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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第10章 第2次魔界大戦
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第162話 是流は何を考えているのか?

「あっ……………ちょっと待った………」


村岡の申し入れを受け入れた俺に強化型アンテナの映像を監視していた真智子から待ったが掛かる。

やっぱりアイツ等の戦況は気になるからな。

こうして監視していたのだ。

超獄丸とその相手が本気度超MAXでぶつかり合うらしい事が解ったと真智子から報告が入ったので村岡達をチョイと待たせた後で超獄丸を怒鳴り散らして俺の世界へと強制送還してやった。


ったく…てめぇ等が本気で戦えばどおなることくらい解っている筈なのに、一体何を考えているのやら…まぁ、それだけの強敵だと言われればそれまでの事だけど、魔界がぶっ壊れるとどんな事になるって解らない連中じゃない筈なんだけどなぁ…


突然消えたパズルの気配に驚いていた村岡と是流。

悪魔軍同士は仲が良くはないが犬猿の仲程ではない。そんな状況で是流の口から「弱いアイツが悪い」なんて台詞が出て来るのだから考えなくても解るだろう。


シッカし…ニ身合一しているとは言え、2対1かぁ…いや、それは良いのだけど、兵隊共はどおすんだよ!?まさかとは思うが全戦力を使い俺を疲弊させた後で楽にとどめを刺すとか言った魂胆じゃねぇだろうな?

幾ら俺達が強くなったとは言え、あの量の銃火器から発射される弾を捌ききりながらの戦闘は無理ゲーっぽいぞ。俺の見立てではあの掠るだけでもアウトな程強い呪術弾を標準装備している筈だしなぁ…

いっそのこと家族に兵隊の相手を任せて超絶結界に包まれた特設リングを造ってそこでやるか?それとも火星辺りに飛ばしてそこでやろうか?

等と考えていた頃のコヨミ達の会話


コヨミ「結局こうなるのね…」


ゆう子「仕方がない…やっちゃう?」


天音「じゃあ、アレやろうよアレ」


コヨミ「??」


天音「この前お姉ちゃんと二人で考えていたことがあってね この地形ならかなり頑丈な物が出来る筈」


ゆう子「トラップ仕掛けまくって翻弄する為?」


天音「それ、良いかも」


コヨミ「今思い付いた行き当たりばったりじゃないでしょうね」


天音「違うよ」


コヨミ「?じゃあ、何?」


ゆう子「こう言う事よ!?」


二人の話に着いて行けないコヨミに見ていれば解るよと言いたげに二人同時に印を結び叫ぶ


築!!


ズゴゴ…と大きな音をたてながら周囲の砂が集まり複雑な模様を描きながら壁を構築して行くのを唖然とした表情で見ているしかない兵士達を飲み込みながら縦横の長さ約1Km高さ5mの砂で出来た巨大な建物が出現すると


天音「巨大迷路の完成♥」


ゆう子「だってあの頭数を相手にするのって無理ゲー過ぎるし序にあのゴーレム封じも出来て一石二鳥じゃない?」


ドヤ顔で然も語尾に♥を付けて天音が言う。

天音の話によると、幽霊屋敷の仕掛けを別のイベントで使えないかと試行錯誤をしている最中に上がってきたのがこの巨大迷路らしいのだが、何処から砂を用意するのかとか場所の関係で実現不可能と判断して却下となったとの事だけど、夥しい量の銃火器と周辺の地形を見て此処でやらなきゃ何時やるの?思ったらしい。

唐突に出現した迷宮に困惑したのは兵士達だろう。

何故なら、圧倒的な火力を持ってレイとその家族を制圧しようとしたのだから。


天音「あ〜あ〜…悪魔さん達聞こえているかな

コレは砂で造られた迷宮だよ

トラップ満載 中ボスや魔獣とかも配置しているから全滅しないようにね

ゴールは私達家族の部屋だよ!?

それじゃあ、迷宮攻略ゲームスタート!」


天音「そうそう…ゴーレムは使えないし、壁を壊したら反則と見なされ壊した人達は消滅するから気を付けてね」


是流「チッ…面倒な…四人一組で行動し、迷宮を攻略せよ!抜かるなよ!?」


兵士達「ハッ!!」


是流「では、10組ずつ5分置きに出撃せよ!」


天音の声を受けた是流が兵士達に命令を飛ばしてのを切っ掛けになったのか、四人一組で行動を開始する。


約2時間後


ゆう子「ロン!タンピン三色ドラ1」


天音「マジ!?」


ゆう子「へっへ〜

これでトップね」


コヨミ「オーラスで捲くってやるから!」


レイ「かぁ〜…俺がダントツのドベかよ…これ…役満でも上がらないと追い付けないぜ…」


開始10分程した頃から聴こえる兵士達の叫び声や銃声をBGMに何故か麻雀に興じるレイと家族達。


ゆう子「じゃあ、Cー3エリアのトラップ発動するね」


普通の麻雀ではあるが、点棒の代わりに迷宮内のトラップの発動権利を得る。

迷宮内は幾つかのエリアに区切られており、各エリアに設置されているトラップの発動権利を得た者は好きな場所のトラップを発動させる事が出来るのだが、トラップの強さは上がり役の高さで決まる。

