第31話 末っ子は人助けをする。
投稿が2週間ほど遅れました。
4月ももう中頃ですね。
31話お楽しみください。
次話の話しは大事な回になります。
「スヴィンなら治せるんじゃないかしら?」
私は自分がすぐに治った経験から提案する。
「待て待て、薬物中毒になった人を治せるなんて聞いたことないぞ。いくらなんでもそれは無茶だろう。」
ダメかな?という目線でスヴィンへと視線を促す。
「このひと、どーしたの?」
まだスヴィンはオリバーと面識がなかったので軽く事情を説明する。
「そっか。ならやってみる。」
意外にもすんなりと受けてくれた。
スヴィンがオリバーの手を握る。
するとその握った手がエメラルド色に光り始めた。
「!!!!」
私も驚いているが初めてスヴィンの能力を見たアレンたちも驚いてる。
そのままスヴィンの手は光を帯び、オリバーの胸へと押し当てる。
すると心なしか、オリバーの顔の表情が一瞬柔らかくなった。
「ねてるひとから、わるいのなくなったよ。」
スヴィンはなんとも無さそうな素振りで答える。
すると直ぐにオリバーが目を覚ました。
まだ目は覚束ないながらにしている。
アレンがオリバーの目を診る。
「これは凄いな…。開ききってた瞳孔が閉じたぞ。」
「うん…ここまで出来るなんて。」
アレンとヘイマンは驚いている。
「凄いなぁスー!!!よくやったね!!!」
ヘイマンはスヴィンを胸元に寄せるとガシガシと頭を撫でた。
「えへへへ。もっとほめて。」
発言はちゃっかりしているがスヴィンは嬉しそうだ。
治療を施されたオリバーはゆっくりと起き上がるが、まだ精悍さが無い。
「起きたかオリバー。色々と話してやりたいこともあるが、まず飯にしてから話を整理しよう。」
喜ぶ2人の横でアレンがオリバーへと配慮する。
こういう気が利くところもあって少し関心する。
アレンは今日私たちとは別で盗みに使うものを用意したと言っていたけど、どうやら食糧も買い込んでいたらしい。
「ゲルダ、こっち来て手伝ってくれ。」
アレンが食糧と共に部屋を出る。
私は急いで後を追った。
~~~~~~~~~~
「シャルル様。報告が部下から上がって参りました。」
領主が亡くなってシャルルが領主となる引き継ぎをしている中、部下が書斎へ訪ねる。
「聞くわ。なに?」
「例の能力者の兄弟ですが、 街にいることが判明しました。どうやら山を下って行ったと商人から話しを聞きました。」
「そう…。他には?」
部下は続ける。
「二手に別れて買い物をしていたのが分かりました。女奴隷も一緒にいます。」
「よくやったわ。本当は捕らえたいところだけどいつもそれで失敗してきたわ。けどお父様を殺したのがあいつらだって証拠をどう揃えるか。」
シャルルは腕を組んで考える。
「進言しますが、どのようにあの能力者たちから領主様の死因を…。」
部下からの率直な言葉に眉をひそめる。
「私はお父様が望んでいた少女に正直そこまで興味はないわ。あの兄弟と対話できるような環境を作るにはどうすればいいのかしら…。」
シャルルは自分の出来ること出来ないことを含めて、どこまでの算段で相手を籠絡出来るかを弾きだす。
シャルルは一考して黙ったまま書斎で考える。
そしてしばらくすると表情が明るくなった。
「思いついたわ。急ぎで兵を連れて行きなさい。あの兄弟を困らせてやるんだから。」
シャルルは貴族である気品に満ちた振る舞いと別の黒い感情を、思いついた案と共に滲ませた。
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おれはゲルダと共に宿の台所を借りて料理を作る。
盗みに使うものを今日買ったつもりだったが食糧も用意しておいて良かった。
「アレン、私は何を手伝えばいいかしら?」
ゲルダがおれに尋ねてくる。
「あぁ、そこへ野菜を切っておいてくれ。」
おれは考えながら料理を下ごしらえする。
今日のスヴィンに会ったのは驚いたし大きな収穫だった。
しかし疑問が残る。
スヴィンは本来ここに居ないはずだった。
おれと兄貴は盗みの稼業をするために別に置いてきた。
なのに何故ここまで来れたのか。
さらに能力者にも目覚めているとは思わなかった。
ここまで周りに能力者が集まるのは普通ないことだ。
むしろ居すぎるくらいだ。
「ゲルダ、お前に1つ聞きたいことがある。」
「?…何かしら?」
「前に敵から襲われた時、オリバーに能力を使った時、さらに予知。これは全くの別物だ。そうだよな?」
「?…ええ、そうよ。」
「普通能力者は単一の能力しか持たない。兄貴なら圧倒的になパワー。スヴィンは物質の攪拌や分離。おれは人の感情の読み取りだ。」
真剣な話しをしているとあってかゲルダの手の動きが止まる。
「だからお前の能力は異常だと言わざるを得ない。2つ持っている。デュアルなんだよ。」
おれは考察を述べる。
これは考えようにやっては恐ろしい能力だ。
予知を出来る上に相手の状態を変化させる。
どう変化させるかはゲルダが言っていた詠唱次第だが何でも出来るのではないかと。
「そしてもう1つ聞きたいことがある。」
ゲルダはまだ何を聞くんだと言わんばかりの疑問の目線を寄越す。
「オリバーについてだ。」
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