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直し屋 1日のスタート

大まかに流れは決まってるけど繋げるのって

大変ですね。話の繋ぎが美しい人本当しゅごい


直し屋の朝は早い。そりゃもう早い。

鍋から魔道具まで何でもござれな直し屋の1日は

バーバラの指定の不用品置き場の確認から先ずは始まる。


ここでまだ直せるか、直せないかをしっかりと見極め直せないものは処分する。


日や季節によってまちまちではあるが、量が多い時は

大変だ。何度かに分けて家まで運ばなければならない。

雨の日や雪の日なんかも辛い。しかし【直し屋 バーバラ】の名前を受け継いでいる以上やらねばならんのだ。

これは意地であり、矜持なのだ。


そんなわけで今日も不用品置き場を確認したのだが、今日は不作の様で持って帰れるものはなにもなかった。


悲しい。スポンジの町の人はばぁちゃんに感化されたせいか、やたらに物を大切にする様になってしまっている。良い事なのだが、直しの注文も中々入ってこないで商売屋としたら辛いったらない。こんな1日のスタートはテンションも下がる。


家に戻り、店を開ける準備に取り掛かる。と言ってもやる事はそうない。掃除と直しの依頼を受けた物を引き渡す為に最終点検をするくらいだ。


それが終われば朝飯を食べて、依頼人が来るまで拾った物をひたすら直す。


これが直し屋の一日。



「自分に浸るのも宜しいですが、早く朝食を食べて下さいまし」



「たまには浸っても良いじゃない」


マリーがジト目と言うと可愛すぎる圧倒的強者の眼力で俺の方を見ていた。本人は自覚が無いんだろうけど、、


マリーが俺の家にやっかいになってから3ヶ月ほど経った。心配していた侯爵家の追っての気配も未だに無いので、最近はリラックスした状態で生活している様に見える。 この町に住んだ当初は言葉遣いを庶民風にしたり所作もガサツな感じに見せたりと別の意味で苦労した。


「どうしてわたくしが、この様なみっともない言葉と動きをしなければ、、、」


「仕方ないだろ?顔だけで貴族オーラ出ちゃってるんだから動きまで貴族だとすぐ噂になるぞ」


「グスンですわ」


「スーパードリルが可愛こぶってもてもなぁ」


「ギルティですわ」


ズバン


「やまB?/なまなWjぶらっ」



そうして3ヶ月という長い日々を費やしてマリーは無事に

顔がやたら良いだけの庶民になれたのであった。俺たちの仲も良好だ。容赦ない所もあるがマリーは一緒にいてそれなりに愉快なやつであった。言葉遣いの方は若干問題がなくもないのだが、それは今は良いだろう。

今日も飯が美味い!



「なんでしょう、隙あらば回想に入るのやめてもらってもよろしくて?」


「変なツッコミするのおやめなさい」


「そんな事より今日はどうしますの?修理の受け取りも今日はサンサンさんのクワくらいですけど、また趣味の拾い物でもするのですか?それとも直しの訓練でも?」



マリーと軽口を叩き合いながら今日のことを考える。

昨日にサンサンさんのクワを完璧に直したので、今日は鍛冶系は良いだろう。繊細だが、基本力仕事の為に結構得意なのだ。それなら魔力玉(魔道具のコア)か裁縫か、、、?どうしようか?



「なぁ、どっちが良いと思う?」



「心の中の質問を投げかけるのはおやめなさい。そうですわね、裁縫が良いんじゃなくて?私の服もほつれが出てきてしまっていますし。直して下さいまし」


裁縫か、、。マリーの服はレベル高いから上手く直せるだろうか?いやまて、自分で聞いておいてなんだがどうして答えられたの?こわい!!


「私くらいの令嬢になればあなたの心くらい読めて当然ですのよ?」


「ひぃ!」


これからマリーの前で考え事するのは辞めとこう。

万が一変なこと考えてるときに心を読まれでもしたら鉄拳制裁待ったなしだ。


「それじゃあ今日はマリーの服のほつれを頑張って直すとするかな。服は店のカウンターに出しておいて。受付しながら作業するから」


「わかりましたわ。わたくし今日は町内会の集まりがありますのでそちらの方に顔を出します。午後には戻るかとおもいますわ」


「そっか。もう無いと思うけど、丁寧な言葉に美しい所作の令嬢ムーブするんじゃないぞ」


「あまり私を無礼たらいけませんわよ」


「そうかい? あと、修理代ちょうだいね」


「お金とりますの!?」



当然である。商売たるものただ働きは極力しないぜ。

なぁに、友人料で安くしときますよ。ぐへへへ

そうして今日も変わらず直し屋の1日が始まったのであった。




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