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浮気がバレないように、新恋人は隠します

作者: 井上さん
掲載日:2026/04/07

短いです

 とある夜会。


「お前とは婚約を解消する!」


 王太子である私が言った。


「理由は?」


 私の婚約者が冷静に聞いてくる。


「すまない…私が不甲斐ないばかりに…君を幸せにする自信がないんだ…君は優秀だ…君の優秀さを引き出してくれて、君を幸せにしてくれる人が必ずいるはずだ!」


 私は土下座をした。


「君みたいな有能な令嬢が、王家に入ってくれればいいけれど…私はダメな人間だ!本当に申し訳ない!」


 土下座したまま、しばらく動かずにいると


「かしこまりました」


 婚約者が了承してくれた。


「ありがとう!本当に申し訳ない!」


 私は土下座したまま言った。


「殿下、もう立ってください」


 婚約者…元婚約者が言ったので、私は立ち上がった。


「皆、すまないね…個人的な事で…。夜会を楽しんでくれ」


 私は、夜会会場を出た。




 私には、隠れた恋人がいる。

婚約者がいるのに、他の令嬢を好きになってしまった。

 つまり浮気だ。


恋人とは、表立って交流は無い事になっている。

浮気を悟られない為だ。

 誰にもバレないように用心に用心を重ね、今のところはバレていない…と思う。

 上手く婚約を解消し、ほとぼりが冷めてから、恋人と婚約する予定だ。


新しい運命の出会いを演出する予定なのだ。

恋人と話し合って、計画を立てた。



 浮気だと、評価が下がる。

国王が決めた婚約を勝手に解消するのも評価は下がるが…

 国王には、婚約を解消したい、と言ってある。

国王は「どのように対処するのか見る」と言った。

婚約解消を反対されてはいないと思う。


 たいていの婚約破棄は、その場で新しい婚約をするが、相手がそこにいたら、私は浮気をしています、と高らかに宣言しているのと同じだ。

まともな人間は、浮気なんて酷いことはしない。



 婚約者には何の瑕疵も無いのに婚約を解消したのだと、皆に分からせ、新しい婚約相手を見付けてもらう為に、わざと大勢の前で、何度も優秀だと言い、婚約の解消を宣言した。

 でも、婚約解消なんて、不名誉だから、申し訳ないと皆の前で謝ったのだ。

案の定、優秀な令嬢に婚約を申し込みたいと、釣書が沢山来たらしい。



 1ヶ月後、元婚約者に、新しい婚約者ができた。

幼馴染だそうで、とても幸せそうらしい。


 直後、私の婚約を発表する。


偶然の出会いがあり、交際が始まった事になっている。

これからは、恋人として堂々と会える。



 新しい出会いと、王家の祝い事に国民から祝福される。

浮気の果ての、婚約破棄からの新しい婚約ではないから、私はそのまま王太子でいられたし、数年後には国王となった。




 本当は、浮気したから婚約解消したんだ。嘘ついてごめん。


読んでいただきありがとうございます

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