文学的散文の基礎知識 2
文学的散文の基礎知識 2
主題
文学的散文の主題の捉え方
文学の主題とは
1 作者が読者に訴えたいある事柄あるいは作者の考えや意見
2 作者の目にとうじた人生や人間のしんの姿
文学では1のばあい子のような不正は許しがたいのように明確に主張して書くことは少ない。せいぜい日とを愛することは素晴らしい事だとか日とが苦難に負けず地から図よくいきる姿は美しいのように描かれる程度である。多くのばあいは2のようにただ作者の目に通じた人間の姿を書いたものである
評論のばあいとの違い
次の世鵜に明確な主張を持った評論の主題と小説や随筆の主題とかかなり子となったものだと考えてよい。
主題の内容
積極的な主張
文学の主題 あまりしない 価値の判断 積極的にしない
主題の表しかた 間接的作中人物に世って表現する。
評論の主題 積極的な主張 明確にする 価値の判断 積極的にする
主題の表しかた
直接的結論部などに明確に表す。
例えば孝行の多くの教科書に掲載されている芥川龍之介の羅生門を考えてみよう。
子の作品で作者は人間のエゴイズムを書いている。一般的に人間の生き方は所詮事故中心的なものだと作者はいっていると解釈されている。そして作者はそのような人間というものに対しよい悪いという道徳的な判断を下してはいない。ただ人間はそういうものだとのべているにとどまっている。
しかしここには作者の人間に対するひとつのみかたが明らかになっている。それが文学の主題である。
主題はどのように描かれているか。
1 主として作中人物の生き方を等して主題を書き出している。
2 作中人物がある人物出来事事柄に対しどのように行動し土のような心情を抱いたかという祖の姿を作者がどのようにえがくかによって主題が明らかになる。
もし同一人物の同一子統一行動を二人の作者が書いたら恐らくまったく異なるドラマが出来上がるだろう。
そこに作者の描きかたの違い主題の違い作者の人間観の違いが現れるはずである。したがってある人物出来事事柄に対して作中人物の行動と心情を分析することによって主題があきらかになる。
長編小説などではある出来事そのもの主題んなることがある。ただし子の場合もその出来事に関わっている人間の生き方を含めて大きな主題となっている
トルストイの戦争と平和などのような対策がこれに当たる。
主題の読み取り方と手順
人物と出来事の整理
1 作中人物と出来事を整理する。
誰が主人公でそれとならぶのは誰か中心になる出来事事柄はにかを読み取る。
人間像 2作中人物の人間像をとらえる。主人公の帆か重用な役割を果たしている人物ン人間像を彰かにする。
問題に注目 3 作品のなかの問題をとらえる。作中人物がある出来事に際してなにをしたかなにをしなかったか土のような態度でなにを考えたのか何に作者が問題として取り上げている事柄が隠されている。
問題を等して主題をとらえる。
4 問題を等して作者が加工とした主題をとらえる
1 作中人物がある出来事に際してとった行動のなかに人間とは子のようなものだ子のような態度は人間としてうなのかという作者の考え屋主張がある。。
2 作中人物が帆かの人間にたいして抱いている心情あるいは相手にどのようなたいどをととったかなどのなかに人間の本質についての作者の考えや主題がある。
3 筋が展開するにつれて作中人物の心情屋言動が変化していく場合その辺かそのものが主題に結び付く
具体例で確認しよう
次の文章の主題を作中人物の言動や心情を等して彰かにしよう
電気バリカンのプラグを差し込み少しから回しをしたあと額の頭から鷲巣か見にし首の後ろからバリカンをいれていこうとするとそのとき岳は片手で鷲巣か見にしている私の手首を逆に握り首だけくるりと振り替えるとそのまま私を睨み付けた。それは岳には珍しく本当に起こっているという顔立った。
