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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第10章 第2次魔界大戦
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第160話 昔話をしようか

ブラックゲート

人間界で言うと、凱旋門と同じ位置に在る装飾が美しい黒い門ではあるが、誰が何のために作ったのか全く不明であるのと周囲にはコレと言った観光地も無ければゲート自体にも何の機能も無いので訪れる者は皆無に等しい。


軍服にライフルにマシンガンに手榴弾に短銃にサバイバルナイフにロケットランチャーにバズーカ砲って…本格的だなありゃあ。

そこまでやるなら戦車くらい持ってこいよ。

オッ!?

ありゃあサンドゴーレムってヤツか?

アレが戦車の代わりなのか?


是流軍プラス村岡と対峙したレイとレイの家族。

レイが見た是流軍の印象は、まんま傭兵部隊だ。

是流軍を構成しているのは、兵隊7500兵隊のリーダー400近衛100名の計8000名の部隊で部隊名はデザートウォリアーズと言うらしく、メドゥやパズルの軍と違い、統制の取れた軍隊に見える。


ガチャリと音を鳴らせて前列の兵隊が銃火器の先をレイとレイの家族に標準を合わせるが、いつの間にかその前に出た村岡が兵隊を制し止めさせた上で大声で叫ぶ。


「やり合う前にレイと二人で話をしたい!」


直ぐに戦闘に突入するかと思っていたら唐突の申し入れに拍子抜けしたレイであったが、質問の内容が予想が付くので快諾し、進み出る。


「オカ研ノートとその他資料を見たか?」


やはりと言うか何と言うか話の内容は村岡が生前に調べていた事と謎とされている3代目部長の全てだ。


「村岡君が知りたがっていた前川勘兵衛守定近の件だけどよ…」


「マジっすか…どおりで…」


「歴史の闇に葬られた事実だからな…俺もビックリだったよ…然し、自力で彼処まで真相に近付けたんだ…胸を張って良いと思うよ」


「長年の疑問を解決出来て良かったです…ありがとうございます…で…悪党だったと言われている3代目部長の事ですが…何か知りませんか?」


知り得た情報を話して聞かせるレイの言葉に真剣な表情で耳を傾ける村岡は更に質問をする。


「あぁ…3代目って俺の事だ」


「はぁ?貴方が3代目だなんて…嘘だろ?」


「嘘じゃねぇよ。妖綺譚の翻訳は俺がやったし朗読会も大盛況だったんだぜ?それに俺が悪党だって話しはガセネタだ」


「どおりで噂と貴方の姿が重ならない筈だ」


「全てを知りたいか?長くなるぞ?」


「お願いします」


「面白そうだな…我にも聞かせろ」


「是流!?」


「しゃ〜ねぇ〜なぁ〜…少し昔話をしようか」


………

……



「・・・ってことは・・・」


「濱田壊ってヤツの横恋慕から始まり、それを強欲に利用されてアンタを殺した後で全てを捻じ曲げたって事か?」


全てを話し終えた後、腕組みをして考え込む是流と村岡に俺は


「フラレた腹いせにしては度が過ぎていると言うより、壊は強欲に利用された挙げ句に支配されてしまったが為にこの世のすべてを手に入れようとしている…この事実を踏まえて、まだ俺と決着を着けたいと言うか?俺としてはアイツを倒すのに手を組みたいと考えているのだけどなぁ」


此処まで話すつもりは無かったが、ある意味村岡も壊と強欲の犠牲者なのだから知る権利はあるだろう。何にしても無駄な戦闘をするのは愚の骨頂だし、犠牲者を増やすのは俺の趣味じゃない。


然し…


「それとコレとは話しは別だ…

俺は3代目…アンタとサシで勝負がしたい!」


俺との実力差をその肌で実感しているだろうに、それでも戦いたいと言った。

その後ろでニヤニヤ顔の是流。

成る程…流石は悪魔…口先だけで村岡を焚き付けたか…


チッ…!

チッ!チッ!チッ!


心の中で舌打ちが止まらないが、悪魔になってまで俺との勝負を望んだ村岡の気持ちは汲んでやらないとならないだろう。


どおして…

どおして俺に絡んで来るのはこんなのばっかりなんだよ!


俺が望んでいたのは嫁と子供達とで幸せな家庭を築く事だったのに…


心の中で叫ぶレイではあったが、コレも自らが乗り越えないとならない試練だと割り切るしかない。


「貴様と村岡の実力差は見ただけでも解る…だが…これならどおだ!?」


二身合一!


是流と村岡が融合し、別の個体へと変化して行く。


なっ…


是流でも村岡でもない存在…

敢えて言うのなら漆黒ダーク悪魔デビルと言う表現がシックリ来るその姿に一瞬ではあるが驚きの表情を浮かべるレイであったが、実力は超獄丸の本気モードより少し強い位かと冷静に分析していた。

然し、そんな事などどぉでも良い話し。


「コレで貴様との実力差は埋まった筈だ

全力で相手をして貰うぞ!」


・・・やっぱりそうなるのな・・・


何で戦闘狂の脳筋ばっかりなん?


なんて思ったが、それが俺の運命なのだろう。


「アンタを倒した後でアンタの敵はキッチリ取りますんで安心してください」


なんて言い出すものだから、心の中で笑っちまったよ。

てか、男同士でキモくは無いのだろうか?些か疑問ではあるが、まぁ良いか…


「あぁ…忘れていたけど、村岡君の仲間が出版した書籍が有るんだけどよ…渡しておくよ」


「…?

アイツ等が?」


「伊達とか言ったか?ソイツが中心になって出版したらしい。結構詳しく書いているぜ?」


実は、オカ研ノートと一緒に保管されていたその本を見付けた俺は館長に本の詳細を尋ねた後、俊哉を通じて本を入手して持っていたと言う訳だ。

結構詳しく書いていて面白かったよ。

俺は、村岡の考えが変わる事を願って本を渡したのだが…


「アイツ等と一緒に行きたかったな…」


二身合一を解除し、受け取った本を抱きしめ悔しさを滲ませる村岡の目から流れる一筋の涙。

然し、それも一瞬の事で再びニ身合一して戦いを申し込んで来る。


受けなきゃ収まらないのだろうな…


そう受け止めた俺はしぶしぶながら受けて立つ事にするしたのであった。

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