第2話 税を止めたら人が増えました。試験中なのに
翌朝。
私は、
嫌な予感で目を覚ました。
(前世の経験上、
こういう日は
だいたい
ろくなことが起きない)
◆ 代官の第一声が重い
「……お嬢様」
代官が、
やけに真剣な顔で
立っていた。
「人が、
増えています」
(え?)
◆ 人口は減るものでは?
「昨日、
人口三百名でしたよね?」
「はい」
「今朝は?」
代官は、
なぜか
視線を逸らした。
「……三百二十一名です」
(増えてる)
(初日で?)
◆ 増えた理由①:徴税停止
門の近く。
「本当に
税、取られないのか?」
「昨日も
何も言われなかったぞ」
「……住めるんじゃ?」
(噂が
広がるの、
早すぎる)
◆ 増えた理由②:仕事が勝手に生える
半壊の倉庫前。
「この柱、
直せば
使えるな」
「木材、
余ってるぞ」
(……誰の指示?)
(出してない)
◆ 代官、理解が追いつかない
「お嬢様」
「この動きは……」
「意図的、
なのでしょうか?」
私は、
即答した。
「いえ」
「偶然です」
(前世基準で言えば
本当に)
◆ 新キャラ①:仕事が速すぎる補佐
「お嬢様!」
元気よく現れたのは、
代官補佐の
セリス。
「不要業務、
二十七件
停止しました!」
(もう?)
「“昔からあるだけ”の
仕事です!」
(あるある)
◆ 新キャラ②:流れてきた商人
「失礼します」
落ち着いた中年男性が
一礼した。
「商人の
ギルバートと申します」
「“税が軽く、
口出しの少ない領地”
と聞きまして」
(誰が
そんなキャッチコピーを)
◆ そして――想定外の人物
その時、
門の外で
控えめな声。
「……あの」
振り向くと、
白いローブの少女。
「ここ、
“休める領地”だと
聞いたのですが……」
(休める、
が売りに
なってる)
◆ マリア、登場
「……マリア?」
思わず
名前が出た。
彼女は
目を見開く。
「……ルナリア様?」
(学園以来)
(再会場所、
草原)
◆ マリアの事情(簡潔)
「王宮の治療院で
手伝っていたんですが……」
「“一度、
現場を見てきなさい”
と」
(それ、
名目上の
左遷では?)
◆ 王宮は“見ている”
私は、
内心でため息。
(やっぱり)
(この領地、
完全に
観察対象)
マリアが来たのも、
偶然じゃない。
◆ マリア、即仕事モード
「……魔力の流れ、
荒れてますね」
(もう見てる)
「少し、
整えても?」
(もう触ってる)
◆ ルナリアの立場
(なるほど)
(私は
“何もしない”
方針)
(マリアは
“整える”)
(王宮は
“観察する”)
……構図、
最悪では?
◆ 王宮の誤算・その2
王宮は、
こう考えている。
「孤立すれば、
彼女は
動けまい」
だが現実は。
人が勝手に集まり、
役割が勝手に埋まり、
しかも全員、
有能寄り。
◆ ルナリアの本音
夜。
マリアと
並んで座りながら
空を見る。
「……ねえ」
「これ、
試験よね」
マリアは
小さく笑った。
「たぶん」
「でも、
壊れない試験なら
受けてもいいかなって」
(同意)
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