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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第2部魔界篇 第8章 いきなりですが
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第134話 虹の森にて3 そして…

「だぁ〜かぁ〜らぁ〜

当方は常に狙われている方!

降り掛かってくる火の粉を振り払っていただけだってぇ〜の!!投降だぁ?誰がするもんかよ!

それに、当方から妖怪に喧嘩を売った覚えはない

寧ろ此方を食おうと狙ってきたから返り討ちにしてやったまでの話だ!」


静まり返った森の中に響き渡るリーダーとレイの声

尚も二人の押し問答は続く。


「ほぉ?

では自分達には非はない

全ては正当防衛だと言いたいのか!?」


「その通り!

その事については怪レンジャーの面々のお墨付きであり、当方は何の疚しい事はしていない!」


「では、何故指名手配されている?」


「その謎をこれから調べて問題解決しなければならない!従って貴様達に捕まってやる理由は無いし懸賞金もくれてやる言われはない!それに、人間界で当方を襲った妖怪は魔界でもご法度とされている人間を襲い餌として捕食していた!これが何を意味するのは自明の理であろう!」


「了解した!

と…言いたい所だが…

我等は生業としている幻獣狩りを邪魔されたのでな。その罪はそちらの懸賞金で償って貰わないと割りに合わないのだよ」


「ンナこたぁどぉーでも良いわ!

幾らごたくを並べた所で俺等を取っ捕まえて懸賞金をガッポリって腹積もりで間違いねぇ〜んだろ!?」


どおしても我慢ならなくなった俺はブチギレました感を出して言ってみたのだが、金に目がくらんだハンターに何言っても「糠に釘」「暖簾に腕押し」状態の様で俺達を捕まえる気満々なのだ。

実のところ指名手配のカラクリも黒幕も大方の理由は検討が付いてる。

付いてるが証拠がない。

だからコレから証拠を集めて反撃に出ないとならないからこんな所で手間取っている場合ではない。


準備が整いました。


ローラが知らせてくる。

実は俺達はこうなる事を予測していた。だからこそ影分身を飛ばして逃げ隠れていたカーバンクル達を味方に付けハンター共を一網打尽にする事にしたのである。


「なっ…!」


俺達を取り囲んだハンターを更に取り囲んだ俺達の影分身。しかも、影分身一体に付き一匹ずつカーバンクルがサポートしているために影分身一体の強さは本体と変わらない程の強さに引き上げられているのである。

更に言うならハンターと俺達の実力差はどお贔屓目に見ても俺達の方が上と来たら勝負にもならないだろう。


「どおしても俺達を魔界警察へと引き渡そうってのなら此処からは俺達がテメェ等の核を破壊してこの世から消す!」


さぁ、どおする!?


形勢逆転され項垂れるハンター共は武装解除して投降した。

乱戦になることを覚悟していた俺達はハンター共を幻獣界の警備隊へと引き渡した後、天音達と合流して幻獣王が待つ居城へと戻る事にした。


「よう 遅かったな!」


城へと戻るとお疲れさんと言いながらレッドが話しかけて来る。火焔山のハンター共を早々に鎮圧した様子で早々に戻って来た後、俺達の様子を見ていたとの事だった。


イエロー「シッカし…あの半魚人が寿司ネタにねぇ…もう無いの?」


ピンク「気にはなるけど、本当に旨いの?あの一太郎とか言う職人技で旨くなっているだけじゃないの?」


ブルー「知らねぇの?半魚人は魚の旨い部位の集合体なんだぜ?」


ブラック「へぇ…

そんな事を聞かされちゃあ、尚且食べたくなってきた」


イエローが寿司を欲しがると途端にそこに居た全員が食べたいとの大合唱。

実のところ、寿司は半分程残っていたのだが、全員戻って来てから皆で食べたいと思っていたらしくその事を皆に言った後、レッドに楓夏様の事を問い質そうとした天音に返事の代わりに中の一点を指さして


「ちぃ〜っとばかり分が悪い様だぜ?」


と言うのみであった。


………

……


分が悪いと言う言葉に反応した俺達はレッドが指さした場所を見ると、そこには巨大なスクリーンが展開されており、画面には死闘を繰り広げる楓夏様とリリス様のコンビと見たことのない恐ろしい姿をした女性型の妖怪が映し出されていた。


「あの妖怪は?」


信じられないと言ったような口調でレッドを問い質そうとする天音に対して返事をしたのは何と幻獣王だ。

幻獣王の話によると、あの妖怪こそが約1300年前に人間界で楓夏様と雲海様に討伐された氷の妖怪  氷柱なのだそう。

人間界で敗れ去った氷柱は核の一部を自らの世界へと逃していたがために復活してしまったとの事らしい。


「万が一の保険を掛けるのは当然の事だが、まさかアヤツが復活するとは思わなんだ」


画面を観る限りでは、満身創痍の楓夏様とリリス様に対して何処か余裕すらある笑みを浮かべて二人を挑発する氷柱。

戦況は明らかに楓夏様側が不利に見える。


「何なんだよあの出鱈目な強さはよぉ!」


画面の氷柱に対してあり得ないと文句を言うブルーに対して激しく同意するヒーロー達。

ヒーロー達の話によると、自分の世界に逃れていた場合は、瀕死の状態であっても人間界で1年以内で復活可能なのだそうだけど、核の状態で然も数パーセントの状態であれば核を再生させるのに最低千年そこから肉体を再生させるのに更に千年。

然し、肉体まで再生させても力だけは以前のように戻らない。

そして、以前のような力を取り戻すのは最低でも500年合計2500年は掛かるとの事だ。

言っておくが、幾ら自分の世界の時間の流れを自らの意思で変化させる事が出来るからと言ってもある程度の力が無いと無理だし、況してや核の状態では時間の流れは人間界の時間と同じだとの事。


「って事はたかだか千年チョイであの強さになるのはあり得ないって事でOK!?」


少し考えた素振りを見せた後レイがそんな事を言い出すと真智子がレイの考えを読んだのか、氷柱を睨み付けながら何か有りそうねと同意するように呟く。


「1つ可能性があるとしたら依代か生贄になる妖怪が居たからでしょう もしかしたら影武者らしき妖怪が側近に居たのかも知れません」


依代かぁ…思えば楓夏様は俺達の分身体を依代にすることで人間界での自由を手にしていた訳だし……って…まさか楓夏様って…

天音の中に楓夏様の分身体がいるから気が付かなかったのだけど、間違いなくアレは60%の影分身だよ。

なら、あの苦戦は仕方がないよな。

だとすると本体は何処行ったんだ?

てか、ヒーロー達は何でその事に気付いてないんだよ。

まぁ、ここは気付いていてそんな事を言っているのだと思い込むようにしてスクリーンを注視することにした。


「暫く見ない内に随分と弱くなったもんだなぁ〜

ン?楓夏よぉ〜」


「クッ…!」


「あの時の恨みは片時も忘れた事は無い!

ジワジワと嬲り殺してやるわ!」


まるで男みたいな口調で猫が鼠を嬲る様な攻撃に防戦一方の楓夏&リリス。

一体この二人は何を狙ってんだろうな?


一度は殺り合った相手ならその強さは覚えていてもおかしくない。

と、言うことはあの影分身はその時の強さ又はそれより少し強い設定にしていると見て良いのかな。

そうは思っても本体は一体…


俺の中で疑問は膨らむ一方だ。

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