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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第3部 破壊神と創世神 第11章 帰還
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第180話 所詮は空の掌の上なのか?

レイ「それ…

マジで言ってるのか?」


大嶽「はい」


レイ「・・・はぁ〜・・・」


大嶽「気が乗らない様ですね」


レイ「ったりめぇ〜だっつう〜の!」


大嶽「コヨミ様は如何でしょうか?」


コヨミ「右に同じ!ってとこかな…」


大嶽「言うと思ってましたよ

ですが、お二方には魔界の発展の為にもご尽力してもらわなければならないのですよ」


レイ「だぁ〜かぁ〜らぁ〜

何でそれが中古車販売と自動車整備工場の経営なんだよ!?」


大嶽「それが空様のご指示でございます」


コヨミ「それって、各種手続きや土地や建物とか諸々のお膳立ては終わっていると考えて良いの?」


大嶽「えぇ…昔とった杵柄ってヤツで」


レイ「俺はイ・ヤ・だ!」


大嶽「おやぁ?設備と部品が揃っていれば車1台組み上げてしまう程の腕を持っていると有れば当然のことかと思いますが?」


レイ「確かにそれは認めるけどよ

それとコレとは別問題だっての

やりたくない事を強制させるってのはイジメと変わらんぞ?」


大嶽「人聞き…いや…妖怪聞きの悪いことを言わないで下さいよ

人間界での貴方方の生活基盤を築くのにはもってこいの案だと思いますが?」


コヨミ「確かに…

肉体を得た事でやれる事は制限されているしね」


レイ「あのなぁ…

機械弄りに費やす時間は殆ど残されていないのは解ってんだろ?」


大嶽「えぇ…まぁ…ですが、それまではどお生活するおつもりですか?言っておきますが、誰も貴方方の生活の面倒を見ることはしませんよ」


レイ「てか、その会社も1から作らにゃならんのだろ?」


大嶽「お膳立ては終わっています。

因みに従業員には株式会社オタクの社員を予定しております。」


コヨミ「会社の社員を使えるのなら痛車の制作とか出来そうだけど…」


大嶽「痛車でも何でも出来ると思いますよ?

手始めに1台制作して展示してみるのも一興でしょう」


コヨミ「・・・有りかも・・・」


レイ「釣られてんじゃねぇよ!?

機械弄りよりも要石の調査とか色々やりたい事があんだよ

俺は技術屋ではなく学者だぞ!?」


3人が口論しているのは当面の生活についてだ。

株式会社 オタク メディア部で活動している為に人間界での生活には困らないが、レイ達家族はそうは行かない。

その為、空を含めた魔王軍で検討を重ねた結果、行き着いたのが中古車販売と自動車整備の会社を立ち上げる事であった。

技術は有れど興味がないレイを説き伏せるのは無理だと思われたのだが…


大嶽「そう言う事は事が全て終わってから幾らでも出来るでしょう?」


コヨミ「痛車を作れるのならあたしは有りかな」


レイ「却下!

それをやるなら探偵をやりたいぞ!」


大嶽「探偵とは…

それも良いかも知れませんね…

だが却下!

全力で却下!」


レイ「う〜〜〜!!」(扱い雑じゃね?俺…本当に魔王なんだよな?)


アニメのキャラクターを印刷したりして飾り立てて街中を走り回っている痛車に興味津々だったコヨミにとってこの提案は垂涎ものであろうことは間違いない。

生前の経験から考えてもレイの心が動く事は無いだろう事は必定。

ならば、コヨミを抱き込めばレイを動かせると踏んだ空が大嶽を動かしたのだ。


御主人様の負けですね


面白いものを見れたと言わんばかりにローラがちゃちゃを入れるのを反論出来ずにいると


大嶽「取り敢えず1台やってみませんか?

それを店頭で展示してお客さんの反応を見るのも良いかも知れませんね」


大嶽の誘惑に心を動かし始めたコヨミに対して畳み掛けると意外に乗り気の様子。

結局、大嶽の誘惑に負けてしまったコヨミはノリノリでやる!と言い出したものだから匠自動車(仮)へ行くことになったのであった。


………

……


この車をねぇ…


匠自動車(仮)に到着した一行を待ち受けていたのは株式会社オタクの社員5名と10年落ちの白いスポーツカー

そのスポーツカーを見た途端にどおしたものかと考え込んでしまったコヨミ。

この状態に突入すると人気バンドがライブを始めようと戦争が始まろうと一切動じる事はない。


「取り敢えず、今1番人気のあるアニメをモチーフにしましょうか」


言うやいなや社員達に対して指示を飛ばしてデザインを考え出す。

まぁ、このジャンルは俺の専門外なので放おっておく事にしたのだが、成り行き上俺が社長になる訳でやらなければならないことは山程ある。

イヤイヤ…本当にイヤイヤながら社長業をやろうとしたのだが


「社長は楓夏様でレイ殿は工場長に就任してもらいます」


って…

俺に自由はねぇのかよぉ〜〜〜〜!!


俺の心の叫びは誰にも届く事が無かったのであった。



クックック…

坊っちゃんの怒り狂う様子が手に取るように伝わって来る

ガァ〜〜〜〜ハッハッハ!


魔王城謁見の間で事の顛末を覗いていた空がバカ笑いをしている横でお戯れも大概にしないと後が怖いですよと嗜める天雷に対して


「坊っちゃんの怒りは俺には向かないよ」


と言い放ったので「?」マークがフォークダンスしだした天雷に


「まぁ、高みの見物と洒落込もうじゃないか」


と言った後で真顔になり真智子に対して何やら指示を飛ばす。

実のところ、魔王の座はレイに譲られたものの、未だ実権は空に有り魔王代理である真智子は従者的な立ち位置に甘んじているのだ。

そんな事になっているとは一ミリも知らないレイは扱いの雑さ加減にイライラを募らせる事になっているのであった。

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