第28話 兄弟は再会する。
週に一度の更新が若干大変になってきました。
4月になったら更新ペース落ちるかもしれないです。
もう3月も中盤とか早いですね。
「シャルル様。報告致します。」
「ええ。聞きましょう。」
シャルルは椅子に座って書類作業をしながら耳を傾ける。
「以前から追っている兄弟と女の行方ですが、情報がありました。」
ピタ、とその言葉が出るだけでシャルルの表情が変わった。
「ほぅ。それで?」
「アスパラの街から消失して隈なく探しました。しかしそこから次のポルタットへと続く山の中腹付近に、私たちが始末した男の亡骸がありました。」
「あら。やるじゃない。亡骸を埋めるなり焼くなりしなかったのは甘いわね。それで?」
シャルルの部下は報告を続ける。
「山頂へと向かい、調べてみるとどうやら奴隷を持った若い男2人が居たと話しが浮上しました。憶測ですが、そのままポルタットを下ったものと思います。」
シャルルは作業中の書類からペンを置いた。
「私もそう思ったわ。いいわ。そのポルタットまで探してちょうだい。」
「かしこまりました。もう手配はしてあります。しかし街ごとの管轄上、私たちが動いてることをポルタットの領主に知られると面倒なことになります。」
「…そうね。大人数で動いてると知られると事だわ。調査は慎重にしなさい。」
「かしこまりました。御意に。」
~~~~~~~~~
私たちは診療所を後にした。
オリバーがどうにもできなかったので、アレンはヘイマンと今後について詳しく話している。
私は2人より一歩遅れて歩く。
オリバーの治療を期待していただけあって気分は落ち込んでいた。
宿に戻るために路地裏を横切って狭い道を通る。
瞬間、頭上から私へと突然何者かに斬りつけられる。
「っっ!!!!!」
急な敵襲に私は仰け反る。
頬に痛みが走る。
思わず手を頬に添える。
しかしその間に敵は私の後ろへと器用に回り込み首へと手を回される。
「っ、誰だ!!!!」
前に居たヘイマンが騒ぎに気づき振り向いて、叫び問い詰める。
アレンは咄嗟のことでも、もう銃を持って敵へと向けていた。
急なことで私はただ驚いて目を見開く。
そうだ。
私たちは追われているんだった。
なにを安心していたのだろう、ヘイマンたちに囲まれて油断していた。
敵は深いフードを被って私へとナイフを突きつける。
容赦なく私の首筋へと刃物が当たる。
少し皮が裂けて多少の血が流れる。
怖い。
結局私は無力だ。
「急に襲うとはいい度胸だな。お前が刃物を抜くよりもおれが発砲する方がはやいぞ。」
アレンが敵へと喋っている。
普段より若干表情が堅いのが分かる。
私の耳元で声が聞こえた。
「……こいつ、だぁれ?」
その声は若い男だった。
男は私の拘束を緩めて一歩下がった。
私は脱力してその場に倒れこむように座る。
私は自分の状況が良くなったことと、その敵の正体を知るために顔を向ける。
男は頭に被っていたフードを、ゆっくりと脱ぐ。
その顔は、
「……お前は…。」
私は彼を初めて見たはずなのによく知った顔をしていた。
彼はヘイマンとアレンに瓜二つな顔だった。
新キャラの登場です!
やっと出せた!