なんだと私はいった。おとうはよこんな風に勝手に自分の好きなように日との頭を買っていって面白いかと岳はいった。いつになく強い調子立ったので私は少し驚いてしまった。
どういう事だと私も成いきじょう少しあらあら強い口調でい
た
おとうはよいつも命令ばっかりだよな自分の好きなように命令ばっかりしてよ命令を聞かないよいってよそれで怒ってばっかりいてよ。と岳はいった。そこまで言うとはなのつけねの変を赤くし睨み付けながらボロボロと大粒の涙をこぼし始めた。
岳の損な反応を見るのははじめてだったので私はそこで本当に驚いてしまった。
問題をとらえて主題にせまる。
作中人物 私 岳 二人はお役で岳浜だ子供のようだ。
情景 私が額の頭を刈ろうとすると突然が鵜が遮り自分の好きなように命令ばっかりいしていると抗議する。
問題点と作中人物の心情
岳は父が好き勝手に振る舞って自分の意思を尊重しないと起こっている。
父は息子が自分の言うとうりにしないで逆に抗議してきた子とに驚いている。
いんようぶには説明されていないが私が息子の意思を確かめも
せずバリカンを持ち出したことは用意に想像がつくそれにたいして息子の岳は必ずしも論理的に整理されているとは言えないが自分の好きなようにめいれいばっかりして命令を聞かないと以下ってそれで面白いかつまり親でも一方的に命令を下すのは不当だ。
自分に意思というものがあるといっている
主題 成長して自分という存在に目覚めた自立してきた。息子と息子を自分の思い道理に扱おうとする父親の対立矛盾
解放とルール
まず情景と作中人物を整理してつかむ。そしてどのような事柄が起きているか作中人物同士の相手に対する言動を読み取る。事柄と言動を照らし合わせればなにが問題なにかそこにはどのよな主題が隠されているかが浮かび上がってくる。
随筆のどっかいと干渉
随筆どっかいの基礎知識
随筆とは
著者の見聞きした意見した事実を形式にとらわれず自由に描きそこに筆者の考えや所感を盛り込んだ文章。ただし次ノヨウナ理由から随筆と小説を厳密に分ける子とは難しい。
1 実際にあった事柄かどうかは明らかではない。
当然文学的な脚色も行われているはず。
2 いわゆるし小説は身近な出来事を題材にかかれていることが多い。
そうなるとし小説か随筆かの区別は極めて曖昧である。
小説との相違点
小説
複雑筋の展開のなかに主題が潜んでる
作中人物の人間像
複雑人間像のなかに主題がある。
情景 風景
事柄の背景としての位置を閉めている。
作者の心情感想
原則として表面に現れる子とはない。
随筆
筋の展開
複雑な展開がない。場面が限られていることがおおい。
作中人物の人間像
特徴的な一面が強調される。
場景風景
情景や風景の面白さも重用な要素
筆者の心情感想
しばしば具体的に供述される。
筆者の視点
随筆に限らず筆者の視点を理解することは大切であるが随筆は筆者の個性やものの見方が特に強く表面に現れている文学だからいっそう視点が問題になる。
随筆の場合には筆者が書いたのはどのような視点角度から見た事実かが問題である。例えばある事柄を書いた場合次のように視点が考えられる。
1 まったく客観的に第三者として事実だけを観察する視点
2 その事柄から人生や人間性の本質を探ろうとする視点
かかれている事柄の関係者と同じ立場や心情鵜にたつ視点。あるいは反対のしてん
4 その事柄のある一面例えば滑稽なめんっっを強調し読み物として面白さを求める視点
視点について
視点とは物事を観察する立場見地観点である。物事は見る立場によって姿を変える。
例えば円ずつ形は真上からみれば円であり真横から見れば四角形だと考えたから間違いだとはいえない。
大切なものはえんずつけいをどのよな角度から見てそう見えたのかを知っているかだ。
随筆のどっかいのポイント
随筆の味わい方
1 作品にかかれている出来事事柄作中人物などを理解しその面白味を味わう。随筆は事実を伝えるのが目的ではない。
