ぎじゅつ・かてい? 【デミウルゴスの机上/いんてりあ】
デミウルゴスの執務室は多分、こんな感じかな?
残酷な描写がそこここに。ちょっことマイルドに修正しています。
枯れ木の悪魔=頭飾りの悪魔達のモデルは多分、これなんじゃないか? ってお話です。
後書きはこれでもかと盛りました。
デミウルゴスは常日頃は、ナザリック外への出張や外交に忙しく立ち働いている。なので、偶にナザリックへと帰還した際は、現在のようにナザリック外への持ち出しを憚られる案件を担当する者達で、執務机の前に列を作り立ち並ぶ。
近頃、デミウルゴスの執務室の机上には、【大小様々】な鉢に植えられた花が飾られている。それは、それまでには存在しなかった、考えられることすらなかった。
以前のデミウルゴスの執務室には、マジックアイテム【コンティニュアル・ライト/永続光】の灯りはさり気なく辺りを照らすのみ。薄暗くとも、蝋燭の灯りを主な照明としていた。暗視を標準として備えるデミウルゴス達、悪魔としてはそれで事足りていた。そこに不満も不足も誰も唱えるものが居なかったのであるからこそ。大小様々な青白く磨かれた燭台がそこかしこに並び、蝋燭の灯りでもって、そこに浮かぶ苦悶の表情を照らし出していた。
それが今では、マジックアイテム【コンティニュアル・ライト/永続光】本来の明るさに取って代わり、花やかな色とりどりの可憐な花が鮮やかに照らし出されている。
その鉢はデミウルゴスらしき【チョイス】なのだが、植えられたその花は可憐で、最上位悪魔たるデミウルゴスの執務室を飾るのには不似合いだという意見も多くあるのだが、頑なにそれを変えようとはしなかった。その強い匂いを悪魔が嫌っていることもあるが。
「さて、それはどうかな。そういっていられるのは、いつまでか」
部屋の主人たるデミウルゴスはただ、低く侮るように嗤うのみ。
・・・ ・・・ ・・・
「小父様、お水。持ってきた!」
執務室へ訪れたのは、小さなリュート。
「やあ、待っていたよ。ただ、今は仕事中だからね」
いつもなら、デミウルゴスが手ずから水やりを手伝う。だが、今は決裁すべき書類が軒を並べて列をなしている。デミウルゴスは立ち上がり、指をパチリと鳴らす。
「デミウルゴス様、お呼びでございますか」
「ああ、花に水を」
「左様でございましたか。でわ、お花に水を上げましょう」
リュートは現れたプルチネッラに抱えられ、ちょっとずつ、ちょっとずつ水を足し、高いところにある鉢をプルチネッラの長い手で取ってもらったり。
プルチネッラは鉢の【正面】に空いた【3つの穴】に指を引っ掛けて水平を意識しながらリュートの正面へと運ぶ。
その鉢は、天辺を取り払われた大小の差はあれど多種多様な髑髏。
そこから生えるは、真っ直ぐに伸びる茎を軸に、黄色やピンク、薄紅といった可憐な花を鈴生りに咲き誇る。花の形状が金魚に似た、アンテリナム。別名、金魚草。
執務室にはそれなりの数の鉢植えがある。中には既に開花を終え、枯れ掛けた鉢もあるが、それらはソファーの前にあるコーヒーテーブルへと運ばれる。
今、そのソファーには、一人の人間が腰掛けている。
ロウネ・ヴァミリネン。バハルス属国皇帝に差し出され、帝国からの各種手続きを一手に捌く。
その目は皿のように見開かれ、真っ赤に血走り、一言一句違えないように文字を追っている。
まるで、コーヒーテーブルに置かれた枯れた小花の鉢に目を向けないように。
それが、かつて皇帝の意に逆らい、アインズ・ウール・ゴウン魔導王国の事を、自分の都合の良いように解釈をした享楽貴族共の成れの果てだとしても。
その結果、仕事を仕事と思わぬ享楽貴族には手に負えない事態の末が、燭台であった。今ではさらなる転職を経て、植木鉢の鉢となっている者が多い。
其の者達の言い分は、「自分は役に立つ人間だから」「側に置いて頂けるだけで結構」「あの皇帝よりも役に立ってみせますよ」との言葉通り、それぞれを役立て必要とされるように凶逝苦を施した結果である。
かつては苦悶の表情を浮かべたままの人形を整形し、低温多湿の環境=第一層~第三層で蝋人形と化したものをそのまま燭台として再利用していた。だが、姿形ある者は何時か必ず壊れてしまう。不要なモノとなってしまう。プルチネッラは、その不用品を更に再生し、今ではデミウルゴスの執務室の机上を飾るインテリアの一部となる栄誉ある職業にまで磨き上げたのだから、本望であろうと常日頃語っている。
ただ、燭台だったものは・・・リュートが壊したとされている。
お部屋のお掃除のお手伝いする時に、派手に倒して壊した。
「だって、怖かったんだもん!」
リュートにとっては、暗くても【動いていれば】全然平気。ただ、暗い所で動かずにじっとしていられると文字通りビックリして倒して、ドミノ倒しにパキポキと・・・ナザリックでは死体は動いて侵入者を襲うのが【常識】だから。動かないのは極少数派。主にインテリア。
そもそも、ナザリックでは侵入者の死骸は即時リサイクル可能なように徹底管理されるため、リュートの目に留まる事自体がほぼ無い。
