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プロローグ

私は可愛い。それはもう本当に可愛い。どれ位可愛いかって言えばクラス単位や学校単位どころか地域単位でちやほやされる位に可愛い。


幼稚園の頃にお友達の顔をお絵かきしましょうとあれば男の子のほぼ全員が私の顔を描きそれをプレゼントすると共に「ぼくのおよめさんになってください!」とプロポーズしてきたし、小学校に上がればかけっこやドッジボール等で私にとにかく良い所を見せようとみんな必死になった。

私に夢中になるのは幼稚園や学校内の男の子に留まらず、毎日通学路を歩くだけで持ち切れない程のお菓子を貰い運動会や学芸会では人気アイドルのコンサートばりに来客が訪れ会場は異様な熱気に包まれた。


しかしながら、可愛い可愛いと持て囃されるのをにこにこと受け入れていれば全てがオーケー毎日ハッピーであったのは小学生の頃までであった。

中学生になりますますその容姿に磨きをかけた私は当然の如くモテた。告白なんて日常の一部というかこれは挨拶の一種ですよね?男の子って告白しないと死んじゃうの?ってレベルでモテた。そしてそれと比例する様に女子からはめっちゃ嫌われた。何々ちゃんの好きな人に色目を使いやがってだの私の彼氏に手を出しただの身に覚えの無いいちゃもんを付けられまくった。物凄くめんどくさかった。


そんな日々を一年二年と過ごしあっという間に高校への進路をどうするか考える時期。このまま共学へ進んだとしてもこの中学生活の延長線になることは目に見えている。かといって女子高に進んでちやほや学園ライフが送れなくなるのも嫌だ。いっそ男子校にでも通えないかなぁそうしたら女子も男子も私もみんなハッピーなのにと考えていたところで神は私に微笑んだ。


私立藍川学園高等部。


元々は中高一貫制の男子校であったが、私が高校生になる年に高等部のみ共学化するらしい。イコール、女子は同級生のみ。この女子の先輩が居ないという状況が得られるというだけでも私にとっては他の学校より藍川学園の方が何十倍も魅力的に見える。単純に考えて他の共学に比べ女子は三分の一しか居ないし何よりセンパイという肩書きだけで偉ぶり絡んでくる輩が存在しないというのはそれだけでストレスが激減するに違いないからだ。この学校の存在を知った私は速攻で進路調査票の第一志望欄を埋めた。


藍川はそこそこの進学校であったものの、顔だけでなく頭脳の方もスバラシイ私は見事合格。そして入学式にて、私は自分が神様に愛されているという事を再認識した。なんと、女子の新入生が私一人だったのである!そんなバカなと思うかもしれないが、事実なので受け止めて欲しい。女子が普通の共学の三分の一どころかほぼ男子校状態というありさまに私は高校生活イージーモードを確信した。



比目桜子(ひめさくらこ)16歳。

本日私はひとりぼっちの高校生活二年目を迎えます。

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