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エピローグ

やあ。

すー、はー。大丈夫だよね?緊張するなぁ。ここはこーで、ここは…あぁ!もう起きちゃう!最後のチェック、チェックっと……

 

 ―――声が、聞こえる。

 ――「起き…チェ……」

 変な起こし方だなぁ。そう思いながら、目を開く。


 「こんにちは。いやはじめまして、だっけ。ようこそ?僕はね、僕はね、なんと!みゃみさま…みにゃ!噛んじゃったぁ…」

目の前の少女が挨拶する。何度も言い直している。かわいい。9…いやギリギリ10歳くらいの見た目だろうか。背丈は小さく、発する声も幼い。かわいい。そんなことより、俺は…誰だ?名前が思い出せない。そして何より…俺は確か、死んだ?死んだのか?確か腹を刃物で刺されて…どうした?学校の帰り道で妹を庇って、じゃあここはどこだ?もし刺されて死んだなら、ここは―――


 

「コホン、僕は神様!ええと、ええと、君は死にました!それでね、君は生き返ります!」

言っている意味がわからない。死んで、そして生き返る?どういうことだ?

溢れる情報量に頭が痛くなる。

「えっとね、イセカイテンセイ?するのっ!」

なるほど、つまり元の世界で死んだ俺は異世界に転生する、そういう意味か。なるほど。

「ん…そうそう!何か欲しいものを何でも一つ持っていけるの!何を持っていきたいー?」

次はそう来たか、神様よ。

「そうきたの!」

――俺、今の声に出してたか?待て、待てよ。仮にもこいつは神様だ。俺がこれまでに読んできたラノベやアニメの情報からすると、こういう存在ってだいたい思考を読む能力を備えている。そういうことか。なるほどエロいことを考えてなくてよかった。思考の奥底ではこの少女を一瞬いろんなヒドイことをしている妄想もしてはいたが、表に出してなくてよかった。うん。よかった。

「その、ね。エッチなことは、だめなの…」

ごめん。ごめんって。そんないたいけな瞳で俺を見ないでくれ。恥ずか死ぬ。

「それで、何を持っていきたいの…?」

そうだ、その質問だったか。異世界モノの物語を知り尽くす俺は知っている。ここで異世界で使えるスマートフォンなどを要求しても異世界でチートをするだけでなにも面白くない。だからこういう質問をされた時の俺の答えは決まっている。そう、俺は―――



「初めてのお仕事、お疲れ様でした。シャルターテ様。」

「おつかれっ!あと、いつもだけど様は取ってって言ってるでしょ!キャロちゃん。」

キャロちゃん、とは私のことだ。亜神キャルキャット、どこにでもいる神見習いだ。そんな私はこの人、神界列十五番シャルターテ様の下に就いている。

「しかしですね――」

「しかしじゃないの!いいです?うぅ…これは『命令』。いいよと言うまで貴方はキャルキャットじゃなくてキャロちゃん。キャロちゃんです!そして僕のこともシャルと呼ぶように!」

『命令』。人間の世界でも同じように、それは必ず遂行しなければならないというもの。特に私みたいな亜神はね。界列持ちの神には、逆らうことが出来ないのである。人間界の言葉で言えば、『上司』だろうか。……そんなことはさておき、今は『命令』だ。されたからには遂行しなければならない。だから私は仕方なく返事する。

「はい。わかりましたよ。シャル様。」「うっ…」

シャルターテが声を漏らす。シャルからしてみれば、キャロは親友であり、上や下はない。そのためか、様という言葉に違和感を覚えたのだろう。

「できれば、学校のときみたいにしたいんだけど…」

「それは難しいですね」

「そっかぁ……」

誰かが見たら続く

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