表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/47

第8話 兄弟たちは少女を知る。

自分の投稿を見てくださってありがとうございます!

小さな応援でも頑張ります!



扉から数回ノックが聞こえた。

音に反応してアレンはさっと立ち上がる。

アレンが指を口元に添える。喋るな、ってことかな。


アレンは音もなく腰の拳銃に手をやる。そして扉越しに話す。


「合言葉は。」

少し曇った声が返ってくる。


「合言葉?…お兄ちゃん大好き?」

はぁ。とアレンのため息。


「違うしそんな恥ずかしい言葉にしてたまるか。」

苦虫を潰したような表情をしながら扉を開けるアレン。

外には難しそうに考えているヘイマンが立っていた。


「開いた開いた。やっほ、こんばんは。」

ヘイマンが私に視線を寄越して手を振る。


「あ、こんばんは…。」

やっぱりそっくりだ。2人揃ってると分からない。


「どうやって宿が分かったんだ?」

アレンが疑問を口にする。


「あぁ。宿回って聞いたのよ。僕はどこの部屋だっけって。そしたら教えてくれた。通してない客は憶えてないはずだから。」


確かにぱっと見分からないし、便利(?)な確認の仕方だと思った。


「双子トリックが雑だな。もっと隠してる方がミステリアスな感じがあって良いのに。」

アレンが愚痴る。


「ミステリアス…?これで良かったことより悪かったことの方が多いんだからね。」


ヘイマンが異を唱える。着ている服を脱ぎ始める。

そしてラフな部屋着になった。

あんなに力が強かった割に、見た目には全然現れていないくらい標準な体型だった。

手袋はしたままだった。…違和感あるけど冷え性なのかもしれない。


「で、何を話してたの?」

ヘイマンがアレンに尋ねる。

「鎖のこと。全然口割らないのこれが」

アレンはやれやれのポーズ。

「あなたが言うと犯罪臭がするからやめなさい。」


ヘイマンが諭す。そして、

「僕が外す案はどうなった?」

アレンに聞く。


「まだ仮定だが、無理やり外すと装用者になにかペナルティがあるかもしれない。」

「ふぅん。そもそもなぜ奴隷になったのか気になるよね。」

ヘイマンが私に話しを振ってくる。

私は口を固く閉じる。


「まぁ人に過去話し話すくらいの信用はまだないか。昨日の今日だしな。」

アレンが横からぶっきらぼうに言う。

「そういえば、さっき買い物をしているときに面白い話しを聞いてきた。」

「お!なになに、気になるね。」

ヘイマンが嬉々として聞く。私も黙って追随する。


「良いニュースと悪いニュースどっちが聞きたい?」

アレンが嬉しそうに話す。

「うわぁー。そうだな、悪い方で。」

「ふふ。聞いて驚け。あの館に忍びこんだことが、もうここらで知られている。そして指名手配も出されてる。」

「うわ結構なことじゃん。手配書出されてるのは早いなぁ。」


私も驚いた。昨日のことなのに人の耳はこんなに早いものなのか。

「そしてあの領主は結構な金持ちらしく、兵の規模が他と違う。噛み付いたのはいいが中々手ごわいかもしれない。逃げるときにおいてだが。」

アレンは淡々と報告する。

ヘイマンが頭を抱えている。


「すると僕ら、とんでもないパンチかましたね。あとが怖いね。」

「さらに、その領主は自分にとって害をなすものの体裁が酷いらしい。これは地域住民から話しを聞いていただけでよくわかった。」

うんうんとヘイマンが頷く。


「なるほどね。で、良いニュースは?」

「ふふふ。どうやらその領主はなんでもお気に入りを手に入れたそうだ。

その名も神託の子。自分に起こりうる未来を予知できるらしい。それが最近奪われたらしい。」

神託という言葉を聞いて微動する私。


「へぇぇ。悪いやつもいるんだね。ダメだよ勝手に人攫いなんて。」

相変わらずうんうんと頷くヘイマン。


「まぁその話しを大方聞いて察しはついたが、お前だな?ゲルダ」

ぽろっとアレンが私の名前を口にする。

え?とヘイマンが私を見る。


そっくりな2人が好奇心と嬉しさを浮かべて私を見ていた。


徐々にキャラの個性が分かってきました。

次回もご期待ください!


文章の修正、加筆を少ししています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