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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第10章 第2次魔界大戦
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第159話 消えた二人

悪魔軍め…

どいつもこいつも烏合の衆ばかりではないか!


目の前に映る妖気で作り出した3つの内の2つのスクリーンに映るVS悪魔軍との戦闘状況にイライラが止まらなく1人吠える山本八郎座右衛門は眷属を召喚し、只管斬りまくる。


まさに八つ当たり

斬られた程度では死にはしないが、斬られる眷属にとっては迷惑以外の何者ではない


・・・!!


どれだけの眷属が被害にあったか解らないほど暴れ続けていたが、何かの気配を察知したのかピタリと暴れるのを止めて再び食い入るようにスクリーンを凝視しだす。


ほぉ…?

コレは面白くなって来た…


スクリーンに映し出されている状況を視てほくそ笑む山本八郎座右衛門は悪魔軍側の戦力を分析するのであった。


………

……


ファ……

この程度でしたっけ?

面白くなさすぎて欠伸しか出ませんね…


パズルから繰り出される激しい程の攻撃を躱し続けたかと思ったらカウンターを食らわせて反撃したり態と攻撃を食らって自身へのダメージ量を測ってみたりと圧倒的な差を見せ付けていたが、飽きてしまったのか、ただ単に暇潰しにしか思えなくなってしまったのかは定かではないが思わず出てしまった欠伸に更に逆上するパズルに魔神モードにならないのですかと挑発する。


「ヘッ!所詮神の力を借りただけの魔神モードなんぞ格下のやることよ!」


挑発に対して更に逆上するかと思ったパズルであったが、魔神モードのワードを訊いたせいで一周回って冷静になってしまった様だ。


「ほぉ?

では、どおするのですか?」


神から力を借りて神と同等の力を得る魔神モード。

その魔神モードの上となると、パズルが神そのものになるしか残っていないのだが、その考えで間違っていない様だ。


悪魔神 パズル


悪魔神を自らに降ろし融合し、神へと自らを押し上げた結果がコレだ。


「暴走は・・・無い様ですね・・・

最初からそれで相手をして下さいよ」


姿形こそ変わらない様に見えるが、抑えきれずに漏れ出る禍々しい魔力と圧倒的な存在感が全てを物語っている。

恐らくは肉体強度どころか全てのステータスが何段階も上がっているのだろう。


「今…貴様の負けは確定した…

大人しく俺様に殺されろ!」


己の力と超獄丸の力の差を看破したのだろうパズルは超獄丸に対して勝利宣言をするが、余裕の態度を崩さない超獄丸。


ゴオ…ッ!


再びぶつかる2つの炎。

炎の熱が周囲の岩を溶かし、溶かされた岩が溶岩となり周囲に広がって行く。

それに気付いた妖怪達とパンクロッカーズは戦闘を止めて避難を開始したのであった。


「もう終わりか?」


1時間後、ズタボロになり跪いたのは超獄丸であった。ドヤ顔で超獄丸を見下ろすパズルに臆するどころか薄ら笑いを浮かべている。

その表情にイライラが止まらないパズルが超獄丸を蹴り飛ばした後で


「ザマァねぇ〜なぁ〜…魔王軍筆頭様の力がこんなもんだったら魔王軍も大した事などねぇな」


と…言ってしまった…


ブチッ!

ブチブチブチッ!


カチッ!


自分の事は兎も角、魔王軍の事を馬鹿にされた事にブチ切れた超獄丸の中で何かの回路が動きを止め、別の回路が動き出した。


真・限・界・超・越!


純然たる妖気そして、魔力に耐性を得た眷属を取り込み魔力耐性を持った妖気を精製し、更に別回路で練成した霊気。それを融合させ爆発的に高め全てのステータスの限界値を突破させる技法。

これぞ超獄丸の本気モードだ。

ひと目見て超獄丸の力を看破したのだろう、余裕の態度をとり挑発するも内心では焦りの色が浮かんでいる。

何故なら、悪魔神化したパズルに匹敵する程の強さを内包していたからだ。


アレは…霊気なのか…?

然し…


幾ら超獄丸の全てのステータスが限界値を超え、更に魔力耐性を持っているだけではパズルに負けはない。

何故なら、今のパズルの戦闘力は魔王90%を軽く超えているのだから超獄丸相手に負けない自信があってもおかしくはないが、霊気が混じっていた事に困惑しているのだ。


霊気は魔力と妖気に比べると力は劣るが、それは一定レベル以下の話しであり、それを超えてしまうと神気へと進化するのだ。

そして、超獄丸はその霊気…いや…神気をも纏っているのだ。

その姿はまるで神

名付けるのなら


妖怪神 超獄丸


と言ったところだろうか


その時…


「馬鹿野郎!テメェ等魔界をぶっ壊すつもりか!」


デスキャニオン中に響き渡る男の声に驚く超獄丸そして訳が解らずポカーンとするパズル。

そんな声に「そうなっても貴方が修復してくれるのでしょう?」と涼しい顔で応える超獄丸に対して


「アホか!そんなメンドクセェ事はヤラん!殺りあうなら此方でやれ!」


言うや否や二人の周囲の景色が切り替わる。


「何だ…此処は?」


「此処は…月…ですか…?」


「まぁ、俺の専用世界の中の月だけどな…

そこでなら思い切り殺れるぞ!」


「マッタク…貴方と言う方は…」


「因みに出れるのは1人だけだかんな!?」


「フッ…解ってますよ…決戦場には些か殺風景ですが、まぁ良いでしょう…因みに、壊してしまうかも知れないですが…」


「あぁ…構わんよ…それは試作品だし強度の実験にもなるからね…」


「そうですか…では心置きなく全力でやれますね」


「誰と話してやがる」


「誰でも良いではありませんか

コレから死ぬあなたには…ね…!」


「抜かせ!死ぬのはテメェだ!」


三度ぶつかる技と技そして術と魔法。


激しい戦いは徐々に月の形を変えて行く。


果たしてこの二人の勝者は?


………

……


何処へ行った!?


唐突に消えた二人に驚いた山本八郎座右衛門は慌てて魔界中を探索したのだが、存在自体が魔界から消えていたので激しく狼狽する。

消えた理由は何となく察しがつくが、誰がそれをやったのかが解らない。

もしコレが現場で見ていたら解ったのだろうが、映像越しでは第三者の介入は解らないのが現状だ。こんな事をやれるのは魔王くらいしか思い当たらないが、城から動いていないのは解っているし何にしても神クラスの力を持つあの二人を消せる程の力を持っているとは思えない。

楓夏と雲海にしても悪魔軍の来襲に備えているので有り得ないしヒーロー達は論外だろう。


誰がどおやって…何のために…


そこから始まる思考の堂々巡りに陥った山本は考えるのを止めた。

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