シュレディンガーの猫は元気か?
とある博士がいた。
猫を箱に入れた。
しばらく箱を放置して、博士は問うた生命か骸か。
箱の猫が生きていたならば猫は弱々しく鳴くだろう。
生命を欲して鳴くだろう。
餌を与えた博士と猫は仲良く仲良く暮らすだろう。
箱の猫が死んでいたならば箱はただの棺桶だ。
博士に残るのは骸と罪。
開けてはならないパンドラの箱。
人の心は猫の箱。
決して開かない猫の箱。
あなたがどれだけ欲しても、開けるまで中はわからない。
相手がなにを思うのか、開けねば中はわからない。
だからあなたは箱を観る。
叩いて音を確かめる。
それでも中はわからない。
もしも知りたくないのなら、箱を忘れてしまえばいい。
もしも知ろうとおもうなら、毎日声をかけるのだ。
箱のなかで猫は何をおもう?
開かない監獄への絶望か?
あるいはいつかの外への希望か?
そしていつか気づくのだ。
あなたの心も猫の箱。
だれも開けない猫の箱。
明日誰かが叩くとき、やさしくドアを叩くとき。
あなたは箱を開けますか?
あなたは心を開けますか?
あなたの心の鍵はいつだってあなただけの手に。