事実出来事や人物の姿の面白さを人間の営みに対する関心真実の一面を知る興味ユーモアや巧みな文章表現から受ける楽しみなどを書くことに狙いがある。
2 筆者の発見感想を共有して楽しむ。
筆者が見聞きや体験の中から新しい発見をしそれになんらかの意味で心を動かした。読み手はそれを読み取って筆者の発見や感動に共感する。そこに読者の楽しみが生まれる。
3 文書を読みその味わいを楽しむ。
随筆は文学であり文章表現を読み味わう楽しみに大きな比重がかかっている。
巧みな文章表現やユーモア筆者独特の言い回し。言外に意を組み込める表現法暗示比喩ほのめかし反語などを理解し味わい楽しむ。
随筆どっかいの手順
1 どのような情景風景人物事柄 出来事がかかれているかを整理して読み取る。
2 特に筆者がどのような点や事柄に興味を持っているかを読み取る。
1 かかれているもののなかで特に念密に詳しくかかれているものに筆者は関心を持っている。
2 特に個性的で興味深く面白くかかれているものは作品の中心になりl。
3 筆者がなににどのような感想をのべているかで筆者の関心を知ることが出きる。
3 かかれているものに託して筆者がどのような考えや感想をのべようとしているかを読み取る。
1 書き方によって筆者のそのものに寄せる心情や評価がわかる。
2筆者の感想から読み取る。ただし感想にすべてが表現されていない。また皮肉や反語かいぎゃくおどけた表現しゃれた冗談ユーモアなど真意を反対に表現で示すばあいもある
23 からもっとも筆者が関心を持った事柄とその様子を読み取り主題を見つける。
具体例で確認しよう。」次の文章の表現こうかを味わってみよう。
はちおくんどお お粥歯食べられた
私を幼馴染みの八男区ん呼ばわりする幼い目の吉田さんがガチャガチャ医療器具を抱えて大きな声で枕元にやって来た。
子供扱いというよりいぬ扱いというように思える。まどろみが晴れ上がってそれでもあ、安波とか声になりきらない反応をしながら少しからだをよじってみようとして激痛が走る。
吉田さんは体温計を降りながら
ははははちおくんいいからそのままでいいって
別途あげようか
とやはり大きな明るい声で既にぐるぐると病院の不衛生的寝台の上はん部をリフトアップさせている。
体温計を口に突っ込むと突っ込まれたのは私だ。食いっと上半身を倒し胸まで見えそうになるのにひとつも構わずお仕着の患者服のボタンをさくさく明けなんの感傷もなくすとパンツも下げ包帯を真新しいのと取り替える。乾かに扱われているのかもしれないが激痛と会館のごとき微妙な感じがして若い看護婦さんの労働する姿に感銘を受けていることに築く。
まるで余裕があるみたいな空気
その間身体現象として私はううとかうぐとか気へえーとか
言語以前の言葉にまるごとなりきっていた。
登場人物をとらえる登場人物は吉田さんと私三人称は看護しの吉田さん
一人称は間じゃの私=語り手
私語り手の視点の対象として状況が語られる。
人物の書き方
外側と内側に注目
吉田さんの行動会話様子 ガチャガチャ医療器具を抱えて大きな声で枕元んやってきた。
体温計を降りながらははははちおくんいいからそのままでいいって
体温エイを口に突っ込む中略真新しいのと取り替える。
私の様子と心のなかの独り言。
子供扱いというよりはいぬ扱いのように思える。
まどろみが晴れ上がって中略からだをよじって見ようとして若い看護師さんの労働する姿に感銘を受けている。
言語以前の言語にまるごとなりきっていた。
解放とルール体験談なので小説に近い随筆になっている。誰の観点かどのような状況かを押さえる。
人物を比較する。
文章の特徴を分析する。
味わう・。
例 余裕があるみたいな空気
現実的には激痛を我慢しており余裕どころではないしかし筆者は観客的に看護しの様子を観察し労働する姿に感銘を受けるなどどこか余裕なイメージがある。
そのギャップが面白い。