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前に出ない悪役令嬢が、気づいたら領地を再生していました ~これは王宮の陰謀であり、私の試験らしいです~ ルナラブ領地試験編  作者: 月影 すずり


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8/13

第8話 王宮が報告書を読んだ結果、会議が壊れました

 王宮・中央会議室。


 朝から、

 空気が重かった。


 理由は一つ――

 一通の報告書である。


◆ 問題の報告書


「……読んだか?」


 重臣の一人が、

 低い声で言った。


「王宮管理官・

 エドガー・ルーヴェンの

 報告だ」


 全員、

 すでに読んでいる。


 だからこそ、

 沈黙していた。


◆ 書いてあること(要約)


・命令を出すと現場が止まる

・命令を出さないと現場が回る

・領主は何もしていない

・管理官も何もしない方が成果が出た


 ――以上。


◆ 最初に壊れたのは、理論


「……意味が

 分からん」


「統治とは

 命令だろう?」


「管理官が

 “管理しない”

 とは何だ?」


 机を叩く音。


(それな)


◆ 二人目が壊れる


「待て」


 別の重臣が

 慌てて言った。


「つまりこれは――」


「誰も責任を

 取っていないのに

 成果が出ている

 ということか?」


 全員、

 一斉に顔を上げた。


(それは

 まずい)


◆ 王宮で一番怖い言葉


「……前例が

 ない」


 その一言で、

 空気がさらに

 冷える。


 前例がない。

 =

 評価できない。

 処理できない。

 責任を押し付けられない。


(最悪)


◆ 管理官を送った側の焦り


「誰だ」


「彼女を

 僻地に

 送ると

 決めたのは」


 視線が、

 じわりと

 一人に集まる。


「……試験の

 つもりだった」


「ここまで

 想定外とは……」


◆ 王太子、静かに刺す


「だから、

 言いました」


 王太子レオンハルトが、

 淡々と告げる。


「彼女は

 “命令で

 動く人間”

 ではない」


「整えるだけで、

 結果が出る」


 重臣の一人が

 苛立つ。


「それは

 王宮向きではない!」


◆ 王宮的に最悪な評価


「……危険だ」


 誰かが、

 ぽつりと

 言った。


「統治しているのに

 していないように

 見える」


「支配していないのに

 影響力がある」


「しかも、

 本人に

 その自覚がない」


(最悪の

 タイプ)


◆ 結論は一つ


「……放置は

 できない」


「だが、

 下手に

 触ると

 崩れる」


「ならば――」


 議長が、

 ゆっくり言った。


「別の角度から

 揺さぶれ」


◆ 新たな方針(不穏)


「管理では

 なく」


「人材だ」


「彼女の

 周囲を

 切り崩す」


「――特に」


 視線が、

 報告書の

 別の行に

 止まる。


『白ローブの少女マリア

現場調整に

大きく寄与』


◆ 王宮魔法局、動く


「……聖女候補か?」


「王宮の

 管轄だな」


「領地に

 置いておく

 理由はない」


 王太子の表情が、

 一瞬だけ

 硬くなる。


◆ その頃、領地では(対比)


「……今日は

 空気が

 いいですね」


 マリアが

 のんびり言う。


「ええ」


 私は、

 帳簿を閉じた。


(嵐の前の

 静けさ)


◆ 王宮の誤算・その8


 王宮は、

 こう判断した。


「本人が

 動かないなら、

 周囲を

 動かせばいい」


 だが――


 その“周囲”は、

 すでに

 自律している。


◆ 本文に直結した“引き”


 王宮魔法局の書類に、

 赤い判が押された。


《対象:マリア

 王宮召喚を検討》


 その知らせは、

 数日後――

 領地へ届く。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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