その壊れた【蝋人形】を手に、謝罪に来たリュートに対し、プルチネッラは悪魔で優しく語りかける。
「おお、たとえこの世にたった一つのモノであれど、姿形あるものわ、何時かわ壊れるが定め。リュート殿、クヨクヨされるのわ似合いません。壊れてしまったのわ、仕方がないことです。お怪我わありませんでしたか?」と、そっと抱きしめ、ぷるぷるとその身を震わせ、慰めたという。
燭台と植木鉢の作成は、主にプルチネッラ。
作成に際し、「もぉうぅ! 太っちゃったじゃなぃのぅ!」と文句を口にするニューロニスト。
ちゅぅう~、と吸い。ちゅぅう~、と燈芯を詰めて脂を注ぎ入れ、火を灯すと目の辺りがぼんやりと灯る。ただ、そのまま燃えてしまったものが多い失敗作だったとか。
ちなみに、金魚草の蔑称は【悪魔の花】。花が枯れ、種を包む莢が髑髏に似た形状のため。枯れた金魚草は、デミウルゴスの部下たちへの報奨にと望まれることが多いのだとか。
頭の鉢=こめかみ 頭骨で最も薄く脆い部分、眼窩の縁より上、眉の辺りを横切るように割りやすい・・・らしい。
そのため、主に【鉢】金で守られる。
頭の鉢を一周するように切り取られ、骨盃として用いられていたこともあるという。
さて、昔話をしよう。
昔々は、死後にその遺体を家具や道具の一部とする文化が、かつては実際にあったらしい。そこは、遺体が腐ることなく、いつまでも腐敗せずにそこに留まる環境下であったからこそ、そのような文化が派生したらしい。死後も共に寄り添うという意味で、様々に加工し遺すという文化。その後、価値観の異なる宗教の伝来により、その文化は邪悪と認定され、否定され弾圧されるに至ったという。
それでもなお根強く残ったものとして、咎人の死体から切り離した手を、今にも希望を掴まんとする形で硬直させ、そのままの形で屍蝋化させた燭台のことを、栄光を掴む手という。
その見た目のおどろおどろしさと、当時の時代については手に入りやすい事情も重なり、一般的なものとされていた時期もあったらしい。その後、発達した道徳や倫理の面から、異教の魔術具や悪魔召喚の為の道具と見なされ、弾圧する証拠対象とされた歴史がある。
価値観の違いは様々にあり、文化の違いもまた、様々にある。
とりあえずは、ぷるぷる・ぷるちねっら? はネタが尽きましたが、ちょこちょこ書いています。
次回は、ナニカ思い付いた時にでも途中更新します。
・・・そういえば、プルチネッラの首飾りって多分、釘抜きなのだろう。舌を引っこ抜くときの。
【おまけ】関連情報 プルチネッラ繋がりの汚仕事 話
ティトゥスの魔童書?【泉の女神様】つながりでなんとなく魔動式刃鎖鋸を開発したら、連想できちゃった諸々。
パンドラズ・シアターBOXでデミウルゴスがスポンサーとして出展する映画『敵切・刃鎖鋸』。主演:プルチネッラがPellis Vultus役(=革の顔)にて、汚 仕事で使用中。
内容
出会う敵=侵入者をひたすら真っ二つにしたり、下から上に切り上げて左右に大切断にしたり、切れ味が鈍っても無理矢理に押し付けてジワジワと一刀両断にするなど、酷使して刃鎖が滑て摩耗しきっていっても、ただひたすらに・・・
観客兼殺陣=侵入者役は随時募集中。
報酬は、どんな端役でも絶対に尺(=時間)を取っての一面出演の確約、更にはその後の終身出演雇用契約付きと、他に類を見ない超絶豪華待遇=ナザリック基準。
要は、キャッチコピー
「ナザリックに骨身から魂に至るまで、侵略者諸君の全てをこのナザリックに捧げてもらうよ」 (【宣伝映画】)
プルチネッラの次回出演作は、ナザリック公開名『エ・ランテル以外のナイトメア』=エ・ランテル以外で夜な夜な繰り広げられている悪夢の宴。一般公式名『悪漢達の悪夢』A Nightmare on Evil Guys.
キャッチコピー
「キミが眠るのなら、そのまま生皮を剥ぎに行くよ」(【実録映画】)
『ぷるちねっら・ぷれぃ』=ナザリック【限定】で人気の【悪魔人形】=Diabolique Muñecaが繰り広げる【Títeres=人形劇】。R指定ホラー映画。
良心的な 魔DOLL=1/3Scale モデル:ぷるちねっら。
キャッチコピー
「パン切り包丁を手にした『ぷるちねっら 』がアナタを襲う」(【抱腹絶倒映画】=ナザリック基準)
ナザリック意訳=腹を抱えて倒れても、ひたすらに撫で斬り
=真っ赤~真っ青な達磨さんになっても七転び八起き。
なお、お子様には刺激が強いとのデミウルゴスの判定により、R指定=リュートにはまだまだ早いでしょう、という謎の公式判定。もっとスゴイのが当たり前にゴロゴロしていたりするのだが、この判定はアインズによって堅く支持されている。
・・・なんてものを【妄想・連想】しています。
ただ、作ったとしても、多分、公開はできないかな~と。
まず、残酷描写がOKでも、全年齢では流石に出せないと思われる。
今は、妄想と連想を掻き立てるのみ。
なお、これら一切はただの戯言であり、実在するアレヤコレヤとは関係はありません。ただの妄想です。