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気が付いたら幽霊やってました  作者: 京子
第1部人界篇 第一章 コヨミとの出会い
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第9話 別れと出会い3

レイと名付けらる前のお話は此処で終了です。

次回から新章に突入します

アタシ以外に居なかった?じゃあ、あの女は黒い穴に飲み込まれたって言うの?それとも幻を見たって言うの?


ちょっと待て…落ち着けあたし…電車から降りて・・・


ザワつく心を落ち着けながらあのシーンを頭の中で再現してみるが、どお考えてもあの女は黒い手の餌食になったとしか考えられないと云うのが結論ではあるが、果たしてそうなのだろうか?


何か見落としてない?


確かあの女の攻撃…よね?…にブツブツさんが耐えてそれから印を…


Σ(゜Д゜)


そうだ!あの法具!名前は解らないけど、独鈷杵(とっこしょ)三鈷杵(さんこしょ)を合わせた様なあの奇妙な法具よ!あれがホームの何処かに落ちているかいないかで現実だったのか幻だったのかはっきりするわ。


直ぐにも調べに行きたいが、これから検査が控えているのと箕島の目が有るので行きたくても行けないと云ったもどかしさを味わうのであった。


数日後


検査の結果、何の異常も無く無事に退院した玲奈は山海寺へ向かうべく駅のホームへとやって来た。


「この間はありがとうございました。おかけで助かりました コレはお礼ね…」


電車を待つ間、相も変わらずブツブツとしか言わないブツブツさんにお礼の水の入ったペットボトルの口を切りその場に置き法具を探す。


無いか…だよね…時間が経ちすぎてる


あれから何日も経っているので、誰かに拾われたり落とし物として然るべき措置をとられた後で落とし物センターに行っている可能性が高い。


ブツブツさんはあの法具の行方を知らない?


途方に暮れながらも何気にブツブツさんに法具の事を聞いている自分に気が付き「返事をしてくれる訳ないのに」と自嘲気味に笑ってしまう。


ホーム下を覗いてみたり自販機の裏を見たりしたのだが、何も無かった。


「ブツブツさんのブツは仏の方だったりして…まぁ、法具の形は覚えているからお父さんにでも聞いてみようかな」


玲奈の中では今後、ブツブツさんを観察対象として登録されたのは間違いない。


「間もなく電車が到着します 危険ですので白線の内側までお下がり下さい」


何も解らないまま電車に乗り込む玲奈を少し離れた場所から監視する1組の男女。


「ねぇ、あの娘にソレを渡さなくても良かったの?」


視てくれは普通の男女に見えなくもないその二人ではあるが、男の方は赤いスーツに赤い革靴を履き、女の方はピンクのスカートスーツにピンクのパンプスを履いていて、何処から見ても目立つ姿なのだが誰もその二人には気が付かない。


「何れにしても助けられなかったのだから渡しても仕方無かろう?それにこんなゴミに何の価値もネェよ」


どおやら玲奈が救急車で運ばれた時、ドサクサに紛れて回収したらしい。赤いスーツの男が手に持つ法具をゴミと言い切り力一杯握り締めると音もなく粉々に崩れて消える


「そうね…でも、あの幽霊って一体…」


「ホント、魔界の者を退けるなんてな…一体何者なんだろうな?」


「黒にでも監視させておく?」


「…それも良いと思うけど、あの様子だと暫くは動かないだろうな。ブツブツ言ってるが、あれは復活の為のエネルギーを貯める呪文みたいなモノだろうよ。せっかく貯めたエネルギーの大半をあの時使ってしまったみたいだからな。黒を動かすのは幽霊が復活してからでも遅くはないと思うよ。」


どおやらこの二人はかなり前からブツブツさんを監視している様子。


「この間のアレに反応してくれないかなって期待していたのだけどね」


「人間はアレを黄泉とか悪食とか呼んでるみたいだな?何れにしてもあのお方の予言で監視しているだけだからな…これ以上悪戯されない様にトラップも仕掛けたから暫くは大丈夫だろ?帰るぞ!?」(それにしてもあの幽霊…少しずつだが力が増してやがるな…何かが操っているとしか思えん…)


一通り会話を交わしてその場から掻き消える様に消える二人。


果たしてこの二人は一体何者なのだろうか。





10年後


玲奈 Σ(゜Д゜)


赤 Σ(゜Д゜)


ピンク Σ(゜Д゜)


三人「この反応…間違いない黄泉だ!黄泉が動いた!!」


魔界に居ても解る程のとてつもなく巨大な悪意と強烈な空腹感をそれぞれ違う場所で感じた三人はブツブツさんを監視するために駅へと移動する。


赤とピンクの反応


「おぉっ!遂に動き出したぜ!」


「えぇ…これで任務は終了ね…」


「おい、あの女も来てるぞ!?」


「( -_・)??あの女の後ろにもう一人いるわよ!?」


「ニブッ!あの時からずっとあの女の後ろに居たぞ!?」


「えぇ!?そうなの?」


「あぁ…守護霊かと思ったけど、違うみたいだな?」


「面白くなりそうwww」


「魔界の悪党共を相手にするより何倍も面白いかもなwww」


黄泉に捕まらない様に強力な結界を張りブツブツさんを監視しに来た二人はブツブツさんがようやく覚醒した事に愉快そうに笑う。


玲奈の反応


「この時間帯は駅へ入れないからホームが見える裏に回ろう」


駅へ到着した玲奈は正面では会えないと考え、ホームの様子を見れる裏側に周りブツブツさんの様子を監視する事にする。


「あっ・・・動いた・・・エッ?駅舎の方に行った?」


「やっと戻って来た・・・黄泉が消えたからかな?」


「ホームから降りて・・・あの方向ならあの踏切から出て来るかな?後はタイミングを見計らって声を掛けて仲良くなろう!ブツブツさんと仲良くなって祓い屋稼業を手伝って貰おう!」


頑張れ あたし!!


遠慮無しに魂を食い荒らす黄泉を忌々しげに見上げながらもブツブツさんの動きを追う玲奈は黄泉が去った後にホームから動き出したブツブツさんを追跡に移る。


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