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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第3部 破壊神と創世神 第11章 帰還
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第177話 寝夢はおネムなの…

「・・・おやおや・・・せっかくの帰還の祝福とお仕事の依頼をしてあげようと思ったのですが・・相変わらず落ち着きのない人達ですね」


レイ達家族の反応を察知して駆け付けた大嶽こと超獄丸は既に其処に誰もいないを確認して何も逃げる事は無いのにと呟きながらも行き先の検討は付いているので追うことはしなかった。


………

……


「やっぱり此処が1番落ち着くぜ」


「ホント…やっと我が家に帰って来たって感じがするわ」


「夜が明けたら俊也先生の漫画読みに行きたい」


「だな…漫画の方も良い方向に向いているみたいだから行って見るとするか…その前に…始めるぞ」


一行が居るのは要石の上。

一行と言ってもレイとコヨミと天音の3人。ゆう子はピンクと共にヒーロー活動に勤しんでいるし楓夏は雲海と共に温泉旅行へと出掛けて行った。

何故、要石の上かと言うと此処が1番落ち着くし誰の邪魔も入らないからである。


「「「………」」」


要石の上で座禅をして目を閉じて瞑想を始める3人に街中に配置されたアンテナが次々と飛び込んでは離れて行く。

どおやら不在期間中の記録を確認するのが目的なのだろう。


「どういう事よ…

コレ…」


アンテナに蓄積された情報を一通り見終えた後、コヨミが困惑しているのが解る。

それは、天音もレイも同じなのだが何が原因でこうなっているのかが解らない。

早急な調査が必要だと感じたレイは比較的被害の少ない人物に接触しようと記録の解析を試みた結果


「取り敢えず俊也の仕事部屋へ直行だ」


奴等なら何かしらの手掛かりが掴めるかもと一縷の望みを込めて俊也の仕事部屋へと直行するのであった。


………

……


ねみぃ〜…


連日の徹夜作業で慢性的な寝不足に悩まされている俊也が最後の一コマを書き終えた所でボソリと呟いた所に現れたレイ達。

普通なら驚くところだが、それよりも眠気には勝てず今は寝させてくれと言い残して仮眠室へと消えて行くと入れ替わりに香菜が現れて俊也の代わりにレイの達相手をしたのだが、香菜もまた眠そうである。

聞く所によると、寝ると首無しの男に「お前を殺す」と追いかけ回されて逃げ切った先にはメルヘンチックな世界に似合わないゲームで出て来る様なモンスターが襲い掛かって来る。

そこで目が覚めるのが常で更に漫画が実写化しているのも手伝って慢性的な寝不足になっているのだと言う。

そして優やミキも同様な目にあっているようで目の下のクマが酷く常にどよ~んとした空気に包まれているとの事だ。


成る程…いや然し…


俺の中にはとある妖怪の名が浮かんでは消えるが動くことがないとされている妖怪で有名なのだ。

半信半疑ながらも彼等の現状を見て見ぬふりは出来ないので、4人には俺の分身体を仕込んで対策を施した後で漫画を読み出した天音を残してコヨミと共にみず乃へと向かう。


「旦那!」


何時ものように裏口から顔を出した俺に困惑した様な表情で出迎えた社長が捲し立てるように現状を話し出す。


話によると


約半月前より従業員全員何かしらの悪夢を見る様になり、寝不足状態が続いて店どころではなくなっているとの事だ。中でも恵美が見る夢は、長蛇の列となって入店待ちをしているお客がみず乃の料理を食べた途端、ゾンビとなり大暴れして店を破壊し尽くす。

その光景を黙って見ていることしか出来ないと云った夢なんだそう。


「街の住人の約半数がこんな状況に陥っている。

此処まで来たら妖怪の仕業に間違いない」


確信を持って社長が言うが、俊也達にもみず乃の従業員にも妖気の残滓が残っていないから追うことも出来ないから何とも言えないのだよ。


う〜む………


確かにアレはアイツの眷属なのだが、前述の通り動くことがないと言われているが状況証拠は…

然し、アレは自らの世界に引き籠もって出て来る事は無いニート妖怪と来ている。


その妖怪の名は…

睡眠欲を司る妖怪 寝夢ねむ

魔界での名は 悪夢あむ

人の夢に入り込んで悪夢を見せて睡眠を邪魔したり良い夢を見させて目覚めない様にしてそこから発生する様々な感情を餌とする厄介な妖怪だ。


確信は有れど証拠がない。


みず乃の従業員にはコヨミが分身体を憑依させ対応策をとった後、今後の対策を練る為に黄瑠璃庵へと移動するのであった。


………

……


幾ら御主人様の命令でも聞く義理は無いですの…

おやすみなさいですの…


春の柔らかな心地よい陽射しにうたた寝していた見た目10歳くらいの少女は突如現れた見た目25歳くらいのイケメン男子に怒鳴られると一瞬不機嫌そうな表情をイケメン男子に向けたかと思ったら何処から出したのか、アイマスクと耳栓を装着して再び寝入ってしまう。


「この…クソガキャが…!」


少女が装着したアイマスクには


二度とおネムの邪魔するな!したら殺す!

ヽ(`Д´)ノプンプン


と表示されている。

今直ぐ消滅させたくなる様な強い憤りを感じたイケメン男子であったが、返り討ちにあう可能性を考慮したのか


「サボってンじゃねぇぞ」


と言い残して消えるのであった。


この少女こそ五欲最後の妖怪 寝夢 である。

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