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死にたい少年

作者: バズ

自分にひが無いのに

受け続けた苦痛から

逃れるのは果たして

良いことなのか?

高二の夏、僕は今から死ぬ

町の近くのこの森の中で

首を吊って。

手頃な木にロープをかけ

最終確認、

ロープはしっかりかかってる、

遺書はポケットの中

後はロープを首にかけ

飛び降りるだけ、

(あ、その前に睡眠薬飲まないと…)

薬を口に含もうとしたとき

目の前にこっちを見上げている

女の子がいるのに気づいた。

年は同じくらい、

近所の人も滅多に立ち入らない

この森に何で?

そんなことを考えていると。

「貴方何で死のうとしてるの?」

「か・関係ないだろ」

「大方いじめを苦にってとこでしょ?」

鋭い…。

「そんで人生さっさと終わらせて

次の人生にかけるって感じ?」

いちいち鋭いな。

「そんな無駄な事やめときなさいって」

「無駄?」

「貴方、前世の記憶ってある?」

「いや、無いけど」

「じゃあ来世の貴方だって

今世の記憶は無いよね?

結果を知ることが出来ない

賭けなんて賭けにならないから

無駄でしょ? 」

「確かに」

たとえ来世で大成功を収めても

今世の僕にはそれを知る術は無い。

「それに貴方をいじめてる奴らは

人ひとり死に追いやったのに

のうのうと自分の人生を生きるんだよ

悔しくないの?」

「それは…」

「ある女の子が貴方みたいに

いじめが原因で自殺したの」

急に何の話だ?

「でもいじめてた連中は反省どころか

その子の死なんて"ゲームが終わった"

ぐらいにしか思ってなかったのよ」

酷いな…

「そう話している

3人の後を付けてたら

ちょうどトラックが

走って来たから

その子はコンクリートブロックを

道路に置いたの」

え?

「そしたらトラックが3人の方に

突っ込んで行って

3人仲良くぺしゃんこwww」

「いや、それ犯罪だろ!」

そう言うと彼女は笑った。

「自分の仇を取っただけよ、

それにもう私は"こっち"の法では

裁かれないもの」

あれ?あの子なんか透けてる…?

あらためてよく見ても

やっぱり透けている……

「ま、まさか君は…幽霊?」

「さあ、死ぬなら早くして

一緒に行くために待って

貰ってるんだから」

「待つ?」

彼女の隣にマント姿の人物が現れた

その姿はまるで死神。

「き、君は僕をとめに

来たんじゃないのか?」

「私としてはどっちでもいいけど

偶然貴方がこの森に入るのを見て、

踏み台とか持ってるし

もしかしたら

死ぬ気なんじゃないかなって思って、

どうせなら一緒に行こうと思ったの」

足が震えた

目の前に現れた本物の死に恐怖した、

さっきまでしっかり固まってた

自殺の決意も消え去った。

「わぁぁぁぁぁぁ!」

ロープを外し踏み台から飛び降り

なりふり構わず逃げ出した、

森を抜け町を駆け抜け

自分家に駆け込んだ

「はぁはぁ、助かった…のか?」

自分の部屋に行こう

今日の事を忘れたい

あれは夢だ悪い夢

リビングでお母さんがテレビを見てた

『本日午後3時半県道○号線で

女子高校生3人がトラックに

押しつぶされて亡くなりました

3人は下校中………』

あの話と同じ……

じゃあ犯人はあの子……

否応無しにあれが現実だったと

突きつけられた。

………死ぬのはやめよう

他の方法であいつらに対抗しよう

そう決めた。


ーその頃森ではー

「行っちゃった」

「もういいか?」

「ええお願いします」

「3人を殺した罪、

現世では裁かれなくても

冥府ではそうはいかないぞ」

「彼を助けた分

差し引いて貰えないの?」

「それは閻魔様次第だ」

死神と少女の霊は空に登っていき

溶けるように消えていった。


死んで辛いことから逃げるのは

本人が楽になるだけで

何も解決しない

いじめた連中は

このことを忘れて生きるのか

何も罰を受けずに

その後の人生を笑って生きるかもしれない

自分が居なくなった後の世界を考えること

それが自殺を思いとどまる方法かもしれません

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