド素人レベルでしかない俺が妖怪を楽しませられる訳がない。


違うって!!ヤツの台詞を思い出して!!


エッ!?そっちじゃない?楽しませる=戦闘じゃないの?


何を勘違いしてるの!?アイツは色魔だってコヨミが言っていたでしょう?ヤツはレイを男としてではなく女役として楽しませろと言ってんの!


と突っ込んで来る真智子。


このシチュエーションではそう考えるのが普通じゃん?それがまさかのそっち方面ですか?てか、そっちの欲はマリアナ海溝の最深部にでも沈めて来たかと思える程無いから言われても解らんのだわ!


「魂レベルでの性別変更は簡単だって私言ったよね!?妖怪なら強制的にそれが出来るヤツも居てもおかしくは無いって事!最も両方で楽しむつもりなのでしょうけどね」


そうだった…姉としてのノリで接してくれてるけど、真智子も元は男なんだよな?妖怪は幽霊相手にそんな事も出来るのか?そして最後に美味しく…ってか!?

勘弁してくれよ…俺はそっちの気はねぇっての!


等とボヤいている間にも俺に襲い掛かって来る色魔。コヨミはと言うと金縛りになっているのか微動だにしない。

この空間は縦横高さが30m位の立方体で出入口みたいなモノは存在していない。

対抗手段を考えながら逃げ回っていたのだが、あっという間に空間の角に追い詰められてしまった。


「ホラホラちゃんと逃げてくれよwwwじゃないと気持ちいい事ヤッちゃうよぉwww」


厭らしい笑顔でジリジリと迫ってくる色魔。コイツぜってードSだ!

クッソー…せめて霊気のコントロールが出来ていたら対抗手段も有ったろうによ…


逃げ場を失った俺の中を諦めにも似た感情が支配する。


と…その時…


ザクッ!


何処からともなく飛んで来た一振りの刀が色魔の左腕を切り飛ばして地面に突き刺さる。


……………!?痛っってぇぇぇ!何処の誰だ!出てこい!!


オヨ?妖怪でも切られたら痛いと感じるらしいな?オマケに青い液体が吹き出てるしよ。てか、血なのか?アレ…


「お楽しみの所、失礼するぜ!」


「人間界での犯罪行為は問答無用で死刑って法律知っている筈よね?」


いきなり左腕を吹き飛ばされて怯んだ隙に俺と色魔との間に割って入った青色のスーツの男と黄色のミニスカスーツの女。この二人も俺の後ろを付かず離れずくっ憑いているあの黒いのと似た雰囲気を持ってやがる。

コイツ等もヤッパリ妖怪なのか?


イヤイヤ…全然お楽しみじゃないから!てか、貞操の危機は去ったのか? 


てか、出入口は無い筈なのにこの二人は何処から入って来たんだ?


「てめぇ等は…フンッ!ある程度の補食は許可されている筈だぜ?」


妖気を操り切り飛ばされた腕を再生させながら最もらしい言い訳をする色魔に


「魔界に迷い込んだ人間や幽霊に限ってだよ?それは!?だいたいね、妖怪が魔王の許可なく人間界に来る事自体が重罪だって知っているよね?」


色魔の自分勝手な言い訳に正論を振りかざす黄に


重罪だろが何だろうが俺には関係ねぇよ!俺達からしたら人間や幽霊なんか単なる餌だろうよ!食って何が悪い!


と言い返す色魔の腕は既に再生完了した模様。


「あのなぁ…1200年前にこの国の帝と交わされた不可侵条約の事を忘れたとは言わねぇよな?」


「ケッ!不可侵だぁ!?とっくに死んだ人間と交わされた条約なんて俺の知ったこっちゃねぇよ!!破棄だ破棄!そんなもん!!だいたいなぁ、今の今まで俺が人間界に居るのに気付けない魔界の連中が悪い!俺に食われる人間が悪い!!」



「ホント…何処にでも居るよな!?悪い事をしながらも関わったアイツ等が悪い!騙された方が悪い!殺されたアイツが悪い!そして自分は悪くない!!なんて言い訳する奴…テメェはこの場で消す!」


「おせぇよ!悪いがてめぇ等に腕っぷしで勝てる気がしねぇからよ…ここいらで消えてくれや!!!」


これ以上は問答無用と踏んだ色魔が青を中心に

巨大な陣を出現させる。

確かあれは真智子も使っていた黄泉送りの陣!コヨミが色魔の後ろで呆けた表情ながらも印を結んでいるのが見える。


コイツはヤベェぞ!


「へぇ~単なる性欲魔人にこんなものを作れたなんてね」


見たことの無い陣に感心しきりの黄に


「フンッ!そこの女の力を使ったのよ!」


勝利が確定したと確信したのか得意満面でネタばらしをする色魔。

どおやらこの色魔は性欲特化型の妖怪で術系の力は行使出来ないらしい。

だからなのだろう、術を使いこなすコヨミを仲間に率いれたかったのだろうな。

それには俺の存在が邪魔であった。

然し、黄泉送りの陣は発動する事は無かった。

そう、色魔とコヨミの間に突如として出現した青が持っていた刀で一瞬で色魔を1cmサイズのサイコロ状に切り裂き一際輝く部位を鋭い切っ先で貫く。


「バッ…バカ…な…核を破壊した…だと?」


それもその筈で青と黄の姿をしていたのは魔似マネと言うスライムの親戚の様な低級の妖怪で、魔似マネを使って色魔と対峙していのだ。

相手を倒そうとするのなら簡単にネタばらしをするもんじゃねぇぞ


と言い切る間に色魔は断末魔の叫びを残して消え失せた。


「コッチも終わったわよ?」


いつの間にかコヨミに近付きコヨミの額に手を翳していた黄が処置完了の合図を此方に送って来る。


俺の名前はブルー。

そして此方がイエロー。

で?お前の名は?


「レイ…自分に関しての記憶が無い幽霊です。其処で気を失っている楠コヨミに名付けられました」


先ずは会話の基本、自己紹介を済ませた後でおかげで助かりましたとお礼を言おうとした俺に礼など要らんとバッサリ切り捨てた後で青が何で1人で2つの魂が同居しているのだ?と単刀直入に訊いてくる。

チラリとコヨミを見ると気を失っている様子なので真智子の許可を貰って事の経緯を話す事にする。


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