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お~ば~ろ~ど・ミニマム  作者: トータス
誕生までのドタバタプロローグ?
8/56

リュートとプレアデス

こうなるのではないかと想像中。

 ナザリック地下大墳墓・第九層にて、不釣り合いな小さな人影がチョコマカと元気に走り回っている。

その存在を良く知る者達からは冷めた目で見守られている事の方が多い? 心情的には温かく(?)見守られている。

 あっちを覗き込み、こっちへ顔を出し、何かを捜している最中、目的のモノを見付けたようだ。


 目標を見定め、トタタタタトタトトタトッ! とぅっ! とばかりに駆け出し、その懐深くに飛び込んだ!

ズヌリ! とばかりに呑み込まれて行く。


 何事もなかったかのように何も変わらない様子。

それを見ていた者達も、ああまたか、といった様子で訳知り顔で微笑んでいる。笑わない相手の方が多いのだが、表には見えていないだけである?


 その子供を追い掛けるように、褐色の肌のメイドが一人、姿を現した。


「あれ? 居ないっす」

「・・・ルプー、どうかしたの?」


 その様子を訝しみながら尋ねた。


「あ、ソリュシャン。今、リュートと追いかけっこの最中で、見失ったみたいっす。こっちには来なかった?」

「・・・さぁ、私は見てないわよ」

「ふぅん、何処に逃げたのかなぁ?」


 と言いつつ、その視線はソリュシャンの胸元を凝視している。


「・・・何処を見ながら言ってるの?」


 隠すほどの事でも無いと、至って普通に対応するソリュシャン。


「んー、ソリュシャンは見て無いって事っすよね?」

「ええ、私は見てはいないけど?」

「何処に居るのかは、知ってるっすね?」

「・・・まぁ」


 その問い掛けを面と向かって受け止めるソリュシャン。


「どっこーにかっくれってるーのかなー? 匂いはココで途切れてるんっす、観念するっす!」


 と更にソリュシャンの胸元に顔を近付けて、その柔らかく深い谷間に向かって話しかけるルプスレギナ。

傍から見れば何をやっているんだと首を傾げたくもなるが、大真面目だ。


「えっと、ココにはもう居ないわよ?」

「えぇー、そんな事は・・・アレ? 他所から匂いがするっす!?」


 辺りを見回すと、ソリュシャンから尻尾の様に細長く伸びた躯が他所へと通じていた。


「あ! 逃がしたっす! 待てっす!」


 猛ダッシュで走り去る同僚の後ろ姿を見送るソリュシャン。


「ふふふ、嘘は吐いてないわよ」


 気配で察してはいたが、イキナリ中に飛び込んで来られるとは思いもしなかった。

それでもさほど驚かずに受け入れられたのだから、慣れたものである。



   ・・・   ・・・



「うぅーん、匂いだとこの辺に居る筈っす。あ、エントマ!」


 通路の向かいから見慣れた『顔』が姿を現した。

いつものメイド服とは違い、頭から暗色のローブの様なモノを纏いフヨフヨとした感じの足取でこちらへと向かって来る。

何時もとは全く違うのだが、特に気にせずに問い掛けた。


「リュート、見なかったっすか? 今追いかけっこしてて、見失ったっす!」


 そう問われ、ローブの一部が持ち上がり、来た道をスゥッと指し示した。


「ん、分かった、ありがとっす! 何処だ何処だぁ? 何処に隠れているっすかぁ?」


 あちこち見回しながらゆっくりと進むルプスレギナ。

だが、指し示したモノは、すぅうーとルプスレギナとは反対方向へと抜けていく。

その足元が僅かに宙を浮いている事以外は・・・。

そしてその後から続くモノが笑いを噛み殺している者や、表には出ていないが内心は苦笑している者以外は・・・。


 少し進み、何だか見覚えのある背中が蹲っているのを見付けた。

何だか隠れている様なのだが、全く隠れられている様には見えなかった。


「あ、れ? エントマ?」

「・・・」

「えっと、エントマ?」


 何かあったのかと思い、その肩に手を掛けた所、エントマの方から振り返った。


「バァァー!」

「ぎゃーっ!」

「・・・ヒッカカッタァー」


 若干嬉しそうにも見えるエントマ。


「び、ビックリしたっす!」


 そこにあるのはアラクノイドとしてのエントマの顔があった。

更に背後からはカサコソという音と共に、エントマのいつもの顔が地面を走って来た。


