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 それからの対応は早く自分の病室に戻ってからも慌ただしい日々が続いた。


 インターフェースもポッドからダイブする俺専用の埋め込み式である。


 専用……厨二精神がくすぐられる響きである。厨二の時期は来てないというか通信教育しか受けてないし、仕様も他の人と大差ないと断言されてしまったが。


 新しいポッドも届いた外見はゴテゴテと大分変わっていたが、内装は緩衝ジェルが薄緑から薄橙になった以外変化は無かった。説明によるとダイブ中はこの緩衝ジェルが機能食も兼ねているようで、補給を怠らなければ半永久的にダイブ出来るらしい。


 衛生面を考えると不安だが深く考えないようにしてる。


 そんなこんなで準備が整った。しばらくは戻って来ないつもりなので立花先生に挨拶をする。


『じゃあ、達者で』


「縁起でも無い……行ってきます。」


「--ダイブ」




 強烈な光に包まれ、気付くと草原のど真ん中に寝ていた。


周囲を見渡しても何もなく完全なる平地だ。


『ダイブ完了、チュートリアルを開始致します。』


 その声に振り向くと中空に黒い光?矛盾しているようだが拳大の大きさのそれが浮かんでいた。


『私はプレイヤーのサポートAI個別名称を設定されますか?』


「んー、じゃあクロで」


『その個体名は使用されています』


 なん……だと?紆余曲折の上、同じ意味のヘイとなった。


「でさ、御覧の有り様でさ。しばらく体を動かす練習をしたいんだけど……」


 体を動かすのはほぼ初めてと言っても過言でも無い俺は情けない話だが起き上がれず、先ほどチャレンジした影響で尻をつきだした体制である。


『はい、問題ありません。アラームを設定されますか?』


「いや、大丈夫大丈夫」


 結論から言うと大丈夫では無かった。


 始めは準備体操から始め、起立、ランニングとステップアップしたのだが、高いであろう身体能力とヘイの隠された機能を知り、歯止めが利かなくなった。


 ヘイはインターネット接続機能とこのチュートリアル空間限定ではあるがとオブジェクトが自由に設定出来る機能を備えていたのだ。


 何でも出来る身体能力でパルクールや器械体操、一通りの武術や体術を学んだ。


 まぁテキストと動画ベースなので自己流も極まりない無茶苦茶なものであろうが。


 極めつけは跳躍である。生まれる前のSF映画でビルからビルに飛び移るという描写があったのだが、再現出来たのだ。周辺環境の問題で崖を谷を作ってもらうのが精一杯であったが。


 数えるのも面倒になったころ漸く達成出来た。


『田中さん、おめでとうございます。』


「ありがとう、ヘイ」


 もうヘイとはマブである。


『田中さん、次は何やります?』


「うーん、どれくらい経ったっけ?ダイブから」


『ダイブ完了から15日2時間31分です。現実ベースの実働時間でいうと一月弱といったところでしょうか』


「おう……出遅れてるやん」 


『はい、出遅れてますね。最前線は2つ目の町に到達した所です。』


「そか……進めよ」


『了解です。次は種族選択になります。次の中から選択下さい。』


 そう言って選択肢と共にアバター例が表示された。


・ヒューマ:普人種。偏り無い成長特性と装備特性を持つ。(推奨)

・エルフ:樹人種。優れた魔法特性を持ち、レンジャーとして優れた適正を誇る。成長特性は+INT,DEX,AGL。-HP,VIT,STR。装備特性は軽装備。(推奨)

・ドワーフ:土人種。頑健な肉体を誇る、見た目に似合わぬ器用さも特徴。成長特性は+VIT,DEX,STR。-AGL,INT。装備特性は重装備。(非推奨)

・ライカン:獣人種。優れた身体能力を誇るが、魔法適正は皆無。成長特性は+STR,DEX,AGL。-INT。装備特性は軽装備。(推奨)

・マガラ:巨人種。無機質により構成された巨人、見た目通りの頑健な肉体を誇るが、適正によっては魔法も過不足なく使える。成長特性は+VIT。-AGL。装備特性は重装備。(非推奨)


「……なぁ、ヘイ。聞きたいことが一杯あるんだが」


『はい、どうぞ』


「最後の推奨って何だ?あと、成長特性の略称ってあれか?」


『推奨に関しては、種族ごとにある程度体格が決まってしまいます。余りに現実と解離してしまうと通常プレイさえ困難になります。なので、体格差が20cmを超える可能性を持つ種族に関しては非推奨としています。が決してマイナス補正等は掛からないのでハンデを負う覚悟さえあれば無くはない選択肢ですね。』


『略称についてはパロメーターを指してます。HP=生命力、STR=筋力、AGL=敏捷さ、DEX=器用さ、VIT=頑健さを表しています。』


「MPとかMENってないの?」


『後述の説明にもかかってきますが、ありません。この世界では魔法や武技は精霊の助けの基に発動します。なのでMENは熟練度、MPはまぁ集中力やらその場にいる精霊の総量やらに相当しますね』


「後述ってことは、現状は流してても大丈夫?」


『はい、スキル説明時に説明します』


「了解。ありがとう、ヘイ」


『いえいえ』


 ふむ、となると無難にヒューマでいいか。


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