こ・こ…ロ?
コップの水はもうあふれてた…………。
知らない間に表面張力なんて効かないほどにドバドバと……………。
コップから溢れて水は止まる事はなかった………………。
けれど僕が背中を向けもう一度コップの方に振り向くとコップからドバドバと溢れかえっていた水は一滴足りとも残らず鮮やかに僕の目の前から消えた。
僕の目の前にはただ何も入っていないただの硝子のコップが淋しくたたずんでいた。
僕は自分の目を疑った。
「これはもしかしたら夢なのだろうか?」と………。
自身の心に言い聞かせながら空のコップをただただ見つめる事しか僕には出来なかった…………。
そうしてその硝子コップにもう二度溢れるほどの水が注ぎ込まれることはなくなった………。
少年は硝子のコップに背中を向け立ち去った。
いく年が流れ又少年はまたあのコップに運命かのように引き寄せられ巡り合わせられた。
少年はコップに向かいまっすぐ歩くように近づいた。
コップは幾年経っても依然として空のままだったので安心し少年が帰ろうとコップに背を向けると妙なゴボッっという何かが底から溢れ出す音と何かが底から出て来る音が少年の背中から聞こえてきた…。
恐る恐る少年が背中の方を振り向けど人的な気配はせず硝子のコップに先ほどまでは溢れていなかった水が溢れだしていただけだった……………。
が、しばらくすると透明な水がだんだんと赤い血の色に染まっていった……………。
その血はやがて少年を飲み込むように足元に流れてきた…………。
その血は誰の血かなんてわからない………もちろん。
けれど飲み込まれれば飲み込まれるほど僕はこの血が愛しくなってしまう………………。
そうか、僕は……
感情か。