因みに現在の順位はゆう子、天音、コヨミそしてダントツの最下位のレイとなっている。


レイ「え〜っと…満願だからレベル3のトラップだな」


トラップレベル3は刃物トラップ。

エリア内に侵入した敵に対して射出口から刃物を飛ばしたり壁や床から刃物が出現したりするトラップだ。

不意打ちとなるので効果を期待出来るが、相手は悪魔なので刃物での攻撃が何処まで通用するかは不明だ。

然し、この刃物には神気を纏わせているが為にまともに喰らうと多大なダメージがある筈。

強化型アンテナの映像を確認した後、トラップを発動させ、麻雀に興じる事にする。


ゆう子「悪いけど、トップは絶対に譲らないからね!」


コヨミ「それはずぇ〜〜〜ったい阻止してあげるんだから!」


何時になく気合の入っているゆう子にニヤニヤが止まらないレイと天音そして、逆転トップに執念を燃やすコヨミ。

この麻雀でトップを取ると一体何があるのだろうか。

………

……


すーっ…

キョロキョロ…


サササッ…


1番最初に出撃した一行は慎重かつ順調に歩を進め、迷宮の中盤迄進んでいた。


「此処は…取り敢えず一息入れようか」


一際大きなフロアに到着した一行は此処にはトラップも無ければ近くに魔獣達の気配も無い事を確認し、念の為に結界を張った上で休憩する事にする。


が…


ザクッ!!


唐突に床から突き出た無数の槍そして天井から降り注ぐ短剣が結界を突き破り兵士達に突き刺さる。


そう、この地点はCー3エリアのド真ん中であり、ゆう子の上がり役によってトラップが発動したのだ。


「トラップも無ければ魔獣も居ない…況してや刃物が結界を突き破るなんて事は出来ない筈…なの…に…」


訳も解らずに意識を手放す兵士達。

刃物に殺られたこの兵士達はまだ幸せかも知れない。

ある兵士達は魔獣の猛攻に一蹴され、ある兵士達は中ボスの脅威に恐怖し逃げ出した挙げ句に逃げ込んだ通路に仕掛けられたトラップで消滅させられたりと散々な目にあっているのだから。


ゲーム開始4時間

迷宮内は阿鼻叫喚地獄とかしたのであった。


………

……


…っ!!


トラップが発動する度に迷宮内に響き渡る悲鳴や叫び声に驚きの声と銃声に辟易する是流。


「野郎…完璧に遊んでやがんな…」


そんな是流に対してイライラが止まらない村岡。


「ま…まぁ…少し落ち着こうぜ…俺達まで浮足立ってしまっては奴の思うツボだ」


大部隊相手に遊びの様な事を仕掛けて来ているレイに対して底しれぬ恐ろしさを感じるが始まってしまったものは止める事は出来ない。


(我は奴の強さを知らねばならぬ…それがこの身を滅ぼすことになろうとも…)


(是流は何を考えているんだ?どおしようもない実力差に気が付いている筈なのに…)


見てくれは幽霊にも拘らず内包している力は幽霊のそれではなく、それに気付いた村岡は魔界を去ろうかと考えた程だったのだが、是流の囁やきがその考えを掻き消したのだ。


「このままだと全滅は時間の問題か…」


次々と消えて行く兵士達の気配にため息を吐きつつ残存兵力を確認しつつ兵士達を撤収させるかどおか思案する是流は意を決した様に叫ぶ。


「意外に早かったな…」


気づけば開始から8時間半が経過した頃、是流からの叫び声を聴いたレイが遊びは終わりだと言わんばかりに迷宮を解除してしまう。


「もう終わり?もう少し抵抗してくれると思ったのだけどね…でも、トップはアタイだから、約束は守ってね」


約半数の兵士達を失ったものの、残りの半数は出撃していなかったので元気いっぱいだ。


まだあんだけ残ってんのかい!!


心の中でツッコミを入れながらも兵士達を一掃しようとしたレイと家族に襲い掛かろうとした兵士達を制した是流が


「我と村岡そして、精鋭3名と貴様達で決着を着けよう」


と、提案してくる。


う〜む…


大乱闘をおっ始めるつもりだったのだが…少し考えた俺は「だが断る!全員纏めて消滅させてやるよ!」と言ったのだが、レイの言葉を無視して精鋭3名を残して他の兵士達を強制送還した。


「オイ!テメェ等が仕掛けた戦争だろうよ!

最後まで全勢力で来いよ!」


と…言ってはみたものの…返してしまった兵士達を呼び戻す事はせず


「全責任は我と村岡にある!

だから、最期は我と村岡で貴様と決着を着けたい!」


と返して来る。

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