浮気がバレないように、新恋人は隠します
短いです
とある夜会。
「お前とは婚約を解消する!」
王太子である私が言った。
「理由は?」
私の婚約者が冷静に聞いてくる。
「すまない…私が不甲斐ないばかりに…君を幸せにする自信がないんだ…君は優秀だ…君の優秀さを引き出してくれて、君を幸せにしてくれる人が必ずいるはずだ!」
私は土下座をした。
「君みたいな有能な令嬢が、王家に入ってくれればいいけれど…私はダメな人間だ!本当に申し訳ない!」
土下座したまま、しばらく動かずにいると
「かしこまりました」
婚約者が了承してくれた。
「ありがとう!本当に申し訳ない!」
私は土下座したまま言った。
「殿下、もう立ってください」
婚約者…元婚約者が言ったので、私は立ち上がった。
「皆、すまないね…個人的な事で…。夜会を楽しんでくれ」
私は、夜会会場を出た。
私には、隠れた恋人がいる。
婚約者がいるのに、他の令嬢を好きになってしまった。
つまり浮気だ。
恋人とは、表立って交流は無い事になっている。
浮気を悟られない為だ。
誰にもバレないように用心に用心を重ね、今のところはバレていない…と思う。
上手く婚約を解消し、ほとぼりが冷めてから、恋人と婚約する予定だ。
新しい運命の出会いを演出する予定なのだ。
恋人と話し合って、計画を立てた。
浮気だと、評価が下がる。
国王が決めた婚約を勝手に解消するのも評価は下がるが…
国王には、婚約を解消したい、と言ってある。
国王は「どのように対処するのか見る」と言った。
婚約解消を反対されてはいないと思う。
たいていの婚約破棄は、その場で新しい婚約をするが、相手がそこにいたら、私は浮気をしています、と高らかに宣言しているのと同じだ。
まともな人間は、浮気なんて酷いことはしない。
婚約者には何の瑕疵も無いのに婚約を解消したのだと、皆に分からせ、新しい婚約相手を見付けてもらう為に、わざと大勢の前で、何度も優秀だと言い、婚約の解消を宣言した。
でも、婚約解消なんて、不名誉だから、申し訳ないと皆の前で謝ったのだ。
案の定、優秀な令嬢に婚約を申し込みたいと、釣書が沢山来たらしい。
1ヶ月後、元婚約者に、新しい婚約者ができた。
幼馴染だそうで、とても幸せそうらしい。
直後、私の婚約を発表する。
偶然の出会いがあり、交際が始まった事になっている。
これからは、恋人として堂々と会える。
新しい出会いと、王家の祝い事に国民から祝福される。
浮気の果ての、婚約破棄からの新しい婚約ではないから、私はそのまま王太子でいられたし、数年後には国王となった。
本当は、浮気したから婚約解消したんだ。嘘ついてごめん。
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