ナザリックの【福利厚生】 一応、水着回だよ?
連想通りな物となりました。
想像は・・・越えられませんでした。orz
燦々と照りつける太陽と白い砂浜に碧い海。
ここは、アインズ・ウール・ゴウン魔導王国のプライベートアイランド。通称:代虚島。別名:邪悪なる島、在る様で無い、無い様で在る小島。
「ふっ、これが充足というやつか。・・・ブループラネットさんがこの景色を見たとしたら、なんて言うだろう」
一人、海に浮かべたビーチマットに寝そべるアインズは、サングラスに腰巻姿、その白い骨身を太陽に曝している。
アインズの傍に侍るのは、何時もと変わらぬ姿のセバスが、腰まで海に浸かった状態でアインズにパラソルを掲げている。濡れてしまうのだから、もっとラフな格好にしてはどうかとは言ったものの、頑なに執事服である。
アウラはリュートと一緒にキラーホエールに跨り、飛んだり跳ねたりと楽しそうである。
時折、近くを周回する度に、こちらに手を振ってきたりするので、振り返して見ていたが、楽しそうな様子だ。
少し離れた白い浜辺に目を向ければ、ビーチバレーに勤しむシャルティア対アルべドの姿も見える。大いに楽しんでいる様で、それはそれで眼福である。
シャルティアは一見すると、何時もとさほど変わらぬ様に見えるが、赤い首元までを覆うアメスリ風のワンピース水着にフリルをふんだんにあしらったパニエ風の巻きスカート。
だが、シャルティアは・・・心配だ。なんだ、あの胸の揺れ様は! 毀れるんじゃないのか?
・・・あ~、ペロロンチーノさんが夢見たものなのか・・・な?
「・・・ぺロロンチーノさんが見たら、なんて言うだろうか」
アルべドに関しては、最初はどんな格好をするのかと心配だったものの、【一見したところ】は常識の範囲に収まっていて安心した。
対するアルべドは上下別のフワフワとした【黒い羽毛】のベアトップを白いリボンで抑えて、下は白いビキニ姿。まっさらな白い肌と、対照的な黒のコントラスト。見る者が見れば、胸だけを隠している様にも見え、背徳感を異様に擽られる。・・・のだろうが、不死者となった今はさほど動揺するほどではない。
「・・・タブラさんはギャップ萌えだったけど、この辺りは常識的だったのかな?」
中々に白熱している様で時折、砂浜の所々が赤く染まっているのが気には成るが、【西瓜割り】でもしていたのだろう。
=お互いにボールを打ち合い、隣り合った相手の陣地の【的】を全て潰す【的当て】ゲーム。
ボールを防げなかったら、埋められた【的】が断末魔の叫びがあがる前に潰れている。
その試合を遠目に観戦していると、二人は見られている事を意識してか、超展開を見せている。
主に、アタックやレシーブ、更にはブロックする度に衝撃が吹き荒れ、砂塵が撒き散らされることでその場に居合わせた者達の身を文字通りに削っていく。
結局は、お互いに熱くなり過ぎて死合となりつつあったが、スコアが同時に尽きた為、ビーチバレーは引き分けに終わった・・・筈だ。おい、何を勝手に延長戦を始めようとしている。それはバレーボールじゃない、【音改´製】攻撃用アイテムだぞ!
