俺が死ぬまで
第1話は見る必要がない内容です。
第1話は主人公の性格がなんで悪いのかを描写するための話です。
なお第1話は現代が舞台でありながら、リアリティがあまりございません。
「おい田中ァ!また契約取れなかったのか!こんな簡単な仕事、子供だって出来るぞ!」
「ヒィッ!す、すみません!」
今日も部長に怒鳴られる。
俺は平謝りする事しか出来ずにいた。
「またあのハゲ怒られてるwww」
「もー、可哀想でしょwww」
周りの同僚も、こそこそと笑っている。
俺が三十路なのに仕事の出来ないチビデブハゲだから、皆心の底から見下しているのだ。
「テメェら笑ってんじゃねぇぞ!仕事しろ!」
部長が怒鳴り、周りが静かになる。
空気は地獄だが、この空気にも慣れた。
空気よりも仕事に慣れたいが、無理だった。
俺の8年間は、部長に怒られてばかりだ。
「全く最近のは、根性無しばかりだ!おい田中ァ!ボサッとしてないで残業しろ!」
部長に怒鳴られ、俺はデスクに向かってパソコンを弄る。よく分からない資料を、これまたよく分からないまま弄る。
……今日弄っている資料が売り上げに関する物なのは分かるが、正直何をすればいいか分からない。
新人研修も適当にやらされたしな。
そして皆帰ったオフィスで仕事をし、帰りに自分以外のタイムカードを代わりに押す。
俺の分は、俺がデスクに向かう前に部長が押して帰った。ブラック企業ってやつだな。
明日は今日適当に弄った資料を部長に、『これくらい分かるだろ!』以外言ってくれない説教をされると思うと憂鬱だ。分かんないんだって。
疲れ果てた俺がフラフラ歩いていると、トラックが目の前に迫って来た。
判断力が低いなりにも慌てて避けて、でもそのトラックは普通に道路を走っていて。
そもそも俺道路に居かったし。でもまあ轢かれなくって良かった、そう思っていたら。
俺はそのまま特に関係のない車に轢かれた。