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クラス分け




 ネノカダムで生活して、1週間が経過した。

 授業になんとか追いつきながら、自由時間にヘルミーナたちと交流して、残りの時間でピラと一緒に自主学習をし続けていた。


 なかなか忙しいが、着実とコネができたり実力が増すのを実感できる……悪くない生活だった。

 そんな生活にもそろそろ慣れ始めていた頃に、1時限目の先生が1年生全員にこう言った。


「これよりテストを開始する!授業に出た内容しか出ないが、しっかり考えて回答するように!」


 テスト、それも1週間ピッタリに。おそらくこのテストは、クラス分けのための実力テストだろう。

 ……だがまあ、そうだとしても俺にできることはテストを頑張ることだけだ。それ以外はない。


「テストのルールは、他の生徒を妨害しないこと!それだけだ。では、テスト用紙を配るぞ~。」


 ……?……!?思っていたのと……なんか違う……!

 他の生徒を妨害しなければ、ルール無用なのか!?


「……先生!相談とかしていいですか!?」


「他の生徒の邪魔をしなければ、問題ないぞ。」


 ……テスト用紙が配られて、テストが始まった。

 生徒は相談し合ったり、自力で解いたり、各々テスト中とは思えないほど自由に動いていた。


 そう思っている俺でさえも、先生が見回りをしている前でテストの難しい部分をピラに任せていた。

 これではテストの意味がない気がするが、だったらなぜ成績でクラス分けが決まるんだ?


 100問あるから、相談してもテスト時間を消費しすぎるからとか?だが時間は結構長めだし……。

 何より普通に解答を見せ合えば爆速で情報共有ができるし、このテスト……成績に関係がないとか?


 ……とりあえず、テスト用紙は全部記入できた。一応縦読みや暗号を探したが、何もなかった。

 本当に何もない……テストの内容は難しかったが、それだけだった。先生の顔色もわからない……。


 魔眼を使えばわかるかもしれないが、あまり魔眼は緊急時以外に公の場で使いたくないしな……。

 ……テスト用紙に隠しテストがあるとか?


【道具/テスト用紙


テストのための解答用紙。

指定の魔道具に投入することで、即座にテストの結果がわかるようにできている。】


 ……だめだ、さっぱりだ。そうこうしているうちにテストの時間が終わり、紙が回収されてしまう。

 そして回収された紙は先生の隣に置いてある箱の中に、全部束のまましまわれた……のだが。


 ……箱が突然『ピピピッ!ガーッ、ガッガッガッ!』とプリンターみたいな音を出し始めた。

 そしてその10秒後に音が止まり、箱が開いた。


「……よし、結果が出たぞ!最下位から呼ぶので、心してプリントを受け取りに来るように!」


 早い!もうテストの結果が出たのか!この超高速採点は、流石最先端の設備といったところか。

 そして、早速この場で点数が確認できると。俺がはたして何点なのか、少しドキドキし……ないな。


「33点、ヨヨ・ワスギ!……33点、ナナ・シジャック!……34点、チャック・シギンコ!」


 他の生徒の成績は、おおよそ30点前後で団子になっているようだ。思ったよりも低いな?

 相談やカンニングありなら、平均点数がかなり上がると思ったのだが……不思議だ。


「47点、セージ・テジコン!……49点、ハルトハルト・ケウオ!……49点、リリー!」


 庶民なのに王家と同点のやつがいるので、忖度もなさそうだ。じゃあ普通に難しいテストなのか?

 ……いつ俺の名前は呼ばれるんだ?


