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今日はポッキー&プリッツの日
短いです。
「あ、光輝。ポッキー食べる?」
「……何で? 貰うけど」
「何で当然のように口を開けてその場待機なの!? いや、11月11日だからねー」
美奈は溜息を吐き、手に持っていたポッキーを光輝の口に差し入れ――そしてガッと思い切り手を掴まれて肩をびくつかせた。
「ひいっ!」
光輝は手首をギリギリと握り締めたまま、震える指先に摘まれたポッキーを食べる。握られすぎて血が止まって手が青白いが、全く気にしていない。
「ちょ、血、血が止まる――うぎゃあ!」
そのまま指まで持っていかれるかと思った、と美奈は後に語る。
光輝は食べ終えたポッキーなど無かったかのように美奈の指を口に含んでいた。生温かい舌が這い回り、人差し指を根元まで銜え、あまつさえその指を甘く噛む。
何がしたいのだろうか。いや、目的など無いのだろう。むしろ舐めて噛む事、そのものが目的なのだと分かっていても、美奈は青ざめた顔を全力で左右に振っていた。
もはや本能の動きである。
「私の指はポッキーじゃないいいいい!」
「ポキッと逝ってみる? 一本ずつね」
「ひぎゃあああああ!!」