第20話 少女は説得を試みる。
引き続き投稿です!
今回の投稿後、年始から忙しいので1週間程期間が空くかと思います。
普段見ている方申し訳ないです。
皆さま良いお年をお迎えください。
髭面のおじさんに呼びかけられて私は面食らっていた。
しかし呼びかけられた当の本人オリバーは、反応こそするがイマイチな反応。
普段と違うことを悟ったおじさんが私たちへと厳しい目を向ける。
「あんたら、オリバーに何かしたみたいだな…!!!」
分かりやすく誤解されていた。
私は咄嗟に弁解しようとする。
そこにアレンが割って入る。
「待ってください。あなたは何か勘違いしてるようだ。」
私と話すときと口調が変わった。アレンも面倒ごとを避けたいだろうから、分かりやすく事を終わらせようと考えているのだろう。
「オリバーくんに面識があるみたいだが、彼とおれたちは被害者だ。訳あってここまで逃げてきた。」
アレンは正直に私たちのことを話す。
てっきり誤魔化するものだと思ったが違ったらしい。
「ふん!!!見ず知らずの奴にそんなこと言われても信用ならんね!!」
おじさんの激昂は収まらない。
知り合いが普段と違う様子をしてたら確かに良い気分はしない。
アレンが横で分かりやすく軽い溜息をつく。そして横目で私を見る。
これは、私にどうにかしろと言って(見て)いるのだろうか。
私はアレンを睨みながらおじさんへと話しかける。
「あの、何か誤解していると思うんです。私たちは彼によって命を救われました。それにほら。」
私は自身の首についている鎖を見せ付ける。
その途端周りも私へと視線を向ける。
視線が痛いどころではないが、他に説得できる自信はない。
「お嬢ちゃんも、奴隷なのか…?けど兄ちゃんが奴隷を持つほど高貴にも見えねぇ。何か事情があるのか?」
やっと落ち着いたようで、私の話を素直に聞いてくれたみたいだ。
私は簡素にこれまであったこと、今日起きたことについて話す。
「…なるほどな。その話が本当なら知らない奴に勝手に奴隷にされたオリバーが不憫だ。なに、突っ掛かってすまなかったな。」
おじさんが非礼を詫びる。
アレンはいやいやと手を横に振る。
そして私に向けてアイコンタクト。
やられなくても私から聞こうとした。
「あの、教えてください。オリバーは前なにをしていたんですか?」
私が尋ねるとおじさんは素直に答えてくれた。
「うん?こいつはここからだと遠いスラム街の方の住まいでさ。そこの貸畑の農民だ。」
おじさんは話し始める。




