第10話 王宮魔法局はマリアを測定しようとして、測定されました
王宮魔法局。
白い壁。
高い天井。
やたら多い水晶。
マリアは、
その中央に立っていた。
(落ち着かない……)
◆ 魔法局の第一印象
「では、
魔力量測定から始めよう」
白衣の魔法官が、
淡々と言う。
「力を
解放してください」
「はい」
マリアは、
素直に
うなずいた。
◆ 数値、壊れる
水晶が光る。
一瞬、
沈黙。
「……おかしいな」
魔法官が
眉をひそめる。
「もう一度」
再測定。
水晶、
ひび。
(え)
◆ 魔法局、ざわつく
「測定器を
替えろ!」
「記録班、
準備!」
「いや待て、
彼女は
発動していない!」
マリアは、
慌てて言った。
「すみません、
抑えてます」
(抑えてる!?)
◆ 魔法局の想定
彼らが
欲しかったのは、
・派手
・強力
・管理可能
つまり、
分かりやすい力。
◆ マリアの現実
「……彼女の魔法は」
年配の魔法官が
低く言う。
「周囲を
整えている」
「治癒でも
攻撃でもない」
「場の安定化だ」
(何それ)
(教科書に
ない)
◆ 尋問(本人は自覚なし)
「これは
いつから?」
「……ええと」
「気づいたら
です」
(最悪の答え)
「誰に
教わった?」
「……誰にも」
(最悪×2)
◆ 魔法局、混乱する
「制御法は?」
「考えたこと
ありません」
「再現は?」
「……他の人が
同じことを
すると
疲れます」
(再現不能)
◆ 魔法局の結論(暫定)
「……聖女?」
「いや、
違う」
「聖女は
“癒す”」
「彼女は――」
誰かが、
ぽつりと
言った。
「壊れないように
している」
全員、
黙った。
◆ 魔法局的に最悪なタイプ
・数値化できない
・教本にない
・管理できない
・本人に自覚がない
(扱えない)
◆ 報告書(王宮用)
魔法局長は、
重く筆を取る。
「対象マリアの魔法は
現行体系に
該当せず」
「強制管理は
不可能」
「周囲環境への
影響が
大きい」
書き終え、
深く息を吐いた。
(また
面倒な案件)
◆ 王宮側の誤算・その10
王宮は、
こう思っていた。
「補佐役を
評価すれば、
切り分けられる」
だが現実は。
切り分けられなかった。
しかも。
“領地が安定している理由”が
マリア単体では
説明できない。
◆ 同時刻、領地では(対比)
「……今日も
問題なし」
代官が
帳簿を閉じる。
「マリアさんが
いなくても
回ってますね」
私は、
小さく頷いた。
「ええ」
(王宮、
困ってるでしょうね)
◆
王宮魔法局の会議室。
最後に、
局長が言った。
「……結論だ」
「彼女を
一人で
評価するのは
無理だ」
「――領主ごと
見なければならん」
その視線の先には、
ルナリア・ヴァレンティーナ
の名があった。
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