次の瞬間、赤く染まった砂浜から≪・・・ぼんっ!≫とキノコ雲が上がり、ダブルノックアウト。
・・・ ・・・ ・・・
ビーチバレー観戦を終え、さっと浜辺を見渡した所、ブルキニを纏ったユリと、海女装束のエントマは浜辺にパラソルを立て、その影で砂を小山の様に盛り上げたそれで、城らしきものを作ってみたりしているようだ。そう言えば、エントマの頭上には三角帽子が見えるな。仲は良いのだろう。
ナーベラルは黒のベアトップ風ハイレグワンピースを身に纏い、極彩色なドリンクを手に、ビーチチェアに寝そべっている。
ルプスレギナはビキニ姿で骨付き肉に被り付いていた。
ふと、残る二人の姿が見えないのに気付き、セバスに声を掛けた。
「セバス、ソリュシャンとシズは如何している? 共に来たのだから居る筈だが・・・」
セバスが辺りを見回し、見付けたようだ。
「は、今は周囲を散策している様です」
「そうか、どの辺りだ?」
アインズも辺りを見回すも、それらしい姿は見つからない。
「・・・丁度、近くの辺りに居る様ですので、招集いたしましょうか」
「そうだな、楽しんでいるかを聞いておこうか」
セバスがどこへともなく手を大きく振るうと、穏やかな波の音と共に、ざばぁっと、潜水マスクを身に付けたソリュシャンが現れ、後を追う様に満丸いナニカがその横にぷかりと浮かび上がった。
「アインズ様、お呼びと伺いました」
「・・・・・・・・・・・・アインズ様、綺麗なモノが一杯」
ソリュシャンはダイビングスーツか? ピッタリしたのが好みか。シズは種族的に水中に関しては重装備が求められるんだな。
ソリュシャンは、網を手に何かを捕まえて居たみたいだな。
それにしても、普段は抑楊の乏しかったシズは何時もと比べて随分、感情豊かになっていないか?
よく見ると、シズの片手には何か棒状の・・・
シズはその視線に気が付いたのか、ササッと後ろ手に隠してしまった。
「楽しそうだな、二人とも」
「はい」「・・・・・・・・・・・・はい、可愛いモノ一杯です」
ちなみに、ソリュシャンはエビやカニや貝を、シズは小魚に餌付けが出来てご満悦。
今度は桟橋に目をやれば、コキュートスが海面から突き出た氷柱を削り取って作った即席のカマクラに籠り、入口から釣竿を突き出して釣を楽しんでいる。時折、別の手に持つ銛を投げ付けてはサメを引き上げたり。
その側でデミウルゴスも真っ赤なベストを身に付け、赤褌姿で釣竿を手に釣りをしている。
マーレは・・・カマクラの中でダウンジャケットを羽織り、アイスを齧りながら同じく釣り糸を垂らし、釣を楽しんでいる風に〔見える〕。
何か釣れていると良いなと思って見ていると、マーレの持つ竿が大きく弓なりに反りかえった。
「・・・えっ!? え!? えぇっ!?」
何気に一番驚いているマーレを他所に、竿はぐいぐい海に引き摺りこまれている!
「おっ! 何か掛ったようだな」
「そのようです」
その引きの具合から、大物が掛ったのだろうと予想するアインズとセバス。
「ナ、ナンデ!? どうして!?」
マーレとしては、釣れる筈の無い釣針 に掛ったのは・・・一体何!? と一番驚いている。
「マーレ、しっかり竿を掴んで、引くんだ」
「時間ハカカルガ、ココカラガ勝負ノ時」
マーレの事を気にしつつ、お互いにまだ大した釣果が出ない事を気にしているデミウルゴスとコキュートス。お互いの生簀には、それぞれ溢れんばかりに一杯に入っているが、納得出来る《《大きさ》》には至っていない様だ。アインズ様にお披露目出来るサイズ=主クラスでないと、納得出来ないらしい。それ以外のモノは文字通りの雑魚と思っている。
更にぐいぐいと、海へと引く力の衰えない姿見えざるマーレの釣果。
あわや、自分はこのまま海に引き摺りこまれてしまうのか? とマーレは考えている。でも、ここまで来たなら、自分もやっぱり男の子だから釣り上げて見たい!
筋力的には魔法職であるため華奢だが、男の娘意地で釣り上げようとしている。
「んぬ !」
そこへ、海から上がった濡れそぼったアウラがとととっと、現れ「ど~ん!」
「 ぇえっ?」とマーレを海に突き落とした!? 「お、お姉ちゃん!?」
海に落ちてあっぷあっぷと慌てるマーレを、「あはははは!」とさもおかしそうに笑うアウラは、マーレが手離した竿を掴むと、振り上げた! その釣り糸の先には、小さな海竜と思しき首が見え、マーレの方へと向かってくる!
