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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第10章 第2次魔界大戦
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第168話 決着その4

う〜ん…

困った…


何もない空間からなんの脈絡もなしに飛び出てくる暗器や銃弾やシュガーの直接攻撃を躱しながら戦うコヨミの表情は困惑の色を深めていた。

闇に紛れ暗殺を得意とするダークハンターズのトップであるシュガーは兵士達や側近よりその色が濃く出ていると言うか異空間を移動し相手の背後へと回り込みとどめを刺すと云った戦闘方法を得意としている。

シュガーの属性は無属性

つまり、全属性に対して弱点にはならないが優位に立てる訳でもない厄介な属性。更に格闘戦や暗殺術に長けていると来たら勝負も長引く。

勿論、不動明王もコン太もコヨミに力を貸しているのだが、ヒットアンドアウェイではないが常に異空間を移動して攻撃をしてくるが為に決定打を与える事が出来ないのだ。


一方、シュガーの方も全方位で張られている不動結界に阻まれて攻める事が出来ないでいた。

ではリリスを攻めてコヨミの油断を誘う作戦に切り替えようとしたのだが、リリスはシュガーの動きが解っている様子で然も空間を越えた攻撃手段を持っているとあって手出しは出来ない。

ただ救いになっているのはリリスが側近との戦闘に気を取られていてシュガーにまで気が回らないと云った事だろう。


…やはりこのまま撤…!?!?


頭に血が登りやすい反面、思慮深く小心者の一面を持つシュガーは兵士達と共に地獄界へと帰還する選択を選ぼうとしたのだが激しく動揺してしまう。


ゼロめ…何をしやがった…


兵士達が全員消滅している事に気が付いたが、今は戦闘中とあって何をされたかは解らない。

解らないが、物理的・妖力での攻撃でないことは確かだ。

と言うのも、ダークハンターズは別名無属性暗殺部隊と呼ばれており、構成メンバー全てが無属性の悪魔であり格闘・暗殺術に長けている者ばかりなのだ。

そんな者達が一方的且つ無抵抗で全滅の憂き目に合う等と言う事は信じられない。


やぁ〜っと捕まえた♡


不意に出て来た手が混乱するシュガーの顔面を捕らえてそのまま通常の世界へと引き摺り出されてしまう。


ナッ……

ダミーが配置されているのに…


ダミーを複数体配置し実体を特定困難にさせていた筈なのにピンポイントで実体を特定し捕えるなどと云う芸当をやられるなんて出来ると思わなかったシュガーは逃れようとしたのだが急激に魔力を吸い取られ抵抗らしい抵抗が出来なかった。


ウフッ♡

魔力美味しっ♡


恍惚の表情を浮べたコヨミが異空間から引き摺り出したシュガーを投げ捨てる様に放り投げると、リリスとその部下がシュガーを取囲み身柄を拘するが当の本人にはそもそも抵抗する力が残されていなかった。

コヨミがシュガーの力を根刮ねこそぎ奪ってしまったからに他ならない。

恍惚な表情を浮かべて舌舐めずりをしたコヨミの姿に心底恐怖したアンコは思わず呟く。


き…吸精鬼?


人の生き血を吸い生きる吸血鬼。

その種族の中に突然変異種と言っても過言ではない程の一族が居た。

その名は 吸精鬼

読んで字の如く血ではなく他人の精気や妖気や魔力を吸い取り自らの活力に変えてしまう一族だ。

その一族の中でも特に変わり者で有名であった者が前大戦で妖怪に寝返った後で転生し、果ては人間へと転生したと伝説がある。

その吸精鬼の名は 呼夜魅こよみ 別名 ヘルフラワー

そう、その吸精鬼こそ嘗て変態女王と呼ばれていた妖怪であった。

この回答に行き着いた時、アンコは勝てなかった理由が解ってしまった。


魔力が吸い取られ、更に服従する様に調整された魔力を注入されていたのだ。


それを気付かれない様にやっていたとなると、コヨミの正体がそれしかないと思ったアンコであったが口に出すことは無かった。

もし、口に出したとしても何のことか解らないと言われるのが関の山であろう事は解っている。

なので、アンコが取れる行動は唯一つ。

先程の口だけではなく心の奥底から忠誠を誓い身も心も捧げる事。


コヨミ様に永遠の忠誠を…


この時点でアンコは悪魔では無くなっていた。

魔力ではなく妖気になっていたのだ。

そんなアンコにコン太がそっと寄り添い


「これから宜しくね」


と言った後で何を考えているのかアンコに対して求愛行動をとると困惑の表情を浮かべて嫌がるそぶりを見せるアンコであったが、契約の首輪の効力のせいなのか解らないが逆らう事が出来ずに受け入れてしまう。


その後、シュガーはリリスに引っ立てられゼロの元へと連行され二度と魔界へは来ないと誓った誓約書を書かされ、地獄界へと強制送還されたのであった。



………

……


ゆう子VSマックス


「ゆう子ちゃ〜ん

俺は君だけを愛しているんだよぉ…

あの犯罪者はもう居ないからさぁ〜俺とやり直そう〜よぉ〜過去は水に流してさぁ〜

ウフフフ…」


右手にサバイバルナイフ左手にオートマチックの拳銃を持ち狂気の表情を浮かべてゆう子を探して森の中をウロウロするマックス。


何あれキモッ!キモすぎる…


獣の様にのそのそと歩き回るのではなく筋骨隆々の姿にも拘らず内股でナヨナヨとした動きで歩き回る姿を目撃したゆう子とピンクは激しい吐き気に襲われるが、我慢し手裏剣が飛び出るトラップを仕掛けて移動する。

マックスの動きを確認しながらトラップを仕掛けまくる事約3時間。トラップを仕掛け終えたゆう子はチーの強化型分身体を3体程飛ばしてマックスの反応を見る。


「そんな分身体なんかでこの私をごまかせると思っているの!?」


言うやいなや右手の拳銃が火を吹く。

拳銃の銃弾は魔力を使用しているが為に自身の魔力が切れない限り弾切れする事はない。

無駄弾を使わせて弾切れを狙ったのかと思ったのかそんなことをしても無駄よと言わんばかりに数十発の銃弾を乱射すると周囲に張り巡らせていた見えない壁に阻まれ、弾が跳ね返り跳弾となりマックスへと向かっていく。


きゃ〜

いやぁ〜


こんな事になるなんて思いもしなかったのか奇声を上げて逃げ惑うマックス。

このまま自滅してくれたら楽なのにと思っていたのだが、どおやらマックスの沸点は低かった様だ。


ブッッッッッ殺す!


全身を真っ赤にし、頭から湯気を出して怒り狂ったかと思ったのだが、目だけは冷静に周囲を見渡し


そこっ!!


顔は明後日の方向を向いていたが銃口だけは的確にゆう子に向けてそのまま連続で3発撃ち出すが既にゆう子はその場には居なかったので被弾する事はなかった。


あらら…

演技が上手な事で…


ゆう子に向けて銃弾を撃って来た事により、それまでの事が全てゆう子を動揺させる演技だったと判断したゆう子であったが、マックスのオカマ然とした言動を止めなかった事で覚めていたのだ。

まぁ、ピンクの助言もあったのだが今はそんな事を気にしている暇はない。


この悪魔をどお始末するかが問題だ。

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