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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第7章 激突!魂喰
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第118話 お仕置きは徹底的に

「それ…ホント?」


「全て本当だ

君達の前では嘘はデメリットしかないからね」


「自殺教唆に未遂と強姦と脅迫ねぇ…彼奴等終わったわね。でも、どうして発覚したの?」


「つい最近になって被害者の日記が出てきてな

そこに全てが記されていたんだよ。

その事で事実確認を行う為に田中貴司、藤掛雄一、幹本康介の3名を再度呼び出して取り調べてジ・エンドだよ

どおも前回で味を占めて急接近した三上秀一と斎藤優香を狙ったのが真相らしいが、斎藤優香に手を出す事は四谷から止められていたらしいな」


「はぁ?何で?田中貴司は斎藤優香に惚れていたからこそ告白したのでしょう?その挙げ句の事件じゃないの?」


「確かにそうなんだが、三上秀一の死後、四谷の手の者が斎藤優香を拉致監禁そして調教の果てに人身売買…もう、買い手は決まっていたらしい。もし、三上秀一が自殺していたとしても田中貴司の手には落ちなかったって事だ。まぁ、それなりには楽しませてもらえたかも知れないがな…」


「はぁ〜………ねぇ、四谷含めて彼奴等殺っちゃって良い?」


「それ…あたいにも殺らせてよ!深い絶望と後悔と苦しみを与えた後、殺してあげる」


「ちょっ…ちょっとちょっと真智子ちゃんゆう子ちゃん!」


「冗談よ冗談!」(フフッ…慌てる時の警部さん…カワイイ…)


「君達の言葉は冗談に聴こえないから怖いって!」


「で?他の奴等はどおなったの?」


「その事なんだけど…」


浦川学園の生徒による同時多発事件で逮捕された生徒のその後を確認しに来た私、真智子とゆう子は森田警部の説明に驚くばかりだった。

森田警部の話によると、同時多発事件の犯人の生徒達の親数名に雨音の議員や大会社の社長が居て、その親が最大限の権力を発動させたおかげで一度は出て来たとの事であったけど事件はそれで終わらなかった。


「ああいった輩は叩けば埃がワンサカ出るからね

チョイと調べただけで出るわ出るわ…」


提督が消滅したせいなのか、取り調べには包み隠さず話した四谷からトンでもない事実が判明したのだ。

今回の同時多発事件に関わった生徒の一部は問題児だったり引き籠もりや登校拒否だった様で中学の頃より接触しており、薬で手懐けて浦川学園に送り込んでいた。

その生徒は事前に安田に連絡し、成績が悪くても入学させるように指示。

後は五悪をけしかけそいつ等にターゲットを虐めさせて最終的に自殺させると言った構図が成り立っていたとのことだ。

とは言え、接触していたのは一度に2〜3人であったが悪い事は増殖するもので更に五悪が煽る事によりあの状況が確立したとの事。

薬の事は、山川充の検視で解り念の為に今回の犯人全員に薬物検査をしたら早乙女和歌子、平川雅之、東海林祐也の3名から薬物反応が出たとの事で再逮捕されたとの事。


「そう言えば、浦川学園の元理事長は何者なのですか?あと、安田の資金源って…?」


以前、安田逮捕の時に関わったゆう子が不思議そうに尋ねたら


「元理事長については俺も知らないんだ…スマン…然し、安田はああ見えて株の才能があったみたいで、かなり大儲けしていたらしいな…その金を四谷に流したり示談金にしていた」


との事だった。


この事が切っ掛けとなり、学園の生徒を調べると、更に5人の生徒から薬物反応が検出されてあえなく逮捕との事だった。

逮捕された生徒には


「精神安定剤みたいなもので違法薬物ではないから安心して使うと良い。気分が良くなるよ」


みたいな事を言っていたらしい。

それが蟻地獄への入口とは知らずに…


本当にやりたい放題だったって訳ね。

私は此処でやれる事は無いと判断したのだけど、ゆう子がどおしても奴等を見ておきたいと言い張るので、渋る森田警部を無視して見に行くことにしたのであった。


俺はただ言っただけ…言うこと聞かせる為にちょっと脅しただけ…何も悪くない…アイツ等はテメェでテメェを追い込んで勝手に死んだだけの話…なのに何故こんな扱いを受けなければならない…


