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養殖天然の彼女  作者: 天川
大学生活編
13/26

彼女と進路

相変わらず、私は面倒くさいことが嫌いだ。

けれど、早稲泉と久田條二と出会い、今まで築き上げた関係を壊すようなことはしないことを決めた。

それで相手が悲しむのは、私が嫌だと気づいたからだ。


そう、結局私は自分勝手で、自己中心的な人間なのだろう。

けれど、それについてなんて思われようが、構わない。

私は私だ。

こういう生き方しか知らない。

私は、面倒くさいことが大嫌いな、けれど全てを捨てきれない、面倒な人間なのだ。



私達は高校を卒業後、大学に進学した。

元々私は大学に行ってまで勉強したいことも、行きたいとも思ってもいなかった。

けれど、親がどうしても行けと口うるさく言うものだから、私は早々に根負けして大学に行くための準備を早稲泉達と進めたのだ。

鬱々とした長い冬を三人で越え、私達の受験はやっと終わりを迎えた。

結果として、早稲泉は専門学校へ、久田條二は青山学院大学に進学した。

私はどこでもよかったので、偏差値がそこそこの、都心に近い大学に進学することにした。

それぞれが別々の道に進むことになり、当然住む場所も変わる。

会う機会もグッと減り、きっとお互いに知らないことが増えていくのだろう。

だからだろうか、


「メールするからね!面倒くさがらず、ちゃんと返してね!」


涙目の彼女に、そう何度も釘を刺される。

寂しくなるのは一人暮らしを始めた、まだまだ先のことだろうに、彼女は既に寂しそうに眉を潜め、顔を歪めていた。

私はそんな彼女にうんざりとしながら何度も頷き返す。

結局私たちはそんな感じなままで高校生活は終わりを告げた。


そして私の最悪な大学生活が始まったのである。


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