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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第10章 第2次魔界大戦
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第155話 レッドVSサリー

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?!?!?」


その場に居た全員が衝撃の事実に驚きを隠せないでいた。恐らくはヤ・テ・ベオや魔王すらも驚いた事だろう。


妖怪にはレアな存在だが、悪魔は両性具有者が多いが為に結婚をする者が殆どおらず、する者はレアな存在だ。

メドゥもサリーも両性具有者であり、結婚をする理由がない。

更に言うのなら、サリーはメドゥよりも上位の存在であり万が一にも結婚する事はあってもメドゥがサリーの上官になることは有り得ないことなのだ。


ヒソヒソ…

(サリーって実はドMなの?)

     (然も超が付く程の?)

            (そう言えばメドゥってS入ってるもんね)

               ヒソヒソ…


「何とでも言え!

念の為に言っておくが、我は無類の蛇好きなだけで変態でもドMでも何でもないぞ!」


要は蛇が好き過ぎてメドゥと夫婦になったと言いたいらしいが、それでは身分を隠してメドゥの近衛をやっている理由が説明が付かない。

ピンクとイエローのヒソヒソ話にも顔色を変えず否定するサリーに「否定するのは怪しいよね」とか言われて煽られてしまうが、それには乗ってこない。


然し…


「お前はバカか?」


メドゥにとどめを刺したレッドがサリーを煽ると僅かに眉を動かしバカとは何だと反応する。


「バカだからバカと言った迄だ!

何でメドゥは本体ごと来てんだよ!?」


なっ・・・


本体ごとと言うのは、保険も掛けず100%の状態で魔界へと乗り込んで来たと言う事で、レッドの見立てではサリー95%に対してメドゥ100%だったと言う事だ。

ドッペルゲンガーは本体の95%の力を再現出来るし、そこに10%程の欠片を仕込めば如何に解析鑑定されたどころで本体かドッペルゲンガーか見分けが付かなくなる。

その先入観が有ったがためにドッペルゲンガーと思ったのである。

然し、戦闘が始まれば本体かどおかなんてのは解ってしまう為に動かなかったのだろう。

更にヒーロー達が妖怪の枠を超えたが為に計算に狂いが生じ、勝つために自らも魔神モードになってしまった。

魔神モードになった事がメドゥが本体で来ていると気付かせてしまったのだ。


「俺達もそうだけど、本体でなければ悪魔の枠を超えた魔神モードになんかなれる訳がないからな」


残りの悪魔騎士を全て倒し、横一列に並んだヒーロー達を射殺さんばかりに睨み付けるが事実は受け入れなければならない。


「・・・貴様らを葬り去り、妻への手向けとしよう・・・全力で来い!」


全て力を開放したサリーは左手に自らの魔力で生み出したリボルバー式の銃をヒーロー目掛けてぶっ放すと銃口から放たれた銃弾は無数に分裂してヒーローに襲い掛かる。


「ヤベ…」


金属で作られた銃弾ではなく魔力で作られたそれは貫通力が半端ない。

その為にバリアでは防ぎようがなく、切り落とすには数が多いが為に無理なので避けるしかないが数も半端ないが為に無理。


「土遁 土龍壁ぬりかべ

氷遁 氷瀑!」


万事休すかと思われた時、ピンクのダブル遁術が発動し銃弾を防ぐ。

妖気や霊気を使用する術と違い遁術は自然の力を利用するので、魔力にも対処可能だ。

これには少々驚いたサリーだったが愛する妻を失った悲しみと怒りを力に変え苛烈な攻撃を仕掛けて来る。


・・・!!


此処から先にサリーとヒーローの間には会話と言うか言葉は存在しなかった。


刀と剣が打つかる音

技や術そして魔法を発動する時に発する声や爆発音が周囲に響き渡り大陸全土が震える程の激震が走る。

この状況に対して何とかヒーロー達に加勢をと考えていたヤ・テ・ベオであったが、大陸を消されない様にする為に防御するのに集中しなければならなくなり加勢は無理。


「お前達の相手はホント嫌になる…」


「それはこっちの台詞だっての」


「5対1にも関わらず倒せないってどんだけよ」


「同感…」


「キリがない…そろそろ決着と行こうか!」


「「「「「!!!」」」」」


どれだけの時間が経過したのだろか…

肩で息をしていたサリーが仕切り直しだと言わんばかりに悪魔神へ祈りを捧げる。


魔神モード


サリーの魔力が最大限に膨れ上がったと思ったら一気に収束する。姿は殆ど変わらない様子だが、基本的なステータスが何倍にも跳ね上がっているのが解る。

事実上これがサリーの最終形態だ。


「元々堕天使なんだから姿が変わらないのは当然か…」


魔力の増大と共に存在値がグンっと上がった様子のサリーを見て呆れたように呟くブルーそして


「アレ…魔神モードでなくて最早悪魔神よね…これで勝ち目は無くなったと思われるけど…どおする?」


挑発するような目でレッドを見ながら煽るイエローにチッ!と舌打ちしながら


「わぁ〜ったよ…やりゃあ良いんだろ!?

