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第13話 弟は動き出す。



「奴隷の鎖から考えて、あんたのペットは思考を奪うものらしいな。なんとも人畜外道な典型だな、あんたは。」


おれは状況を変えるために、あえて敵へと笑う。

土の牢に捕まっても動揺しないように気丈に振る舞う。

この金髪は喋りやすい傾向にある。

煽って何か吐かないか餌を撒く。


「鎖も中々運用が難しくてね。単一的なのは楽だが命令も雑になる。」


金髪男が言っていることはその通りだ。本来奴隷は強制的に従う労働力だ。

だがどうしても人の性とはあるもので、従わなかったり文句を言ったりする。


人間だから当然だが、それを面倒に感じると今の奴隷男のように思考をも奪い傀儡となる。


「奴隷は人ではないよ。生まれながらにして奴隷の身分の奴は奴隷に変わりないし、商人が落ちぶれて身を売って奴隷に転じれば、そいつは元々奴隷のような器にしか過ぎなかったということだよ。」


おれが煽ったことが高じてか、金髪男自身の持論を吐いていく。


「奴隷に思考があるなんて、有っても邪魔さ。その考えは枷になるだけだ。制限とは全ての機会を奪うものにしかならないよ。」


金髪は愚痴とばかりにまだ持論を言う。

おれはその発言に眉をひそめる。


「…制限が枷?あんた、分かっちゃいないな。」

おれは珍しく眉間に皺が寄った。


「確かに制限なんてあったら良いことは無い。縛られた考え、信条、能力、身体すべてに関係する。」

おれは兄貴と差をつけられたときの自分の存在価値の無力さを知っている。

だから人の弱音に懐疑的だ。


「だが、人は制限を負ってこそ真価を発揮できる。おれみたいにな。」

おれは喋りながらこの状況を打開するだけの策を練っていた。


能力者相手に勝つの正気の沙汰ではない。だがおれはひたすら分析する。


今分かっていることは、相手は土を纏えることと、壁を作る能力を持っていること。

壁を作る以外にもまだ秘めているかもしれないが、こちらを窺っているのかまだわからない。


そしてあの金髪の男、こいつに能力は無さそうだ。武器はまだ不明。


しかしある程度の能力のギミックは解けた。

相手をじっと見る、そしておれはその場からバックステップで後退する。


するとコンマ遅れて土男は手の平を突き出して、おれが先程まで居た足元に土の牢が出現する。

そしておれは確信する。

「想定通りだな。」


ニヤリと2人へと笑う。

奴隷男の表情に依然として変化は無いが、金髪男は驚いた表情をしている。


「…何故読めた!!!確実な不意打ちだったのに!!」


おれはただ笑う。

そしてゲルダに耳打ちをする。


おれは次の行動に移るために敵へと走り出した。

物語を盛り上げるのは難しい。。

頑張ります!

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