拘置所に侵入した私とゆう子は真っ先に田中貴司が勾留されている部屋に行くと、部屋の片隅に蹲りブツブツと独り言を繰り返しているのが確認出来たのだけど、ここまで来たらサイコパスとしか言い様がないわね…コイツ…

こんなヤツは何を言ってもどんな目に合わせても自らやった事を反省もしないし自己正当化するだけなのでしょうね。

心配そうに見つめている守護霊が可愛そうだわ…ホント…

そんな事を考えていたら私の存在を察知した守護霊が私達の方に寄ってきて心配そうな声でアイツは大丈夫なのでしょうかと訊いて来たので「ンなもん知らん!全てアイツの自業自得!因果応報だよ!」と返してやると、力無く「ですよね」と返して来たよ。

あまりの不甲斐なさに頭にきた私は


「アンタねぇ…武士だったのでしょう?なら、武士らしく腹を括ったらどおなのよ!」


と、言ってやると何か言い返したそうな表情で睨んで来たもんだから、鬼の形相で刀を突き付けてつべこべ言うなら私がアンタを消すよ!と、脅してやったわ。

そこまでして漸く腹を括ったのか田中貴司の背後に戻って行った。

どおやら、どんな結末になろうとシカと見届ける覚悟が出来たのだろうと推測する。

まぁ、これからどんな末路が待っているかは解らないけど、ロクな人生を歩めないのは確定したみたいだけど、反省していない田中貴司に3%の欠片を入れて夜な夜な悪夢を見せる様に仕向けた後、藤掛雄一の様子を見に行ってみた。

けど、コイツも酷かった…


俺は貴司にパシリとして使われていただけなんだ…そりゃあ、何度かヤらせて貰ったけど、それだけだ…貴司さえ居なければ…貴司さえ居なければ…俺は…

それに康介も康介だ…アイツホモの癖に平気で女を犯すなんてよ…男の尻だけ追い掛けてろよ!

クソッ!!俺を巻き込みやがってふざけんなよ…彼奴等ゼッテーブッ殺す!!


みたいな事を延々と呟き続ける藤掛雄一。

ン〜………………処置なし!!!

シッカし…コイツも自分の事を見事に棚に上げてら…


………………………怒!!


嫌なオーラを感じた私はチラリとゆう子を見ると怒りのオーラが立ち昇っているのが解る。

ちょっとぉ…そんなに負のオーラ出していると気付かれちゃうわよ!?

と…思ったら…ピンク!?

アンタまだゆう子の中に居たの!?


………秘技 幻影回廊ムゲンループ


ゆう子から出てきて怒りのオーラを纏った実体を隠しもせずに飛び出して藤掛雄一に近付いていたものだから突如として出現したピンクに恐れ戦く藤掛雄一の頭に金色の粉を振り掛けると怯えていた目がトロンとまるで白昼夢でも見ている様な感じになる。


う…うへへ…ユキちゃん…女同士より男の方が良いだろう………?

なぁ…どおよ俺の………?

や…ヤメロ…うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!


な…何が起こったの?何で藤掛雄一はこんなに怯えているの?

唐突の出来事に驚く私。

てか、こんな絶叫を出されたら人が来ちゃうって!

とか思っていたら…絶叫が外へ漏れてない?


何で?


あ〜ぁ…ヤッちゃった…みたいな表情のゆう子。

そして、混乱する私にヤツの周囲は防音壁で包んであるから大丈夫よと言った後、何をしたかを説明してくれた。

幻影回廊とは、ピンクが精製した幻覚作用のある花粉を使用して対象者に幻覚を見せる術だそうで、他者が近寄ると解除はされるが、一人になった途端、再び発動すると言ったトンでもない術なのだそう。

藤掛雄一に見せた幻覚は、自殺に追い込んだ女性がゾンビとなり襲い掛かって来るホラーショーを堪能させているとの事で解除はピンクにしか出来ないとの事だ。


エゲツな…


まぁ、殺してないから良しとしますか…そうとしか言えないわ…


さて、後は幹本康介だよね

と、言うことでヤツが勾留されている部屋に行ったのだけど、ある意味コイツが1番壊れていた。


女要らん女要らん女要らん……………

何でこの世に女なんて存在してんだ…?

