第27話 少女たちは診療所へ訪れる。
今回は短めです。
はじめに書いてた頃が懐かしいくらい一回ごとの文量が多く書けるようになってきました。
これからも頑張ります。
昨夜は予知の話を深く考えていて遅くまで起きていた。
私はふと目が醒める。
遅くまで起きていたはずだけど眠気はない。
オリバーのベッドを見る。安らかに眠っている
治るのかな今日…。
「朝が早いね。おはよう。」
違うベットからヘイマンが起きてきた。
「うん。おはよう。」
「アレンはもう出てしまったみたいだね。忙しいからね今日は。」
アレンが寝てたところを見ると確かに居なかった。
「今日は僕らは買い物をするよ。朝早くに買い物を済ませてからオリバーを診療所に連れて行こう。…その前に腹ごしらえだね。」
私たちは手短に支度を済ませて外へと出る。
朝から空いているバゲット屋さんに立ち寄り出来立てのパンを食べる。
香ばしい良い香りがする。
オリバーには店の好意でスープを出してくれてパンにつけて食べさせる。
「この街は人が優しい気がする。」
ヘイマンがポツリと漏らす。
「うん。私の住んでた街では比べ物にならないくらい人に対して敵意が無いと思う。」
「まぁゲルダの街くらいなところ他は少ないよ。確か マグラスだったよね。」
そう。
どうやら私はここら一帯で最下層の生活区分だったらしい。他の街との区別が著し過ぎる。
食事が終わってヘイマンと一緒に携帯食料や衣類などの軽装を買い込む。
「これで買い物終わりかしら?」
「とりあえず半分くらいかな?後はアレンの銃の補充をしてあげたいからまだ回るよ。」
ヘイマンと一緒に裏通りを通る。
古い武器屋に入りヘイマンが店主にあれこれ注文する。
よく分からない顔を私がしているとヘイマンが補足する。
「いいかい。銃弾はどれでもいいってわけじゃないんだよ。僕らが携帯している武器は2つ。45口径の小銃とスナイパーライフルのボルトアクション式を持っているよ。
もっぱらアレンくらいしか使わないけどね。」
なんだか専門用語が出てきて私はよく理解してない。
「他にも武器は持たないの?」
「もっともな質問だね。今はこの2つくらいなのは理由があるんだ。大きい銃は重たくて移動に不便。僕らは常に逃げている身だからね。軽い方が安全なんだよ。」
なるほど。
大きくて威力があるものを持てば良いわけではないんだ。
「ヘイマンは銃は扱えるの?」
私は素直に感じた疑問を口にする。
「僕?僕は使わないかな。というか加減できなくて壊してしまうからね。スコープで覗くくらいかな。ほら、鳥が見えるよ。」
ヘイマンは嬉しそうに開いて使ってみせる。
こっちまで嬉しそうな気持ちになる。
その後診療所へと私たちは足を運んだ。
中に入るとアレンが居た。
「あれ、なんでいるの?」
私が驚く前にヘイマンが尋ねる。
「お前たちがどれくらいに着くのか予想して待ってただけだ。ゲルダの身も心配だからな。おれは大体やることを終えた。そっちはどうだ?」
「ほぼ買い物は済んだかな。あと残ってるのはオリバーの診察くらいだよ。」
そうか。 とアレンは呟く。
「どうにかなるといいんだがな。」
アレンは小さい小さい独り言を言った。
少し待ってるとオリバーの番になった。
診察室に入って医者が触診から検査を始める。
「この子は薬で自我が無くなっているのかな?」
医者が私たちへと尋ねる。
「よく分からない。だがそれで間違えないと思う。そうでないと今の状況になりえないからな。」
アレンが答える。
医者は気難しい顔をして私たちへと話す。
それは無慈悲な宣告だった。
「はっきり言うと、この子はもう壊れている。回復の見込みは難しいかもしれない。似たような人を診察してきたが私は治った子を知らない。」
そんな………。
「そんなことって……。」
ヘイマンも動揺して口に漏らす。
アレンも険しい顔になる。
「見込みすら難しいのか…。」
アレンも動揺している。
え、これだと……
「待ってください!!他の、何か少しでも回復するようなものは無いんですか?」
ヘイマンが勢い強く粘る。
「ここは特効薬とか置いてないんですか?他の街に行ったらもっと良くなる治療薬は無いんですか?」
ヘイマンが必死の形相で医者へと答えを伺う。
しかし医者は首を横に振るだけだった。
「残念だが手の施しようが無い。期待に添えなくて残念だよ。」
医者は悔しそうな顔を浮かべる。
「そうですか…。ありがとうございます。」
重たい雰囲気が残るまま、私たちは診察室を後にした。
いつも読んでくださっている方ありがとうございます!!
今年始め繁忙期で忙しいですかマチマチと更新していきます!




