初めての女友達
短い話を短い期間に多く上げれたらと思います
俺は訓練が終わってから、ある場所へと向かった。おそらく城内でも知ってる人はわずかであろう場所。そこで一人ゆっくりと過ごすのが日課となっていた。
しかし今日は先客がいた。
「・・・・・・姫さん?」
こちらが声をかけると相手も驚いたように振り向いた。
「あなたは確か・・・調理師の・・・・・・驚きました。ここに私以外の人が来るなんて」
「こっちもだ。まさか姫さんがいるとはな」
そう言うと姫さんは目を丸くした。
「どうした?」
「いえ、王様以外でタメ口で話されるのは初めてだなと」
一国の王女ともなればそうなんだろう。それはそれで窮屈そうだな。
「嫌だったか?」
彼女は照れたように言う。
「いえ、どちらかと言えば嬉しい・・・ですかね。今まで友達と呼べるような人はいませんでしたので」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。
「だから、私の、その、友達になってくれませんかっ」
そんな覚悟決めたような顔で言わなくても・・・・・・
「俺でよければ」
その瞬間、姫さんが花の咲いたような笑みを浮かべる。
「私のことはどうぞアリスとお呼びくださいっ!私もあなたのことは・・・・・・あなたの・・・・・・・・・えっと、お名前・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
両者の間に気まずい沈黙が流れる。
「真央って呼んでくれれば」
「それじゃあマオちゃんって呼びますね!」
・・・・・・・・・ん?
「いやー初めてですよ、同世代の女の子と普通に話したの!」
・・・・・・・・・・・・・・・おい
「これからよろしくお願いしますねっ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
すぅぅぅ
「俺は男だああぁぁぁぁぁっっっ」
二人しかいない庭に俺の虚しい叫び声が響き渡った。