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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第二章 修行と事件と記憶探しと
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第16話 幽霊のランク分け

5日後


あたしは濱田壊(はまだかい)について調べた結果を纏めてみた。


濱田壊 1948年9月4日生まれ O型 


享年56歳


父親 濱田源次郎(はまだげんじろう) 濱田建設社長 享年70歳


母親 濱田珠代(はまだたまよ)(旧姓 迫田) 享年65歳


高校卒業後、濱田建設で3年間の下積みを経て源次郎の後を継ぐかと思われていたが、何故か独立して破王社を設立し、初代社長としてその手腕を振るう。

社長就任直後に濱田建設の社長秘書であった中川昌枝と結婚し、一姫二太郎といった理想的な子宝にも恵まれる。

長男が高校卒業した5年後に長男に会社を任せ、自らは会長職に収まって第一線を退く。


社長時代の仕事ぶりは非常に真面目克つ要領が良かったらしく、社長が入る現場は特に仕事が早いと評判であったらしい。


で…15年前に脳梗塞で他界かぁ…


独立して破王社を設立した時の経緯を知りたい所だよね?建設会社を継ぐのが自然だろうにさ。


けど、濱田壊には仲の良かった友達と云うのが皆無であったのは予想外だったな。

元同級生だと云う人物に会って話を聞いた限りでは非常に影の薄い人物で一匹狼的な存在であったらしい。

その時に卒業アルバムを見せて貰った。


ウーン…


確かにレイに似てはいたのだけど、濱田壊は別人だ!レイではない!


この濱田壊と云う人物に引っ掛かるものを感じながらも暗澹たる気持ちになってしまったのであった。


と…その時…


破王社…濱田壊…?


「キャッ!!」


突如として背後から聞こえる男の声に心臓が停まるかと思うほど驚いたあたしの姿を見てヒャッヒャッヒャッと笑い転げるレイを怒り任せに踏んづけて「何してくれんのじゃワレ!?」と怒鳴り散らしたら


「真剣な表情でお悩み中みたいだったから気分を変えてあげようかな?と思って」


と言い出したので


「誰のせいで悩んでいると思っているのよ!誰の!!」


と言い返してしまった。

てか、あたしに気付かれずに近寄るなんて事…まさか?と思ったけど、原因はアタシに有ったみたい。


と、言うのも、あたしは集中し過ぎると周囲が見えなくなる事が有るので今回はあたしが全面的に悪い事になるのかな?


「なぁなぁ、この濱田壊って奴の墓って何処かに在るのか?」


そんなあたしを華麗にスルーして濱田壊の事を訊くレイに雨土山の霊園に在った事を告げると案の定、行ってみたいと言い出す。


時刻は22時30分


公共交通機関は動いていないし明日にでも連れていってあげるとしましょうか。

その事をレイに告げた後で魂を分割させて遠くの景色を見る技を修行させる事にする。


レイにとって魂の分割は苦手の部類に入るみたいで、なかなか上手く行かない。


「だぁー!何で上手く行かんのじゃぁ!」(真智子がやると上手く行くのに何でだ?)


真智子もやっていた事なので、軽く出来るかな?と思っていたら要領がまるで掴めん!何かコツみたいなものが有るのだろうか?


「まぁ、得て不得手は誰にもある事だから焦らないの!」


頭を両手で抱えるレイを宥めてから一息着くためにワンカップの蓋を開けて落ち着かせる。


お酒の匂いを嗅いで落ち着きを取り戻したレイは先日逮捕された二人組の事を話し出した。レイはレイで色々と動き回っていたみたいね?


