文学的散文の基礎知識 1
文学的散文の基礎知識 1
場面と情景
場面と情景の捉え方。
場面と場面に分ける基準
場面とは
小説は場所作中人物出来事が次次に変化して筋が進む。ある場所である作中人物によってある事柄が行われたときそれを引っくるめて例えば公園でAとBが語らっている場面のようにいう。
場面にわける基準は主として場所日と出来事である。納かでは出来事と日との変化によって場面の移り変わりを判断刷る。人と場所が一貫しているばあいは出来事野発展や作中人物の心情の変化等から変化をとらえる。
場面の例
場面1 は場面と作中人物は一定であるが出来事がA~Bと変化している。それはここでドラマが進行した筋が進んだからだ。
したがってこれは同一の場面でまとめることができる。
場面2 は場面1と場所が同一である。しかし作中人物と出来事は子となっている。またまた場所が同一である。しかし作中人物と出来事は子となっている。たまたま場所が同じだというだけで前後の繋がりが無いから1と2は違う場面だと考える。
場面3は作中人物は場面2と同じであるが場所と出来事は場面2所となっている。
そこで同一人物による子となる場面とはんだんできる。
5w1h
場面や情景を構成する6つの要素場面や情景に描かれて易る事柄を子の六要素に分析してみる内容が理解しやすい5w1hは新聞記事等説明的納文章に書かしてはならない要素とされているが多くのジャンルに追うようされるようになった。
情景の捉え方
情景とは
1 抗議にはひとつん場面で作中人物に世ってドラマが展開しているその場の有り様全体をいう。
2 ある場所の舞台となっている場所やその場のようすをいう。
場面と情景を区別せず一括して情景と呼ぶ場面もある。
情景の要素
情景を理解刷るにはしたのような要素を総合的に把握しイメージかする。
作中人物
出来事
場所
場所の有り様様子
聞こう時刻雰囲気天気風景その他。
風景の働きと意味
ふうけい描写はそれだけで干渉の対象となるがむしろ作品の納かで暗示的象徴的にとりあげられている子とが多い。次のような重要納働きをしている。
1 ある風景が作品の主題を暗示していることがある。
2 作中人物の心情屋複数の人間の人間関係を暗示していることがある。
3 重用な出来事の性質内容いく末等を暗示したり象徴していることがある。
情景の読み取りかたと手順
1 作中人物は誰と誰か彼らがなにをしているか等整理してとらえる特に作中人物の関係や気持ちを重視する。
2 どんな子とが起きているかまとめる。
3 背景となっている風景やその雰囲気を想像で荻ながらとらえイメージ化する。しばしばそれは作中人物の心情や主題を暗示している。
4 1~3を総合して誰々がどのような場所でなになにをしている情景のようにまとめる。できればここで作者が書こうとした事柄主題もまとめる。
具体例出確認しよう。
次の文章出情景をつかみ主題を読み取ってみよう。
運慶は今太い眉を一寸の高さに横へ堀抜いて鑿の歯ヲ竪に返すや否や斜に鵜えから鎚をうち下ろした。固い木を一と刻みに削って太い木屑が鎚の声に応じてとんだと思ったら小鼻のおっぴらいた怒りの歯なの側面がたちまち浮き上がってくる。その刀の入れ方が易かにも無遠慮であった。そうして少しも疑問をさしはさんでおらんように見えた。
よくある無造作に鑿を使って思うような眉や歯なが出きるのだなと自分歯あまり関心したから独り言のようにいった。刷るとさっきの若者がなにあれは眉や歯なを鑿出作ってるんじゃない。あの通りの眉や鼻が木のなかに埋まっているのを鑿と鎚の地から出掘り出すまでだまるで土のなかから石を掘り出すようなものだから決して間違うはず花井といった。自分はこの時はじめて彫刻とはそんなものかと思い出した。
作中人物と出来事をつかむ・
作中人物
自分 若い男 運慶
出来事 運慶ガキを掘っているのを自分や若い男がみている。
ここまではすぐ理解出きる。しかし運慶の仕事ぶりや見物人でる自分の様子についいてもう少し突っ込んで読み取ろう。
運慶の仕事ぶり