「51点、カリス・ロマノア!……66点、トキマリ・セガイラヤ!……75点、ヘルミーナ・エズゴジク!」


 一気に点が飛んだな、だとしたら俺はかなり高得点なのか?おおよそピラのおかげではあるが……。


「85点、ジョレーヌ・クヤァク!……93点、テリン・ガメネイ!……100点満点、アルベルトフォンス・ネハンピ!……以上が今回のテストの結果だ!」


 満点か、これならAクラスは確実か?今回のテストで成績が決まるならの場合だが……いや。


 ……どうやらAクラスは確実のようだ、テストの紙にデカデカとAって書いてある。これでもしクラス分けに関係ないとか言われたら、キレるよ。


「では各自、紙に書いてあるクラスの教室に移動するように!ちなみに、ここがCクラスだからな!」


 よし、Aクラスだ!早速Aクラス教室に行くとしよう、どんな機材があるのかが楽しみだ。

 正直に言ってしまえば、ここの最新の機材とやらが楽しみでこの学校に通っているまである。


 我先にと教室に入り、早速教室を見渡す。……ふむ。一見した程度では、すごそうな機材は見当たらなかった。だが一見した程度では、だ。


 この何の変哲もない机……若干だが、魔力が流れている。魔眼で見ることができなければ、この魔力には気付かなかったかもしれないほど微弱だが。


 そして椅子にも魔力が流れていて、黒板にも魔力が流れている。……全て、魔道具のようだ。

 自動修復や自動清浄などの機能が備わっていて、その上で他の機能……座り心地強化などがあった。


 だがそんなことよりも驚いたのが、実はこの教室そのものが大きな魔道具だということだ。

 自動系機能は当然ながら、特定の位置に設置した魔道具に魔力を充填する機能などがあるようだ。


 さながらワイヤレス充電器のように、そしてほぼ常時魔力を注げるとは……かなり興味深い!

 どれ、鑑定でこの教室自体を調べて……!


「おっほん!……アルベルトフォンスさん、教室に来た時間は1番乗りのようですが……そろそろ授業ですので、席に座ってくださいませんか?」


「おっと、これは失礼しました。」


 いけないいけない、ついわくわくしてずっと魔道具を眺めてしまった。これでは変人だ。

 とりあえず席について……おお!この椅子と机、座った人物に合わせて伸縮する機能があるのか!


 どうやら脚全体ではなく、滑り止めを被せている接地面が伸びるようにできているようだ。

 見落としていたな、やはり魔眼だけではなく鑑定も交えて調べなければ情報に穴ができてしまう。


「……皆さん、はじめまして。私がAクラスの担任のテレイン・ケルサと申します。Aクラスでは上位成績の生徒さん方が集まっていますので、ご自身のペースに合わせてステップアップできるように休み時間が多くなっています。しかし努力を怠らず、自ら目標を設定していただけますようお願い申し上げます。そして私たち教師はその目標設定や達成を、心身を尽くしてお手伝いいたしますので……何かしらの質問を思い立った場合や行き詰まりを感じた際には、ぜひお伝えください。」


 見るからに真面目!って感じの、お硬い雰囲気の先生だ。校長並みに長い挨拶をかましてきた。

 ……じゃあ、早速質問してみるか。えーっと、確か右手を上げればいいんだっけな?


「……アルベルトフォンスさん、どうぞ。」


「はい。先程受けたテストですが、あのテストだけでクラス分けが決定されたのですか?」


「いいえ。テストが判断基準の大半ではありますが、素行不良の方は低成績とみなされます。」


 それもそうだ。不良グループがインテリを裏で脅してテストで高得点を得て、それだけでAクラスの枠を取られたらたまったものじゃないな。

 ……相談ありのテストだったしな。


「もう1つ質問を……相談ありのテストをメインに、クラス分けを決めてしまっても良いのですか?」


「ええ。人を頼れたり、道具をうまく使いこなすことができるのもその生徒さんの実力ですので。」


「なるほど、ありがとうございます。」


 前世の学校は、あくまでもその個人だけで実力をテストしていたが……流石異世界、考え方が違う。

 貴族などは人を動かす特権階級、よく考えれば学者や社会人とは受ける授業が違って当然だ。


 所詮は金で入れる学校だと侮っていたが、初日の授業の難解さといい……王国1の名は伊達じゃない。

 伊達な部分もあるだろうけど、俺の予想以上にしっかりした学校だったのは嬉しいところだ。


 ……よし、授業に集中するか。

 これまで以上に難しい授業が始まると考えたら、油断は一切できない。俺は授業に、ついていくことは多分できるだろうとは思うが……。


 魔道具の研究のためにも成績は落とせない、むしろハイスコアを狙って……頑張るとするか!




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