第11話 少女と弟は遭遇する。
またヘイマンの戦闘パートです。敵キャラも出てきます!
アレンの発砲により前方に居た兵士が1人倒れた。
それによって相手の兵士達幾人かは動揺している。
アレンはそれを見逃さずに後退していく。
その光景を後ろ目に僕も移動を開始する。
相手は見えているだけで10人規模。
今いる路地裏の細道は、アレンたちが逃げた別の道以外は真っ直ぐになっていて極めて不利。なので多少強引に前線へと出る。
「…はっ!!!!」
僕は隠れていた箱を使って上段を踏み、跳んで壁を横に走る。
壁に着地してもパワーで脚が抜けてしまうために走る回転を高めて目標へと向かう。
落ちそうになったら向かいの壁へと跳ぶ、これを数回繰り返し兵士達の前まで来た。
急な僕の移動に1人の兵士が驚き仰け反る。それが命取りとも知らずに。
僕は跳んだままの勢いを殺さずにそのまま相手の腹へ一発パンチを入れる。
路地裏が一本道とあって数人巻き込んで後ろへと吹っ飛んでいく。
飛ばした兵士の横に運良く一緒に吹っ飛ばされなかった兵士が僕を上から見下ろし、銃を構えるより先に腰からナイフを取り出し上から両手で突き刺してくる。
「良い判断だ。」
僕は地面に片手をつけた状態のままナイフを避けて身体を捻る。
相手は大振りだったのでそのまま地面を刺す。
僕は脚が上になったままなので、そのまま回転を利かせて相手の腰へと踵を下ろす。
相手から悲鳴にならない声を聞いて倒れる。
しかしそこを狙ってまだ残っていた兵士から発砲される。
僕は不完全な状態なまま後ろへと跳ぶ。
急な移動をして身体が軋む。シンプルに痛い。
相手は僕が後ろへと戻ったことにより、影に隠れて弾倉を入れ替えている。
「そんな余裕があったらもう一丁くらい用意しとくべきだよ。」
僕はその隙を見逃さず、手を付きながらスタートダッシュの如く低姿勢で滑り込む。瞬時に相手の懐へと入る。
こんなスピード見たことないだろうから、相手は驚愕している。
「隙だらけだ。」
僕は兵士の顎を下から上へと掌底を喰らわす。歯と歯が欠けた音がしてそのまま後ろへと倒れて動かなくなった。
次の敵はどこだと辺りを見回したが誰もいない。
辺りが静かになる。…どうやら他は逃げたらしい。空模様も明るくなっていた。
「…さて。おしまいかな。合流しようか。」
僕は手袋を叩き土を落とす。
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私たちが路地裏から逃げた先の道には、まだ営業前で閑散としている店の通りになっていた。
さっきまで居た道が細すぎていたのもあってか、この通りが広く感じる。
「別の道からになったがこのまま突っ切るぞ!!」
アレンが私の手を掴み走り出す。
しかしその行く手を阻む者が1人いた。
「…っ!!!」
アレンは急に立ち止まる。何があったのかと私は前方を見る。
すると先ほどと同様な鎧を着た若い金髪の男が立っていた。
「君が、手配書の子だね。その連れてる子は誘拐か。そのまま返してあげたら手荒な真似はしないよ。」
男は笑顔で私たちに話しかける。
しかし何だろう、全然爽やかさを感じない。ニヤニヤと裏を感じるような雰囲気を感じる。
アレンを横で見ると少し驚いた表情をしている。そして喋り出す。
「驚いたな。こんなに早くに俺たちを洗い出して急襲をかけられるくらいの人員があるとは。そして交渉か?裏があるとしか感じられないな。」
アレンは思ったことをはっきりと述べている。相手を刺激しないのかと焦るが、私はただ傍観しているしかない。
「フェルナンド様からのお達しでは強引な手を使っても、と仰られたが私は心が痛い。その子だけで君は見逃してもいい。」
男は笑顔で話してくる。
「ふふ。随分とお喋りだな。フェルナンドもろくな奴を雇わないんだな。」
アレンが分かりやすく相手を煽る。
相手の表情にヒビが入る。
「君もよく喋るんだな。もう1人連れの子が居ないみたいだがその子を待つための時間稼ぎかい?」
アレンは笑って答える。
「あいつは今頃お仲間さんを倒しているだろうよ。手下の元に行かなくていいのか?非情な上司だな。」
アレンはこれでもかと煽る。
しかし男は笑顔で返す。
「良いんだよ。その子さえ手に入れれば他なんてどうでもいい。君達を拘束させて貰うよ。」
男は口元を柔らかくしたまま冷え切った目を向ける。
「本性が出てるぞ不気味男。どうするつもりだ。」
アレンは喋りながら銃を構えて男に標準を合わせる。
すると男は懐から細かく畳んだステッキを取り出し、広げて地面を叩く。
その途端その男の後ろに砂埃が舞った。
砂埃が少し落ち着いた頃に、その中に人がいる事が私でも分かった。
その砂埃の中には奴隷の首輪をつけた男が虚ろに立っていた。
段々他のキャラが登場してきました。もっと面白くなるように頑張って参ります!
引き続き応援おねがいします!