やりゃあよぉ…」


イエローに煽られ、他のヒーロー達にも「頼むよリーダー」的な目で見られたレッドは神への祈りを捧げ自らも神化する。


幻獣神モード


レッドが祈りを捧げたのは幻獣神バハムート。

祈りを捧げる事により、幻獣神と繋がる事が出来、一時的に神と同等の力を手にすることが出来るのだ。


さて…


神の力を宿した二人が静かに対峙する。


「サッサと蹴りをつけようぜ!」


レッドが言い終わると掻き消えるように二人の姿が消えた途端に大気が揺れ衝撃波が広がる。

肉弾戦がはじまったのだ。


「ホント…嫌になる…」


「なら、サッサと帰れよ!」


「妻の仇を打たずに帰れるか!」


「・・・変態が・・・」


「やかましい

サッサと我に殺されろ!」


「嫌だね!

死ぬのは貴様だ!」


肉弾戦から凄まじい術の応酬へと変わるが、二人の力が拮抗しているおかげで勝負がつかない。


「悔しいなぁ」


「気持ちは解る…」


他のヒーロー達は誰も手は出さずに見ているだけと言うかレベルが違い過ぎて着いて行けないのだ。


俺達もあれだけ強くなれたらなぁ…


ボソリと呟くブルーに「あれだけ修行したのにねぇ」とイエロー。


魔王への挑戦権を獲得する為にヒーローとガチバトルを繰り返したレイに完膚無きまで叩き潰されたヒーロー達は一念発起して修行を続けた。

その結果として手に入れたのが神妖モードなのだが、レイは更にその上のレベルに到達していた。

その姿を見て更に過酷な修行を続けたのだが、高みに到達出来たのはレッドだけであった。

開始1時間が経過した頃、二人の動きに異変が起きる。

二人の力が目に見える程に落ちて来たのだ。


「そろそろ決着行こうじゃないか

DARKNESS Blaster!」


「奇遇だな

俺も同じことを考えていたんだよ

Doomsday Strike!」


ぶつかり合う超絶パワー。力が拮抗し過ぎて埒が明かないと踏んだ二人が放った自身の最強の術の影響で、震える大地と大気に危機感を覚えたブルーが慌てて絶賛死闘中の二人を隔離する様に叫ぶ。


「任せろ…」


ブラックの固有スキル 時空隔離 が発動すると途端に何もなかった様に消える二人。

このスキルは対象者を周囲の時空ごと隔離空間へと閉じ込めるスキルだ。


「…っと…!時空を超えて尚もこの衝撃かよ…バケモンか」


隔離空間へと飛ばされれば此方への影響は無い筈なのだが、それでも尚も伝わる衝撃に肝を冷やすヒーロー達は心配そうに二人が消えた空間を見つめるのみであった。


………

……


クッ…!


ムゥ…!


ぶつかる神の力。

それでも決着が着かない。


「飛ばされていたとはな」


「ブラックの隔離空間か」


戦いに夢中になっていた二人はいつの間にか隔離空間へと飛ばされていたことに気が付くが、そんな事はドオでも良い話しと言わんばかりに向かい合う。


「此処まで拮抗しているとはな…ホント嫌になる」


「だから帰れと言っている」


「妻の敵を打つまでは帰れんと言っている!」


「お前なぁ

そっちから攻めて来て死なないとでも思っていたのかよ!?本体が来た時点でメドゥの負けが確定していたんだよ!それに気付けなかったテメェも同じだ!」


「黙れ!」


「い〜や!黙らん!

メドゥは何番目の嫁だよ!?」


「黙れと言っているのが解らんのか!?」


「言いたくなければ言ってやろうか!?

メドゥはテメェの第5婦人兼ペットだったんだろう!?

この変態エロノミー野郎が!?」


「!!!」


ただ単にメドゥを拷問していた訳では無い。

拷問をしている間にメドゥの記憶も覗いていたのだ。

それで解ったのはサリーは10人もの嫁を囲い、ハーレムを築いていた事そして、メドゥがそのハーレムの中で5番目の嫁だと言う事。

更に、サリーが溺愛しているのは第3婦人迄であり、メドゥには嫁としてではなくペットとして溺愛していると判明している。

では、何故サリーがメドゥを殺され激高しているかと言うと、愛するペットを殺されたと言う怒りしかない。


「第4婦人以降が可哀想だよなぁ〜

嫁なんてなぁ〜一人いればそれで良いんだよ!!」


「だぁ〜まぁ〜れぇ〜!!!」


痛いところを突かれて初めて怒りを顕にするサリーを尚も挑発するレッドにとどめを刺すべく突撃するサリーであったが、怒りが先に立ってしまっていたがために隙だらけだ。


「これで…終わりだ!!」


脱力から抜かれた刀の軌跡が光となりサリーを斬り裂く。


居合一閃!


手にしていたのは神刀 バハムート レイと共に幻獣神の力を込め鍛え上げたのがこの刀だ。


「こ…こんな奥の手があったなん…て…」


この言葉を残して砂となって崩れて行くサリーを一瞥し「本体まで呼ぶ必要があったのかよ…バカが…」と言い残し隔離空間から離脱を試みるレッドに気が付いたブラックが隔離空間を解除する。


こうしてメドゥの軍は壊滅の憂き目にあったのであった。

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