「ギャーッ!  !  って事は! グルだったっすね!」


 その光景に驚き、更には先ほどあったエントマらしきモノが誰だったのかに気が付いた。


「ウン」


 返事を返す頃には、その後ろ姿は小さくなっていた。



   ・・・   ・・・



「うぅー、一体どこに行ったんすか?」


 とそこへもう一人の仲間を見付けた。


「あ! シィーズゥー!」


 そう泣き付かれたシズ・デルタ。

この無表情で無情にも思える仲間は、意外な事にリュートを一番よく知る存在でもある。


「・・・・・・・・・どうかした?」

「聞いて欲しいっす! リュートと追い駆けっこしてたら、ソリュシャンには逃がされるし、エントマには騙されたし驚かされたっす!」

「・・・・・・・・・それで?」

「えっと、何処に居るのか教えて欲しいっす!」


 シズはチラリと時間とスケジュールを照らし合わせ、結論を出した。


「・・・・・・・・・今はユリ姉に捕まってるはず」

「へ?」

「・・・・・・・・・今、お昼寝の時間だから」

「あ、ああ!」



   ・・・   ・・・



 急ぎ、目的の部屋へと直行するルプスレギナ。

その部屋ではまだまだ遊び足りないモン! 眠くないモン! と抗議する子供をすっぽりと胸の内に納め、ゆっくりとあやしながら踊っている身体と、机の上で子守唄を朗々と歌う頭部。


 だが、柔らかな誘惑には抗い難いのか、徐々にその瞼は閉じられていく・・・。


 そして、不思議な町の夢を見る・・・。



   ・・・   ・・・



ナザリック地下大墳墓・地上・ログハウス


 今日はアインズ様がお帰りになるって! だからお出迎え!

あ! 帰ってきたみたい!


「アインズさまー、おーかーえーりーなさーい!」とばかりに駆け寄って抱きつこうとしたが・・・。


 リュートの両脇から手を入れ、ガッシリと捕まえるナーベラル。


「駄目です! 先ずは手を洗って来なさい。それに、今の様な御姿の時は、モモン様とお呼びなさい」


 さっきまでお絵かきをしていた為、手が煤だらけだった。キビシー!


「おお、ただいま」

「ただいまでござる!」


 微笑ましい出迎えが嬉しいのか、終始上機嫌なアインズ様。沢山の荷物をその背に積んだハム助。


「おかえりなさーい!」

「さあ、挨拶が出来たのなら手を洗いに行きましょう」


 そのまま抱えられ、中へ。

手を洗っても、お着替えしても、ずぅーっと抱えられたまま。


「ほぅら、お土産だぞ」

「アインズさま、ありがとー!」

「よかったわねぇ」


 ナーベラルのその声はリュートの頭上から、未だ抱えられている。

厳しい事を言う反面、一番可愛がり、構いたがるナーベラルであった。

ユリ・アルファ  優しいお姉ちゃん  ユイ姉様

 可愛い! 可愛い! 可愛い! 《大事な事なので三遍》

頭部を外し、身体は仕事をこなし、頭部で歌っていたりご本を読んであげていたり?


ユリに抱かれて見る夢は・・・ユリリリ!?

 気が付けば何故か深夜の池袋!?

 首の無いユリ・アルファと共に深夜の池袋を彷徨うリュート。

 静雄と出会い、寿司食イネエ、とサイモンから露西亜寿司で寿司を御馳走になるリュート。

 セルティはユリに新羅を取られまいと・・・戦力差を嘆いている?


 目覚めればすべては夢現。《思い付きです、在りません》


ルプスレギナ・ベータ  良く遊んでくれるお姉ちゃん  ルプ姉様

 可愛いっす! 可愛いっす! 超可愛いっす! 《大事な事なので三遍》

追い駆けっこしたり、お外へ連れて行ってくれたり。


ナーベラル・ガンマ  お土産をくれるお姉ちゃん  ナー姉様

 人間如きの血が混ざっているが、まぁ、ナザリックの大事な存在。

何気に一番可愛がっている。


シズ・デルタ  いっつも側にいて見守ってくれるお姉ちゃん  シズ姉様

 チョコチョコ、トテトテ、トコトコ、トタタタタッ! と目を離すと危険な所へ・・・目を離せない事から、良くスキルを使ってストーキング中。



次回 今日(の)不幸(モン)

(の)を外してお読みください。

苦手な方はお控えください。

それでも読まれる方は強者と思わせて頂きます。

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