その刃の入れ方が易かにも無造作少しも疑問をさしはさんでおらんように見えた、。
等子の様子を無造作とのべている。
自分 あんまり関心した
彫刻とはそんなもの化と思い出した。
以上から総合してまとめる・
情景
運慶が易かにも無造作に木を掘っているのを自分作者が関心しながら見ている情景
情景から主題を読み劣る。
最初の七行に運慶が木を削っている様子がかかれている。
それは易かに力強く描写されている。
作者刃運慶の仕事ぶりを地から図よく描写刷ることによって運慶を行程し木のなかに埋まっているものを堀だすまでだという芸術感っを指示シテイルノデアル。
解放とルール
1 もっとも基本的な誰がなにしている情景化をつかみとる。
2 次に出来事の様子と作中人物がどのような態度でその出来事に向かっている化を読みとる。
3 12 総合して誰がどのような態度でなにをしているかをまとめる。
4 最後に書かれている場所やふうけいの様子雰囲気をつかみ全体を理解する。
作中人物の人物像
人間像の捉え方。
人間像とは
その人物の外見年齢職業仕事社会的な立場地位等を含む性格人格品質教養思考考え方おいダチ生活環境ものの感じ方言動いき方他人に対する態度趣味思考等およそ人間像をしっかりとらえることが出きれば作品事態藻深く味わう事が可能。
人間像
外見人柄社会的な立場 その人物の外見内面がそのまま外見に現れるとは限らない。
もっとも本質的な文や 性格 人格 人柄 感性
思考考え方 いき方 その人物の内面
言動他人に対する態度接し方内面が行動という形をとって現れたもの。
人間像のポイント
長編小説 長編小説では先にのべられたあらゆる要素が筋道のなかで意味を持ってくることが多い。
作中人物がどのように変化していくかが長編小説の重用なテーマになるので作中人物の人間像は変化の過程や最後にどのような人間になったかが大切なポイントになる
人間像のイメージ化
いっぱんてきに或イメージ化刷るばあい次のような点を考慮して総合的に判断する。
人間の本当の姿
表面的な様子
外見 本質や人間性がそのまま外見に現れるばあいもあるが本質と不一致のばあいもある。
外見刃人間の一部をさすがそれだけでは判断できない。
本質的な要素
性格 その人物の人間的な要素
思考かんがえかたその人物のいき方ヲ決定する要素。
これらがそのまま表面に現れる事はなく言動から判断するしかない。
言動
思考性格ものの考え方の現れ。
思考考え方は言動に現れるが性格によってその言動は種々変化する。
第三者が見るのは本質や本性のストレートな現れとしての言動ではなく性格によって味付けされた言動である
第三者の見た人間像やイメージ
性格心情から
人間の反応は化学式のようにはいかない。
本心と反対な言動にはしるばあいもある。状況や相手都の関係等によって人の行動は変化するものである・。
したがって行動のひょうめんてきな意味だけにとらわれず作中人物の性格や心情やそれまでの筋の展開と照らし合わせて考える子とが大切である
いき方
もっとも重用なのはいうまでもなく趣味や外見ではなくその人物いき方である。例えば自らの危険ヲ試みず他人の命ヲ救うような人物の人物像としてはその精神の高さや勇気が強調されなければならない。言葉使いが粗野であるとか趣味が悪いかは副次的な要素である
。小説野筋野なかで何が大切な要素なのかを判断しそれを中心において人間像をまとめるのが大切である、
人物像の捉え方と手順
説明から
小説中の文章 地の文会話以外のびょうしゃに説明的に書かれていることもある。
言動や他の人物のめから
その人物の言動から推測する。ただし言動はその人間の本質や本性の現れだが性質によって色々に子となりその時時の状況や心情によっても変化する。よって全体を刀して総合的に判断する。
作者はある人物がどのような人間かをストレートに画くのではなく別の人物のめにはどのような人間として写るかによって表現するあiがある。その人間に対する別の人物の言動から人間像がつかむことができる。
出来事を刀して
ある人物の本質や特徴は大きな出来事に遭遇したばあいにもっとも発揮する。
