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お~ば~ろ~ど・ミニマム  作者: トータス
めめんと・もり!
35/56

なざりっく魅食鬼行? 二品目 氷菓:黄金の林檎 ソリューション・クッキング

なんとな~く出来ました。


お菓子い、ナザリックの鍛冶長・(仮称)沙羅曼荼羅(サラマンダラ)が関わる話にする筈だったのに?

 黄金の林檎。それは、かつては不老長寿の薬の材料の一つとして挙げられていた、究極の食材。


 一つ食すれば、若さが取り戻せる。と言わしめられたほどの、貴重な品。


 それが今や、ナザリック地下大墳墓・第六層にて、たわわに実っている。


「マーレ、行くよ~!」

「ま、待ってよ。お姉ちゃん!」


 たわわに実った黄金の林檎の樹に、身軽に登頂したアウラと、樹の根元でマント(・・・)を広げて待ち構えるマーレ。

 断じて、スカートではない。アウラであれば、ほど良く投げ込める、受け止められる。だが、一つ二つではないので、今回はマントである。


「アウ()姉~! なげて~!」

「いっくよ~!」


 ぶち、ぽい! ブチブチ、ポイポイ!


「わっ! わわっ!」


 咄嗟に投げ込まれた黄金の林檎をマントで受け止めては、リュートが持つ籠にゴロゴロと転がし入れる。

 程なく籠が一杯になると、「お姉ちゃん、もう良いよ~!」


「とうっ!」 スチャッ! と樹から飛び降りるアウラ。

「こんなに沢山あるけど、食べ切れるかな?」


 リュートがすっぽり収まってしまうほど大きな籠に山盛りにされた黄金の林檎。


「んっとね、ママ(ソリュシャン)がね、冷たくておいし~の、作ってくれるって!」

「へぇー、どんなのかな?」

「ど、どんなのだろ?」

「出来たら持ってくるね!」

「うん、楽しみに待ってるからね~」

「うん、待ってる」


 アウラとマーレに見送られ、第六層を後にしたリュート。



   ・・・   ・・・   ・・・



ナザリック地下大墳墓・第五層


「ママ~! 黄金の林檎(マンダリン)、もらって来た~!」

「はい、お疲れ様」


 ソリュシャンはリュートから籠を受け取ると、両手で軽々と持ち上げると、ざらざらと深い谷間(・・・・)に流しいれた。

 あっという間に一つ残らず、谷間に呑み込まれた黄金の林檎。

 アレだけあったというのに、もはや影も形もない。


 ソリュシャンはその場で瞑目したまま数分、立ち尽した。


 じっとしているかと思いきや、突如として腰を回し始め、ウネウネと【蕩ける踊り】を踊り出したソリュシャン。まさに、男性を蕩かす(なま)めかしい動きで、踊り続ける。

 リュートもそれに合わせて、ぴょんピョコぴょこピョンと、好きなように踊り出す。

 大人を蕩かす踊りでも、子供なリュートには未だ何だかよく分からない?


 リュートが踊り疲れた頃(=約30分)、ソリュシャンは処女雪(ヴァージンスノー)の雪原に手を入れては、何かを置き、少し離してはまた手を入れ、と繰り返して行く。


 全てを並べ終わったと思しき頃、リュートは汗を掻いて冷えて来たのか、ソリュシャンの胸元から顔を出していた。


「これで一晩待ったら、出来上がりよ」

「え~、まだ食べられないの?」

「ええ、明日のお楽しみ」



   ・・・   ・・・   ・・・



 翌日、コキュートス配下の雪女郎(フロストヴァージン)達がお散歩したのか、休憩したのか、辺り一面が雪深く、真っ白になっていた。

 当然、埋めた時に付けた目印なんてモノは雪の下に埋もれたわけで、どこに何があるのかなんて、皆目見当がつかなくなった。


 ドコだどこだと宝探しの様に掘り返してはみるものの、中々に【当たり】が見つからない。

 兎にも角にも、捜す手立てを増やすしかない。そんなわけで、ルプスレギナと、エクレアが連れて来られた。


「え~っと、ここ掘れわんわん」


 ルプスレギナがごわっと〈ブロウアップフレイム/吹き上がる炎〉で大まかに雪を溶かす。雪が溶けて表面が硬くなったら、エクレアがその氷の上を滑りながら「ここですぞ! ここもですぞ! こっちもですぞ!」と違和感があった所に(フリッパー)を突き立てて印を残す。

 その印が付いた所を、リュートが|《暴食》で掘り返すと、そこには冷たくなった皮の無い蜜柑(マンダリン)が次々に姿を現した。


「あった~!」



   ・・・   ・・・   ・・・



ナザリック地下大墳墓・第六層


「アウア姉、マーエ兄。はい、これ!」

「わっ! つめた~!」

「冷たいけど、美味しいね。お姉ちゃん」


 丸ごと一個口に入れたアウラは、余りの冷たさにビックリ!

 割って、一房ずつ食べているマーレは、ん~! という具合に冷たさを楽しんでいる。


「うん、甘くて冷たくておいしい!」

「えっと、これって冷凍ミカン?」

「ん~ん、ミカンじゃないの。ムカンだって、言ってた」

「あ~、剥かん(・・・)で食べられるからか~」

「え、そうなの!?」




【ムカンは実在します】

 多分、ですが。この工程は、みかんの缶詰を作る際の工程とほぼ同じ。

 ミカンを丸のまま、皮ごと酸で処理【=溶解(ソリューション)】してふやけた皮を取り除き、薄皮を残したまま、ジックリと冷凍したものと思われる。

 缶詰の場合は、更に薄皮の房ごと再度、酸で処理して薄皮だけを溶かす事でバラバラにしたものを、シロップに漬けて密閉。


黄金の林檎=蜜柑(みかん)

 蜜柑は、今でこそ極当たり前に手に入るが、かつては超が付くほどの高級品。今でこそ栽培方法が普及し、在って当たり前になったが、かつては同じ大きさの黄金と引き換えにされるほどだったとか。

 リンゴは知られていたが、蜜柑は当時は名前すらなかったので、【黄金の林檎】と称えられていたのだとか。

豆知識

 ミカンを剥いた時に出てくる白い筋、アレって【アルべド】というらしい。



 私も名前だけは見た事があるが、実物がどんなものかは知りません。

 キオスクで「むかん」あります。という張り紙があったので、その時はなんだろ? なんだろ? とおもいつつ、先を急いでいたので確かめなかったが、後々思い返してじっくり考えてみると、どうやら冷凍のモノらしい。

 さらには、給食のデザートで冷凍ミカンが出た時、皮が剥き辛いなぁ~と、そこでムカンの事を思い出し、多分剥かれた冷凍ミカンなのではないかなと。



次怪・ど三一目は、デミウルゴスは天使を食す。

 天使にまつわる贖罪・・・いやいや、食材です。多分。

 それか、かつてそれを人々に食べさせたことで、実際に一時は死刑宣告~何十年も服役を強いられたといわれる悪の素材。

 或いは、悪魔を食す。狂気と言わしめられた、数々の食材。


 【年齢制限はありません】ですが、体質によっては・・・アウトと成り得るモノも。

 宗教的にも、禁忌=タブーとされるモノではありません。・・・多分、私が知る限りは、ね。


 あ、【年齢制限】はありました。0歳~6歳位? 或いはもう少し上でも、注意が必要だったはず! 実際に人が死ぬ事もある食材デス。

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