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第7話 少女と弟は宿をとる。

ストックがあるので引き続き毎日更新します。



追っ手から逃げて特に襲撃もないまま、私はアレンと共にたどり着いたのはスラブ街とは大違いだった。

人の行き来も多いところで発展しているのが分かる。

馬車を使っている商人が多く見える。出店もあり、商人やお客で賑わっていた。


1つの街違えるだけでこんなにも違うのかと、驚き目を見開く。


「ここはアスパル。交易が多い街だ。」

アレンが教えてくれる。

ちょっと身なりが良い人から、私のようなボロい服装をしてる人まで様々だ。


露店を闊歩しながら、アレンに連れられる形で宿屋まできた。

「今日はここで部屋をとる。今のうちに身の回りの物を買ってくるから、ゲルダは待っててくれ。」


アレンはそう言って部屋を後にした。

1人取り残された私は何もすることがないのでベッドに顔を埋める。


まず起こったことの理解から始める。

館にいた頃、もてなされてはいない扱いを受けて、遂には折檻までされた。

そこにあの2人が忍び込んで私をここまで連れてきた。


途中追っ手は来たけどなんとか巻いてこれた。

で、今ここにきた。正直これからどうなるかわからない。

間違いなくもし今あいつらに捕まったら無事では済まないだろう。

ベッドから仰向けになる


あの2人が居たらなんとかなるのか、まだわからないけどヘイマンには常人ではない力を持っていた。

あの力を駆使したら私も窮地から救ってくれるのでは。


その前にヘイマンとは途中で別れたけど合流できるのか。

…私が心配したところでなにか変わるわけでもない。

さて、いつものをやろう。


ベットから身体を起こす。

そして手と手を添えて目を瞑る。


「今生の世を見据えた我が神。どうかお力添えをお願いします。」

心を込めて祈る。

ただ気持ちを頭いっぱいに一心で満たすような感覚。


そしてぼんやりと思考がまとまらなくなる。頭に景色が思い浮かぶ。


けれども焦点が合わなく具体性がない。


「…そうか。昨日お祈りしてなかったからか。信仰心が揺らいだと思われてる。」

前はもっと分かりやすいイメージがあった。それでも結局牢に入ってるビジョンしか見えなかったけど。


「………。」

悔しいしやることもないので私は祈りを続けることにした。

その前に、今朝食べそびれたパンを懸命に食べた。



~~~~~~~~



夕方になってアレンが帰ってきた。

手元には服や食糧もあった。


「適当に買った物だが趣味に合わなかったらすまん。」

アレンから服を受け取る。

黒いローブで丈が長い。身体のラインを隠せそうな装いだ。


「いや、ありがとう。」

試しに羽織ってみる。うん、良さそう。


「それと、その首の鎖、兄貴に外してもらうか?」

アレンが喋りながら私の首元に手をやる。

それに反応して私は後ろに後ずさる。


「これは…ううん。大丈夫。」

動揺して目を合わせられなくなる。

急だったから意識していなかった。

アレンは特に追求せずに、考える仕草をする。そして口にする。


「奴隷の鎖でも種類がある。単一的に人の行動を制限するものから意識を奪うものまで。ゲルダは装用者の行動を制限される鎖であることが、昨日一緒に居て分かったことだ。」


アレンが話してくる。

「そうでしょ?」と訴えてくるかのように見つめてくる。


「鎖も最近は品種改良をしていて、制限を重ね掛けすることで鎖単体で多種多様に使われるようになった。けどまだ希少価値が高く普及はそれほどしていない。」


アレンは続ける。

「つまり、その鎖の制限は複数ある。違うか?」


アレンが顔を近づける。思わず顔を逸らす。

「仮定だが確信に変わった。1つはこの制限について他人に言及を許さない。こんなとこだろう。でないと普通はそんな目立つ鎖を外したいと思う筈だからな。」


…気付かれていた。そう。

私はこの鎖の秘密について制限されている。このことを白状するとギミックが発動してしまう。

「にしてもこんなに高度な奴隷鎖があるなんて技術の進歩か?それとも人為的なものか?」


私は知らぬ存ぜぬを通す。

「…なるほど。人為的なものなんだな。」

…なぜ分かってしまうのだろう?


分かりやすくアピールはしていないのに。


すると、部屋の扉から数回ノックが聞こえた。

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