例えば普段から控えめな人が大きな自己に遭遇して指導的積極的に行動したばあいはそれが本当の姿である。小説の中心になっている大きな出来事からとらえる
具体例で確認しよう。
次の文章で主人公の人間像を読み取ってみよう。
この上は縁談断られても仕方がないと覚悟を決めとにかく先方へ子との次第を洗いざらいいってみよう。と私は単身峠を降り交付の娘さんのおうちへうかがいました。、
幸い娘さん藻うちにいた。私は客間に刀され娘さんと母堂と二人を前にして失火易の事情を告白した。
時々演技口調になって公平したけれども割りに素直に語り尽くしたように思われ娘さん落ち着いている。
それでおうちでは反対なのでございましょうかと首をかしげて私にたずねた。
いいえ反対というのではなく
私は右のてのひろをそっと卓の上に押し当ててお前一人でやれという具合らしく思われます。
結構でございます。
母堂は品よく笑いながら私たちもご覧の党利お金持ちではございませぬし子と如し易式等はかえって困惑するようなものでただあなた尾一人愛情と職業に対する熱意冴えお持ちならば私たち結構でございます・
私はお辞儀するのも忘れしばらく呆然と庭を眺めていた
めの暑いものを易式した。子のははに孝行しようと思った
作中人物のびょうしゃから人間像をよみとる。
主人公私の言動や心情思いに関する記述を拾い出してみよう。
1 縁談断られても仕方が無いと覚悟を決め一本気な態度
2 子との次第を洗いざらいいってみよう。誠実で包み語とをしない易態度。
ときどき演技口調になって閉口した、
緊張しやすい態度
4 目の暑いものを意識した。熱しやすく感じやすい心
5 この親に孝行しようと思った。 誠実で素直なきもち
これらを内容別に整理すると誠実素直一本木率直な性格が読み取れる。こういう私を相手の日とはどう見ているのか。
他人の人物から見た作品中人物の人間像
6品よく笑いながら 私の一本木で熱心な様子におかしさを感じながらも行為を持っている様子
7 愛情と職業に対する熱意冴えおもちなら私の愛情と職業に対する熱意を肯定的に受け止める気持ち
母堂の態度から1~5 は他人から認められていることがわかる。
主人公の人間像 真面目で誠実であり物事を正面から取り組む一本気な性格である。
解放とルール
作中人物の言動心情思い出来事に対する態度姿勢他人に対する態度についての記述を拾い出して総合的に性格や人柄を考える。
2 他人はその作中人物を土のように見ているか同じく文章中の記述から確かめる。
1 2 を照らし合わせ客観的総合的に作中人物の性格や人間像をとらえる。
作中人物の心情
心情の読み取りかた
心情とは
一般に感情とはある人出来事物事にであったときに生じる起動哀楽などの心の状態をいう。
これに対し心情とは心に生じた思いや感情の相対をいう。
つまり心情の方が幅拾い心の状態を指して降り文学の鑑賞では多くの心情という言葉をよういる。
しかし感情気持ちというばあいもあり厳密に区別されていないことが多い。
子の本では心情という言葉で統一する。
心情の決定ン要因
例えば不正をみれば怒る人のしに会えば悲しむのが普通だ。しかしある条件のした出の人の感情はすべて同じかといえばそんな子とはあり得ない。
それはその人物の性格対象となる人の事柄をどう思っているかまたその人物都の過去の経験などにっ世って心情は様々に変化するからだ。
心情とは
人事柄事物
心に対する刺激
人の心
本質 本性
思考考え方性質経験対象に対する感情好悪の念
そのときの心の状態
反応
対象に対する心情
上の図のようにその人の本性やそのときの心の状態対象に対する感情などによって土のような心情を抱くかは大きく変化するからだ。
だからこういう人や事柄に出会えば誰でもきっと子のように思うとは判断できない。
以上により次のような事が言える。
1 文中に書かれている心情からその人物の対象に対する気持ちが推測出きる・
例 Bが急病で倒れた Aは狼狽したり悲しんだりしたAは病気の人Bに心を寄せていた。