女なんて………しまえば良い……


・・・ダメだコリャ・・・

まるで不必要なモノを処分した俺が何でこんな目に遭わなきゃならんと言いたげな言い回しで独り言を呟いている幹本康介。

この呟きに対してゆう子もピンクもドン引きしているわよ。

コヨミが居なくて良かったわ…ホント…

アイツがこの場に居たら、此処では書けない事をやらかしているに違いないもの。

然し、コイツが女性に対してこれ程の憎悪を持っているなんて…もしかして世のそっち系の人達は皆そんな事を考えている輩ばかりなの?なんて勘繰ってしまうわ…

いや、それはない

断じてそれはないと思いたい!

その歳でどおしてそこまで女性に対して憎悪しているのかは解らないけど、


如何なる理由があろうと罪のない人達を殺して良い理由にはならない!

どおやってお仕置きしてあげようか…

とか、考えていたら…

突如として背後から聞き慣れた声がして振り向くと、そこにはピンクの相棒でもあるレッドの姿が其処にいた。


「おい…ピンク…お前そこで何やってんだよ…」


呆れた目付きでゆう子の中に手を突っ込み、ピンクを無理矢理引き出して説教を始めた。

おやらレッドはピンクが人間相手に何かやらかしたと勘付いて慌てて来たみたい。


「だってコイツら…」


レッドに説教されて、不貞腐れるピンク。

ピンクだってやりたくてやった訳じゃないし、ちょっと懲らしめただけじゃない?

そうは思ってもそっちはそっちの事情があるのよね。

サヨナラピンク…また会う日まで…


自分達の世界に戻ってコンコンと説教されるのかなと思っていたら


「やり方が甘いんだよ!」


との事。

って…ヘッ?…ハァ?

ちょっとレッド!アンタまでお仕置きに加担するってどお言う事?

キョトンとする私とゆう子に下調べは念入りにしないとダメですよ?お姉様方と、態とらしいポーズと共に2つの赤い玉を私達の前に差し出した。

赤い玉…?これって…


オーブ?


差し出された赤い玉は微かな霊気と怒りのオーラを発しているのが解る…

って…コレ…人間の…てか、何でアンタがコイツらの事を知ってんのよ!?

レッドが持ってきたオーブは人間の魂で、あからさまに幹本康介に対して怒りを剥き出しにしている様子。

って事は…

この2つの魂がコイツらの被害者って事?どおして?と言った様な表情でレッドを見る私にドヤ顔で


「お前達があの学園の後始末に動くのは解っていたからな。だから俺なりに調べさせて貰っただけの話だよ」(まぁ、本当は是流に関しての調べの副産物なんだけどな…これは言わない方が良いよな)


と、言ったかと思ったら優しい表情になり魂に向かって


「行け!復讐する権利はお前達にある!但し、絶対に殺すなよ!?」


レッドがそう言うと、2つの魂は人形になりペコリと一礼し幹本康介の中に入って行く。


お…お前らどおして…や…ヤメロ…お前らが勝手に死んだだけだろ…俺は関係ない…そ…それ以上近寄るな…俺は女は大嫌いなんだよ…

う…うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!


唐突に狼狽えだした幹本康介が発狂したようで狂った様に叫び悶え苦しみだした。

何があったかと言うと、幹本康介の身体を乗っ取った2人が幹本康介を痛め付けだした。

まぁ、痛め付け方が尋常じゃなかったけどね。


他の奴等にもお仕事をしたかったのだけど、コイツらだけでヨシとしないとね。

アッ…そうそう…赤野とか他の奴等もキッチリと制裁しておいたわよ…


レイとコヨミがね…


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