「マーレ! 水上歩行!」
「う、うん! ≪水上歩行/ウォーター・ウォーキング≫!」
咄嗟に自分と、姉の意図は判らずとも迫り来る海竜に向けて掛けた。
すると、海竜の首が一つ増え、更に一つ。世にも珍しい三つ首らしい・・・と思っていたら、三つ目の首が更に大きなダイアバラクーダの頭を咥えているらしい。
【Dire=「ものすごい、悲惨な、恐ろしい」の意。】
完全に水から上がった三つ首の海竜? は二足歩行で海面を歩き始め、左右二つの首でも持ち切れないほど大きな大きなバラクーダの頭部を掲げ、「殺った~!」とかわいらしい声を上げた。
明らかに、人間サイズのモノで有れば、喰い千切り、丸呑み出来そうな10mオーバーの怪魚が、びったんびったん尾びれを振るって暴れているが、その小さな身体はビクともしない。
「・・・負けだな」
「ソノヨウダナ」
デミウルゴスとコキュートスが珍しく素直に負けを認めている。
「はっはっはっ! その装備はどうだ?」
「アインズ様! 獲った!」
真ん中の口がカパリと大きく開き、満面の笑みを浮かべたリュートの顔が覗いている。
その後、デミウルゴスがその場で生きたままのバラクーダを鋭利な断爪で捌き、大まかに切り分けつつ、寄生虫などを考慮してコキュートスが急〔息〕冷凍して行く。
デミウルゴスは調理スキルは無いが、どんな生き物でも《《生きた状態》》で有れば、解体する術を活かせる。なので、活け造なんかは得意 。あとは、釜茹でとか丸焼き?
・・・ ・・・ ・・・
日が傾き、潮が満ちて来たのを確かめると、アインズは言った。
「さて、そろそろ引き上げるとするか」
「では、浜へ移動いたします」
「頼んだ」
自分で進むのも良いが、如何にも骨の身だと水の抵抗が少なくて思う様には進まない。だからセバスに付いていて貰ったわけだ。
謹厳実直な姿を保ったまま、セバスがアインズの乗るビーチマットを浜辺の方へと押し始めると、あっという間に浜の浅瀬に到達した。
さきほどまで居た所は、到底足が届かない深みだったが、ここまでくれば自分の足で歩けるだろう。
「セバス、ここまでで良い。あとは自分で歩くとしよう」
「は、承知いたしました」
足を海へおろし、足元の感触を確かめて歩き出す。
ああ、ブルー・プラネットさんが言いたかった事は、こんな事だったんだろうな、なんて事を考えながら、日が沈む水平線を見ようと振り返り・・・目を疑った。
「・・・セ、セバス?」
無い筈の目玉が転がり落ちるんじゃないかと思ったほど、驚いた。
「アインズ様、いかがなされましたか」
そこには、燕尾服を纏う上半身と、黒のブーメランから伸びるムキムキツルツルの脚を曝け出すセバスの姿があった。
「その格好は・・・」
「は、流石に泳ぎ辛かったもので」
ついさっきまで立ち泳ぎで仕えていてくれたからな・・・と思わなくもなかった。
・・・ ・・・ ・・・
この島は、この世界のどこにも無く、どこにでも存在し得る。ナザリックのメンバーの遺産の一つ。
元々は、ブループラネットと死獣天朱雀が趣味の箱庭を課金拡張し続けたアイテム。
それが転移によって、フレーバーテキスト通りの効果を発揮している事に今更ながら気が付いたのだ。
今では、ナザリックを空ける事無くバカンスを楽しむために活用している。
そのアイテム名は、環境再現型シミュレーター:地球瓶。
地球と同等のサイズとしたい所ではあるが、まめに手入れをしないと荒廃したり、原初に返ってしまう。なので、幾つかの瓶は・・・環境設定に失敗して荒廃したりした火星瓶などが有る。
それらは、現在デミウルゴスやパンドラズ・アクターが実験場として用いていたりしている。
・・・ ・・・ ・・・
【各々の装束説明】
ユリ =全身水着 日光対策
イスラム教徒の女性が着用する事を前提として考案された、顔と手足の先しか【露出しない】身体との密着を抑えめにした水着の事。
ナーベ =ベアトップハイレグワンピース =byバニースーツ風
ルプー =ブラジリアン・ビキニ
ソリュシャン =《《ウェット》》スーツ
エントマ =海女装束 =海には入らない アメンボを使役して水蜘蛛
シズ =【ゴツイ】潜水服に【しず△】と書かれたワッペン
アルべド =〈黒い羽毛〉のベアトップにリボン帯&白の紐ビキニ。
【ベアトップ】 =要は、胸元までを覆う肩紐の無いコルセット風。
手ブラならぬ〈羽〉ブラ
いざ、アインズと二人きりになったなら・・・…誘惑する気満々である。
アインズの指がリボンに触れた瞬間、トラップは発動する!