「なぁ、幽霊って基本、どんな奴がいるんだ?」


二人組の話をした後で幽霊のタイプについて質問してくるレイに知ってる限りの情報を伝える事にした。


簡単に纏めると

俺がNG級と名付けた奴ら

次に悪霊

次に家族や恋人等が心配でこの世に残り対象人物を守る立場に廻る幽霊

次に怨霊。解りやすく言えば悪霊の上位存在

そして、黄泉


「あたしが知っている限りではこんな感じだけど、探せばもっと変わった超激レアチックな幽霊がいるかもね?例えばレイとかレイとかレイとかねwww」


記憶が無いせいかも知れないけど、死んだと気付いていながらもこの世に残っている幽霊はコヨミの知る限りでは俺くらいなものらしい。

どんな幽霊であってもこの世に怨みも未練も無くなれば成仏し、輪廻の輪に還り生まれ変わる為の準備に入るのがこの世の理なのだが、どおやら俺はその理から外れた存在なのかも知れないねとコヨミが言う。


「意識だけがこの世に残って他人の生活を見せつけられる事は苦痛でしかないでしょうからね」


とは言え、俺がどんな奴でどんな事を考えて生活していた事を知るまでは成仏してやる訳には行かない。それが、俺の未練と言えなくもないがな。


何はともあれ、幽霊の種類を


悪霊をレア級(R)

守る立場の幽霊をSレア級(SR)

怨霊をSSレア級(SSR)

黄泉をレジェンドレア級(LR)


と、呼ぶことにした。


「何かゲームみたいな呼び方よね?」


と、いつの間にそんな事覚えたの?とコヨミに問い質されたので昼間に繁華街で見かけたカードゲームショップに入った時に見たカードゲームのカードに描かれていたランクを引用してみたと説明したのだが、意外にも


「そっちの方が呼びやすくて良いかも。アッ!試しにカードゲームやってみる?カードくらい持てるよね?」


「持てるけど、やり方知らねぇぞ?」


「教えてあげるからさぁ、やろうよ」


と、俺が勝手に呼称したランクを軽く受け入れたコヨミがデッキと呼ばれるカードの山2つを持ち出して来たので気分転換がてらやることにしたのであった。


「デッキに入っているカードは違うけど、強さは互角よ?まぁ、初心者ハンデとしてあたしのライフは半分で良いわよ?」


「おぉ?言ったな?コテンパンにしてやんよ!」


たかがゲームだろ?直ぐに慣れてコヨミをコテンパンにしてやんよ!カードを並べながらルールとやり方を覚えた俺は早速コヨミに勝負を挑む事にした。


「だぁ~!また負けたぁ~!!」


始めて3時間。全く勝てない。あまりにも勝てないのでデッキを交換して始めたのだけど、それでも勝てない。デッキにはモンスターカードとマジックカードとトラップカードがバランスよく入っていて各々のカードを駆使し、戦略を組み立てて相手の裏をかいてダメージを与えてライフ削って行くのだけど、コヨミに1ポイントのライフを削る事も出来ずに5連敗。ようやくライフを削る事が出来たと思ったらそこから更に10連敗。


てか、コヨミは鬼か?初心者の俺に手加減無さすぎだろ!


勝てない悔しさに歯軋りしながら16回戦目を申し込んだ俺に コヨミはカードゲームの全国大会で2回程優勝経験を持つ強者だから勝てなくて当たり前だよ と伝えて来る。


漫画家をやりながらカードゲームでも有名人なのか?祓い屋以外のスキルは無駄に高いのな?

てか、これで手加減しているのなら本気のコヨミはどれだけ強いんだよって話だな。


まぁ、たまにはこうして二人の時間を過ごすのも悪くないかもな?等と考えていたら真智子の奴が


もしかしてコヨミに惚れちゃった?ねぇ、惚れちゃった?


と、茶化して来る。


ウーン…好きか嫌いかと訊かれたら好きと言った方が早いけど、それが惚れた晴れたになるとちょっと違う様な気がする。


真智子とそんなやり取りをしながらカードをめくるとデッキ内で最強カードが舞い込んで来た。召喚するのにはそれなりの条件が有るのだが、召喚条件は揃っている。


フッフッフ…今度こそ目にもの見せてやるぜ!


やっと勝てるぜ!と思いながらカードを出して攻撃を試みたのだが…


甘い!!


俺が最強カードを手に入れたよりも先に対抗手段を引き当てていたコヨミに意図も簡単にブロックされた挙げ句にカンウンター攻撃されて敢えなく撃沈したのであった。


じゃあ、俺は一旦雨降山に行って修行の続きをやって来るよ


20連敗した後、眠たくなったので寝ると言い出したコヨミと10時間後に駅前で会う約束をして雨降山に戻る事にしたのであった。


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