2 文章に書かれているの人物の対象に対する気持ちからそのときのしん上が推察できる。
例 Bが急病で倒れた AはBを愛している Aがてをつかねていたのは無関心なのではなく極度の不安から呆然としていただけだ。
心情の変化を追う。
作中人物の心情はどのような人とどのように接したか土のような出来事にあったかによってつぎつぎ変化するその変化のあとを追うことに世ってその人物の感性や性格がつかめる。その結果心情そのものをより深く理解することが出きる。この心情の変化のなかに作中人物野深い心情を読み取ることが出きる。
作中人物の心情の読み取りかたと手順
情景びょうしゃや説明から
1 情景描写や説明を読み取る。
小説では作中人物の心情を具体的に悲しかった嬉しかったのように説明することは少ない。描写のなかに暗示的に示されていたりする。
と思ったという記述は心情のいっぱしを語ったものとして大きなてがかりとなる。
2 言葉会話は大きな手がかりである。誰に対して火待たないようや言い方を分析する事によってそのときの心情を読み取る事が出きる。、会話の相手都の関係を考えてそこに込められた気持ちをまさぐることが大切
3 行動から 行動 どうさ表情 態度などは重用な手がかりである。
どうしてこのような事をするのか原因はと追求する事でその人物の心情が読み取れる。
4 物語の展開から物語の展開によって変化する心情を追う。
人間の心情はときいときこくこくと変化する。その辺かのあとを追うことで正しく心情がつかめる。
人の心情は嬉しい憎い悲しいなどのように単純ではない。憎いけれど好きだにように相反する心情が心のなかに同居しているのが人の心のしんの姿だ。しん上を単純かしてとらえず矛盾したし⑧ん上が同時に心のなかに存在しえるという前提で考えることがもっとも大切だ、l。
具体例で確認しよう
次の文章の傍線部の理由を考えることで笠原の心情の変化をおってみよう。
峠についたとき笠原は気息えんえん足るものであった。最後の30分ほどは頭が棒となっていた、。自分が歩いているのかどうかすらわからなかった、。ただずんずん先にいってしまう茂木をやつどうしてくてようかとそれだけが意識にあった
しかし峠についたとき二波どうしてくれようもなになくリュックサックを背負ったまま地面にどうと倒れてしまった。激しくあえぎながら目を開くと水筒を差し出している茂木の顔が見えた
とうとう上りきったじゃないか。
のんびりとした茂木の声を聞くと笠原の腹立たしさはすうと消えていった。しかし
許す訳じゃないぞ笠原は自分が意地になっていることを態度に示すために茂木の差し出す水筒にてを出そうとしなかった。それからなぜだか無償におかしくなった。
状況と人間関係をつかむ
笠原と茂木はと残をしている。疲れきった笠原をおいて茂木はずんずん先にいった。はらを立てながら笠原は峠についた。笠原と茂木の関係は打ち解けた友人のように思われる。
主人公の心情の変化をたどる。
1 拾うした笠原は茂木んおいていかれてどうしてくれようかと思った。疲れたのに無視されたようではらがったた
2 峠について茂木の声を聞くとはらだたしさはすうと消えていった茂木の声に怒りが消えていった
3 しかし笠原は意地になっていることを態度で示すために茂木の指ししだす水筒をてにしなかった。
間だ起こっている降りをしているだけ。
4 なぜか無償におかしくなったのはなぜか
笠原は親友の茂木を本当に起こっていたわけではなく疲労してイライラしていただけだった。向きになっている自分自身が滑稽に思えてきた。
このように作中人物の心情の変化とその下にんを念密に追いまた心情の対象となる人間茂木との関係をlかんがえ会わせる事で複雑な心情も推測出きるy。
解放とルール
1 もっとも他説なのは心情の変化のあとをたどることである。
一部抱け取り出しても正しく理解するのは難しい。
2 相手人事柄との関係や元々抱いていた感情と照らし合わせて考えることも重用だ。
3 どのような状況のしたでどのような出来事が起こっているのかそれとの関係で判断する上けよによって心情は変化する。