アインズ以外の指が触れた場合、様々な意味で血の花が咲く?
シャルティア =アメスリワンピース/ラッシュ・ガードにフリフリのパニエ
【アメスリ】 =胸元から首までを覆うTypeの総称。
【ラッシュ・ガード】 =主にダイビング、サーフィンやジェットスキーなどのマリンスポーツ時に、【日焼け防止(紫外線防止)】や、すり傷、クラゲ等の有害生物からの保護、保温などを目的とした子供から大人まで使う上半身用のウェアの事。
アウラ =セパレートType タンクトップにボーイレッグ、ラッシュ・ガード
メイド達 =メイド服
ツアレ =セバス様以外の男性に肌を晒すのはまだ、と着古した普段着姿。
男性陣
アインズ =腰巻 【ビーチマット】
セバス =執事服(下半身ブーメラン) 【銀盆】
デミウルゴス =赤褌+赤メッシュベスト・・・血染め 【釣竿】
マーレ =タンクトップ+ホットパンツ+ウィンドブレイカー 【釣竿】
コキュートス =日傘100% 日差しが〈キツイ〉 【釣竿】【銛】【冷却箱】
リュート =双竜甲兵ドラゴネット
重装甲、各種耐性万端 両手が竜頭の手袋。
【物理】砲戦仕様。楯は取り込まれ、盾前掛け化。要は、にゃんこなアップリケの付いた腹掛け?
金砕棒は・・・角笛?に転化 物理衝撃波=咆哮
【外見】 三つ首竜風
エクレア =エクレア99% 1%=蝶ネクタイ
盤外編
五大最悪のバカンス?
恐怖公
・・・岩場にて、新たな眷族をと勧誘中。
ニューロニスト
・・・海底でヒトデビキニを纏い、ヴィーナス風にお化けシャコ貝の中からアインズが来るのを今か今かと視姦していた・・・が、クラーケンやダゴンから求婚されまくって、お相手の足を千切っては投げ、千切っては投げしている。
触手の檻
・・・潮溜まりにて、拷問の悪魔達と触手責めについて 談義中。
・・・菜種、或いは菜の花 を してはならない。
餓食狐蟲王
・・・コキュートスからお裾分けで貰った海の幸=鯛に舌鼓。
性格最悪
・・・テントを張って、ふおぉ ! とCP薄い本を作成中・・・?
【CP】 =組み合わせの略
触手の檻の個体名称:NATANEは、個人的な連想で有ります。
ただし、実際にそう呼ばれるモノであり、ある語学検定では一級の扱いとなるそうです。
公式に調べた事実を述べたまでの事なので・・・実に何とも言い難い。
詳細は『カクヨム』にて『実は、それは・・・そんなバナナ!?』の『意外な英語』にて。
現在、触手の檻に関連する怖話
触手の檻の製作者=ペロロンチーノ・・・ではなかった!?
密伝『死獣天朱雀の大博打!?』を作成中・・・嘘々