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第26話 少女は再び予知をする。

ただ今1週間ほど海外です。

3月になったら更新の頻度やや低めになります。

大変な合間にストック作ります。



また2人から期待されるように見られている。

視線に押されて私は話す。


「私にも館に入って盗めっていうのかしら?」

それを聞いてアレンが笑う。


「違うな。お前にそこまで期待してはいない。」

なにか釈然としない。

癪に障る言い方をいつもアレンは言う。

「はぁ。…何よ?」


アレンは一呼吸置いて話す。

「お前にまた予知をしてもらいたい。」

アレンが頼み込む。

「予知…。分かったわアレンが言いたいことが。予知をして盗みの確率を上げたい。そんなところかしら?」

アレンは嬉しそうに同意する。


「分かっているじゃないかゲルダ。その通り。おれらは持っている力をふんだんに使っていかないと準備は万全と言えない。」

アレンは分かりやすく私の肩を叩く。


「そんな私利私欲のための予知じゃないと思う。私は進んでやりたくない。」

私は顔をしかめる。

するとヘイマンがなだめる。


「ゲルダの気持ちも分かるけど、ゲルダの力を使うと物事の確率と精度が格段に上がるんだよ。もしリスクがあると分かれば諦めも早いし、あくまで選択肢の1つでこういう分岐があったと分かるだけで収穫は大きいと思うんだ。」

ヘイマンが言うと途端に優しく考えてしまう。

これは懐柔されている。


「というか2人共に素直に働くって選択は無いの?」

私の疑問に間髪を入れずにアレンが答える。

「うん?強靭なパワーを持った人間と頭が切れる人間がまともに働く?そんなの捕まって奴隷にされて死ぬまで労働を強いられるだけだ。おれたちは奪われる者ではない。逆さ。」

アレンが薄ら笑いを浮かべる。


「こんな能力本当はあったら世界のバランスがおかしくなる。ならおれらは厄介者だ。除け者は除け者らしい生きる術を探さなきゃならない。おれたちはその上で盗むことに特化してる。だからそれを生業とする。ほら、プロフェッショナルだろう。」

アレンは決まったとばかりにドヤ顔をキメる。


腹は立つがなんとなく事情が分かった。

アレンたちも私と会う前はそれなりに苦労をしたのではないかと。


能力者が世界へと現れてからなにかと良い話しを聞かない。力のない能力者は淘汰される。それは弱肉強食ということ。能力者は普通の人たちからすると恐怖の対象だ。能力者は人ではない。そのような恐怖感からきている。




「それで結局予知をすることになるのね。はぁ…気が乗らないけど。」

私は薄く目を閉じる。

いつもの口上のフレーズを唱える。

「今生の世を見据えた我が神。どうかお力添えをお願いします。」

私は心を落ち着かせて意識を高める。

するとぼんやりとだが景色が浮かんでくる。


~~~~~~~~~


建物の中にアレンがぼんやりと見える。その前方に身なりがやつれた男が見える。私は拘束されており、人質なのか2人とも会話をしているが声は聴こえない。

場面が他の角度からアレンたちを映し、ついに

その男は剣を抜いてアレンへと走り薙ぎ払う。

その途端にアレンの胸から出血。

倒れるアレン。


~~~~~~~~~


………これで終わり??



「え…??」

私は普段にはない動揺を2人へと見せる。

「ゲルダ、なにを視た?」

アレンは雰囲気が違うのを察したのかすぐに問い詰める。


「…あのね、私の予知は、今までおおよそ当たってた。捕まってたときもそうだけど、最近の出来事もそれで予見できた。」

私はゆっくり言う。

「はっきり言う。あなたは殺される。アレン。」

アレンはその言葉を聞いて眼だけ見開く。そして


「…っハハハハハ!!遂におれにも貧乏くじが回ってくるのか!!」

アレンは腹を抱えて笑った。

ヘイマンも私と同じように動揺している。


「アレン。ゲルダの予知は僕らも認めるくらい信憑性が高い。今回の盗む件、いつもよりケースが違うんじゃない?」

ヘイマンが笑っているアレンへと危険だと諭す。


普通は自分の死期を伝えられたら不安になる。

むしろ不安になる以上に絶望する。

しかしアレンの反応は違った。


「待て待て。おれは狂ったわけじゃない。その未来が見えたのは大きな収穫だ。つまりおれはその2日以内には絶対に死なない。そう裏返しもできるだろう?」

アレンが私へと尋ねる。

いやでも


「それでもその後に死んでしまっては意味がないわ。」

「そうだな。死んでしまっては何もできないからな。だがお陰で安心して準備が出来る。盗む準備も逃げる準備も明日する。そして念のため周りの情勢がどう動いているか知りたい。そこからの派生で何か得られるものもあるだろう。」

アレンは続けて喋る。


「おれだって不安が無いわけじゃない。ただやっぱりゲルダが居て良かった。おれはお前が居ないと自分が死ぬ瞬間も分からなかっただろうからな。」

急にアレンから持ち上げられてドキッとする。


「記憶が新しいうちにその予知の内容をシェアしたい。少しでもおれの死期を遅らせるように分析をする。」


アレンはニコッと微笑んで私の手を包み込むように握る。


彼の手は冷たかった。


読んでくれた方応援おねがいします!


補足して予知の時の描写を細かく修正しました。

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