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北条時宗が「北の3代目に」

時宗:

「あれから800有余年の月日が流れ、

改めて元からの国書を読み返してみて思ったことなのでありますが

『俺フビライ。

 今度、中国大陸全土を支配したんだけど

 日本からの使者がまだ来て居ないんだ。

 一度、こっち来いよ。

 たんまり土産渡すからさ』

この内容を読んだ私は何故

使者を斬り捨ててしまったのでありましょうか……。

……謎であります……。」


「改めましてこんにちは。」

「鎌倉幕府8代執権。北条時宗です。」

「私。時宗

と言いますと

二度に渡る台風により

元軍を退けることに成功するも

その後の論功行賞が上手くいかず

鎌倉幕府衰退への道筋を付けた執権として

教科書に取り上げられているのでありますが」


「今の日本の価値感からしますと

別に元と喧嘩せず。

異民族王朝でありましても

中国大陸の覇者であることを認め。

日本から使者を派遣しさえすれば

多くの見返りを得ることが出来るにも関わらず

何故私は、

あのような戦いに舵を切ったのでありましょうか。

別に私。時宗の権力が脅かされていたわけでも無いのに……。」


「その理由の1つが

当時の日本は

遣唐使廃止以来の

『鎖国』

ないし

『積極的孤立主義』政策を採用していた。

清盛の時代に中国との交渉を復活させたことがあったのではありましたが

それも清盛の天下が終わると共に終焉し、

以後100年に渡りまして

中国大陸との交渉が途絶えていたところに

舞いこんで来ましたのが

元からの使者でありました。」


「怖いもの知らずの思いっきりの良さ

とでも言うのでありましょうか。

勢いに任せ突っぱね続けました結果が

あの元寇でありまして

(……法難とか叫んでいるのもいましたが

少なくとも国内を乱れさせる原因を作ったのは私では無く、

法難と叫んでいる彼ら。

後発が故の哀しさから

世が乱れでもしないことには

信徒を増やすこともママならないでありましょうから

過激な発言。パフォーマンスを展開することになるのは

ある意味仕方び無いことなのではありましたが

……予言を的中させることになってしまったのは

私の不徳の致すところであります。)」


「(……幸い?)

と言うのかな。

元は元々内陸国でありますので

自前の水軍を持っていなかったため

舟戦を得意とはしていなかったことに加えまして

今でも日本は

平野が狭い国であるのでありますが

鎌倉時代当時は

今以上に海岸線が内陸に入っていたこと。

そしてその少ない平野には

当然の如く

道は舗装されておらず、

と言うより

舗装されて居る居ない以前に

ヒトが歩くことすらママならぬ

沼沢地も多数存在しておりましたので

元軍が最も得意とします

多数の馬に曳かせ、

パオごと

猛スピードで突っ込んで来ることは出来ず。

元軍は勿論のこと。

我が日本軍ですら船の上で夜が明けるのを待たなければならなかった。」

「そこにやって来ましたのが台風。神風でありまして

これに救われたのが1回目の元寇でありました。

相手が解りさえすれば対策を立てることが出来る。

要は上陸さえさせなければ良い。

とばかりに

上陸するであろうポイントへの防御を強固なモノとし、

今思いますと

何で?

と思うのでありますが

わざわざ危険な海を渡って来日されました元の使者を……。

としている内に

元が再び来襲して来まして

結果は皆様のご存じの通り。

最終的には神風で退散させることに成功したのでありましたが

いくさに勝ったとは言え。

他国を攻めて領土を奪ったわけではありませんので

これと言った恩賞

(新田開発。要は干拓した土地は自由に使って良いですよ。ぐらい……)

を渡すことが出来なかった上、

防御機能強化と防衛に掛かるの費用は

御家人が自弁で調達して居たこともありましたので

これまで鎌倉幕府を支えて来ました

御恩と奉公の関係に綻びが生じ、

朝廷に付け入る隙を与えてしまったのは

私の不徳の致すところであります。」


「そんな私がもし

北の3代目に就任しました場合。

まず何を行うのか?

についてでありますが、

当時の私でありましたら

今のような状況になっていたと思うのでありますが、

当時の私を踏まえた

今の私でありましたら

周りの国がやめておけ。

と言っているモノを

わざわざ自らの権力を誇示する道具に用いること無く、

敵対関係の解消に乗り出すことになると思います。

その後。

東南アジアの国になるか

中東・北アフリカのようになるのか?

につきましては

定かではありませんが……。」

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